ヨモツヘグイの夢

＊＊＊注意＊＊＊
・世界観は近未来SFですが、魔女やホムンクルスなどファンタジー生物も出てきます。

夢は現界の複製、習合し分裂し、不規則的とも言える社会の蠕動に抗えずに揺動されてしまう物である。一人の人間には到底扱い切れぬ力が働き、誰も彼もの予想をＺ軸方向に裏切るが如く、夢と称されし世界は湖畔の静寂に似た不穏を現実に垂れ流した。即ち其れが混沌の再来であり、気付いた頃には最早如何にしようも無く、廃れ、滅び行く整合の有終の美を見届ける他無かった。────大層な口振りでの序文でこそあれ、その現実は避けようも逃げようも無く、紛う事無き真実なのだ。私は夢に侵され、半身はもう私と呼べぬ異形と成り果ててしまった。こうして拙いながらも文章として形に遺せるのは、他ならぬ私の研究成果が何処ぞの次元に於いて実を…続きを読む