ツクヨミナツミ

#22

 今回もまたへ訪れてくれたこと、感謝いたします。

 既にご存知の事とは思いますが、私はこの物語の語り手古本屋栞こもとやしおり。数多の世界を観測し、数多の世界を語る者……。

 そんな私が語ることができる世界は人間の世界だけではありません。物語が紡がれていれば人でも、物でも。人ならざる者でさえも。

 その証明という訳ではありませんが、今回はこれまでの物語とは異なる種族……一般的に森人エルフそう呼ばれる者の物語を語らせていただこうと思います。

 どうぞ最後までお付き合いのほどよろしくお願い致します。


***


 ここは、貴方達人間の世界とピタリと接していながらも行き来することは叶わぬ近くて遠い異世界。

 ××××・××××こちらの言葉でツクヨミ・ナツミという名のエルフの少女はそんな世界でまさか自分の世界が他の世界から観測されているなどとは知らずに日々変わらぬ毎日を過ごしていました。

「××××(”仕入”);」

 ××××もといナツミはこの世界特有の言語による指示を受けると、勤め先である道具屋の裏口から外へ出て、すぐさま待機していた宅配人を思わせる姿をした紅色の人型スライムと共に指示の実行へ移りました。

「×××× Dm3-0F7(”移出”)=>×××× As3-001(”移入”);」

「×××× As3-001(”移入”)<=×××× Dm3-0F7(”移出”);」

 この世界独自で構築されたテクノロジーによって数百ものアイテムを電子化し専用端末で受け渡しを済ませたナツミは紅色の人型スライムは必要以上の言語は発することなく裏口から道具屋へと戻り次の行動へ移りました。

「××××(”陳列”);」

 新たな指示を受けて店内へと戻ったナツミは先ほどアイテムの受け取りで使用した端末を陳列棚に向け、マニュアル通りの操作を行いました。

 すると、所々空になっていた陳列棚に端末に保管されていたデータが転送され、そのデータを基にアイテムが実態を形成したことコンマ数秒という速さで陳列棚はアイテムで埋まりました。

「××××(”業務”);」

 ナツミに新たな指示が下されてから数秒後、この世界そして貴方達の世界の時間で

【11:00:00】

 を迎えると、この世界は貴方達の世界からを除いて完全に切り離されてしまいました。


***


……{

   if……{//発生条件

      ……;

    }else if……{//1,3,5,7,9,11なら

       ……;

    }else if……{//2,4,6,8,12なら

       ……;

    }else{//それ以外

       ……;

    }


 一部を除き閉ざされた世界の中でナツミは一部の物にしか理解することの出来ない言語による新たな指示を受けました。

 その指示がナツミという森人エルフの運命を大きく左右することとなるとはこの時夏海本人さえ知ることはありませんでした。


***


 現在、皆様にお知らせすることができるはここまでです。

 この続きは是非皆様ご自身でプレイすることをお勧めいたします。


 私の発言に関して疑問をお持ちの皆様へ

 いつかの時間、この物語を受け取るタイミングにより遠い未来・近い将来・既に過ぎた過去様々かと思われますが、この物語を閉じた後で是非一度調べてみることをお勧めします【SEED】という名の異世界の【冒険録】を……。




語り手 古本屋栞

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本棚 姫川真 @HimekawaMakoto

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