ある少女の目線で淡々と(そうでありながらも綿密に)描かれた短編。思春期の少女同士の間に稀に生まれる感情として、嫉妬、無関心、軽蔑·····などがあるが、それらが燃え上がり、虚無の状態になる、というような刹那の期間を切り取ったような作品だった。読者としてその感情を消費したように感じ、同時に小説内の登場人物のことを思い·····最後にタイトルの意味がじわじわと効いてくる。そういうもったりとした感覚が味わい深い。
もっと見る