水煮さんの創作者向け星占いで鑑定していただいたお話

赤坂 パトリシア

水煮さんの星占い



 水煮さんのお名前を初めて目にしたのは、昨年。創作上の友人から。

 創作者のニーズに特化した星占いをしてくださるかたがいらっしゃるんですよー、ということを伺って、「ほへー」と思ったのでした。


 創作をする人だけを対象に占いってできるのかしら……。

 すごく人気で抽選に当たらないと占ってもらえないみたいだし……。


 ぼんやりぼんやり考えていたその頃の私の首根っこを捕まえて叫びたい。


 


「へ?」「創作者のための星占い?」「なんで?」となる方もいるかもしれないけれど、とりあえず、



「こんな上質の創作者向けカウンセリングは多分他にはほぼない。あるかもしれないけど、見つけるのは容易ではない」



 水煮さんといえば「パワーワード」で有名ですが、明日の原稿を書く元気パワーが湧いてくるそういう意味でもパワーワードが連発でした。感動のあまりレポート書いてしまうほど。書きながら軽く絶望するほど。


 いや、多分ね、このレポート読んでもあまりピンとこないと思うんですよ。だって、これがすごくピンときているのは私が常々考えたり感じたりしていることとバッチリ合致しているから、だからなんですよね。

「いま」「わたしが」「漠然と感じている」何かにぱしっと合致するからすごいパワーなんです。で、その合致のかなりの部分は水煮さんが、作品を読んでから占ってくださっているということとも関係があるのだろうと思います。(5万字まで読んだ上で占ってくださいます)

 でも、読者さんには、多分この直球ど真ん中具合はわかりにくいんじゃないかなあ……。



 というわけで軽く絶望しつつ始めます。時折、人間は絶望しつつも語らなくちゃいけないからな!



 ★☆★☆


 水煮さんについて伺った後、ツイッターだけフォローして、「そのうち悩んだら申し込んでみよう」などと、ぼんやり考えていたのですが、この2月。なぜか(本当になぜか)そんな話題になって申し込んだら──1回目で抽選当たっちゃいました。


 当たっちゃったんですけど、その時点では相談事がまだ言語化できてませんでした。


「なんか、色々書きたいものが思いつくけど全部ジャンルがバラバラ」

「それなのに思ったように書けていない」

「色々と外部から横槍が入って思うように書く時間を確保できない、というか、一度書くための条件が崩れるとなかなか元に戻すのが大変」

「でも書きたい気持ちとアイデアだけは無尽蔵に生まれてくる」


 あたりが、多分漠然と感じていたものだったのだろうと思います。その時点では。でも、自分では明確に意識できていなかったし、言語化もうまくできていなかったのでとりあえず「創作の方向性について」というめちゃくちゃ漠然とした質問で申し込みました。

 イギリスと日本では時差がありますし遠すぎるのでスカイプのチャットで。これは後で気づいたのですけれどログが読み返せるのでパーフェクトでした。いや、あの、あれですよ、想像外のことを言われてしかも当たっていて「わ。わ。わ」となるので、受け止めに時間がかかるのです。


 さて。


 最初は人生のテーマの天体配置から。



 ──赤坂さんの場合は…「理想や信念を広めるために、人間が想像しうるありとあらゆるものを使って物語っていく」という天体配置になっていますね。



 と言われて、まずがっつんと。およばないけれど、確かにそれがやってみたいことではあるのです。


 ──「理想・信念・自分にとっての正しさ」や「ここではないどこか」「どこかに存在するなにか」を扱っていくことになるので、作りながら思索し、試行し、テーマを理解してゆく…という流れが基本になってくると考えられます。



 これも、「あ。そうか」と。

 割としっかりプロットを作り込んでから書き始めているはずなのに、書き始めるまでどんな話になるかわからないのは私の能力のせい? どんどんプロットからずれていく私は悪い子? などと思っていたのですけれど──天体配置だったか! 書きながら、見出していくタイプの書き手だと天体が決めていたか!


 星か!

 星のせいか!

 それじゃ、仕方ないじゃん!


「信仰にちかいのですね」と言ったところ「むしろ信仰そのものですね!」とはっきりしたお返事が返ってきました。「信仰の哲学的な側面も、救済としての側面も、どちらも持ってらっしゃる天体配置です」と言われて、「あああ」、と思うなど。


 救済があるなら、よかったですし、嬉しいのです。今後も頑張って救済を目指していく所存です。


 さらに続くパワーワード(笑)



 ──「見えないものを見たい」という欲求が根っこにあって、「いつかきっと見える日が来るはず」とと「いつか見える日が来てくれますように」という願いをもってして、見えないものの観測を続けているイメージです。 [傍点引用者]



 根拠のない自信! まさに! 大爆笑しながら頭を抱えていましたが、まさにそのものです。



 ──「こぼれ落ちてしまった可能性を拾い上げる」という面も持っているので、創作と親和性が非常に高いテーマでもあると思います!

 創作と親和性が高いということは、ぶっちゃけ「なんでもあり」という側面が強いので、とんでもなく方向性がしぼりにくいな~とタイピングしながら頭を悩ませておりました。



 あ。なるほど。私が方向性に悩んでいたのは、なんでもありな星のせい……(仕方ない!!!)

 じゃあ、方向性をどうやって決めれば良いのか、というと、もう「波と流れにまかせる」のが最適解なのだそうです。私の場合。

 あれー。ノルマとか作ってちゃんと書かなくっちゃって思ってたのですが……



 ──むしろ、力を抜いて「だいじょぶだいじょぶ~」と流れに身を委ねてないと、おぼれちゃいそうな怖さもあります。



 ……それは、こわい。


 ──波打ち際で遊んでいたら離岸流に巻き込まれて沖へと流されてしまうような天体配置でもあるので、なんとか泳いで岸に帰ろうとはせず(離岸流のほうが人間の泳ぐ速度よりも速いので…)、力を抜いて水面に浮かび、そのまま流れに身を委ねて、だれかに救助されるのを待ったほうがいいだろうな~と…。



 うわ。うわああああああ。

 ていうか、救助、きてくれればいいですけど、それ、予期せぬ赤坂の大冒険みたいななにそれ、なにそれ!


 ここで言われて「あ」と思ったのは「わりと『自分の力ではどうにもならないな!コントロールしきれないな!』みたいなことが起こりやすい天体配置」ということで、確かにこれがものすごく納得いくんですよね。いや、あれですよ、人間なんてだれだって自分の力を超えた流れに翻弄されつつ生きていくんでしょうけど、それにしても、まあ、確かに私は割と今まで波乱万丈だった! だった!!


 さらには自分でコントロールすることを諦めないとこの天体配置が「受難」に転ぶということ。頑張ってあがいちゃうと力尽きて溺れちゃうのでとにかく浮く。



 ──赤坂さんの場合は、人生のテーマそのものに「大きな流れに乗っかる・身を委ねる」という色合いが備わってるので、せっかくならこのよくわからない流れに乗っちゃいたいな~という感じが強いです。


 ギャンブラーだ。人生がギャンブルだ……赤坂。そうか。自分の力でなんとかしようとしてはいけないのですね……。



 ──救助が来なくても、もともと生命力が高そうなのでなんとかなると思います!

 イルカに掴まってどこかの南の島に行ったりとか…。



 そして自分ではどうにもならないものに流されているときに作る物語が、今度は誰かを救う救済の物語になるのだそうです。ですからむしろ意図的に「なにもしない」時間があっても、私の場合はいいのかもしれない、のだそうで、ただし、それがまた私の天体配置的には難しいんだそうです。




 ──「人生テーマを表す星回り」は「コントロールしないこと、流れに委ねること、だれかになんとかしてもらうこと」が鍵なのに、「普段使いの星回り」は行動的で、実務能力が高く、合理性を求める傾向が強いので、

「流れに身を委ねようって、そんなことしたら死んじゃうよ!」と抵抗や葛藤が激しそうですね。



 !!

 それですよ! 私が最近もやもやしていたのは、それですよ!!!


 この辺りで、あまりにも当たりすぎていて、笑えてきていた赤坂。

 でも、それだと、早くたくさん書くことが求められるジャンルは難しいかしら……などと考えていたところにさらに水煮さんの声。



 ──これまた方向性に悩みそうな要素ではあるんですが、赤坂さんの場合、特定のジャンルに特化していることが強みなのではなく、「わりとなんでも書ける」ことが強みになりやすい天体配置なんです。


 ──そもそも一つのジャンルに特化していく必要はなさそうですね。マルチタイプの傾向が強い…というより強すぎるので。



 あああああああああああああ。(深く納得の声)

 そうか。女性と運動の話がまだ終わっていないのに、イギリスのご飯の話と、悪役令嬢の話が書きたくなっているのは仕方ないのか。天体配置だもの!



 ☆★☆★


 ……もう、本当、色々な意味で漠然と抱えていた創作上の不安だとか悩みのようなものが、驚くほどの手際の良さで整理されていく体験でした。

 プロすごい。

 私には占いの知識が全くないので、ほへーっと伺うだけでしたけれど、おそらくものすごく重要なポイントは水煮さんが創作という営為に深い理解をお持ちだということだと思います。

 そして私たちは、普段割と多くの「こんな風に書くべき」「プロになりたかったらこうしなくちゃ」という情報には触れているのだけれど、本当に書き手としての私たちに寄り添って言葉を探してくださっている方には、なかなかお会いしないのだな、とも思いました。読んで楽しんでくださる読者さんや、良い点改善点を指摘してくださる創作仲間、一緒に良い本を作ろうと頑張ってくださる編集さんとはまた違った所からやってくる言葉が、今日はものすごくパワフルで、キラキラしていました。ありがとうございます。



 そして最後に。

 色々なジャンルに手を出すと、自分のことがどんどん出てきてしまいそうで怖い……。とつぶやいた所、確かに自己開示しやすそうな天体、というお言葉をいただきました。



 ──なんというか、「役に立つ情報はケチらずシェアしたい」という面と、「(いい意味で)煽られた結果、話しすぎてしまう」な面がありそうな天体配置なんです。



 はい。まさにその通りです。素晴らしい占いに出会ったので、ここにシェアいたしますね。皆様の創作ライフが、豊かなものになりますように。


(ぺこりんこ)

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水煮さんの創作者向け星占いで鑑定していただいたお話 赤坂 パトリシア @patricia_giddens

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