ありふれたエンディングと、そうじゃないディスティニー




 あれから、10年の月日が流れた。



人生で、一番の出会いから。時間がだいぶと流れ。


私、礼子は26歳になった。




私が運命を感じた・・・・と思っていた、良哉さんとは、・・・・あれから、連絡を取らなかった。



私は高校を卒業したあと、美容系の専門学校に入学し、そのまま美容の道へ進んだ。


高校生の頃から、ネイルアートやヘアスタイルののサンプルが部屋から溢れるほど

勉強してきて、その経験を武器に社会に出た。と思っていたのに。



現実は。


先輩との人間関係とか、想像以上の勤務時間とか、まるで新人を試しているかのようなあまりにも理不尽な「課題」に、吐くほど悩む日々だった。


学生の時は、あれだけ自信に満ち溢れていたのに。


毎日泣いて帰った事もあったし、限界を感じた事も何度もあったけれど。


それでも。


常に、流行は変わっていくし、私の感性も年月とともに変わっていく事に気付いて。


そう気づいた辺りから、大分仕事が軌道に乗ってきた気がする。


そして、やっと落ち着いた頃。


ふっ、とある時。良哉さんに会いたいと思うようになった。


もしかしたら、これが、運命の時なのか?。などと、は思わなかった。分からなかった。深い意味は本当になかった。つもりだった。


あの時、良哉さんから送られてきた「過去からの手紙」と、「着物」と、良哉さんんの・・・いや「宏俊さんの写真」。


それは。


今も、私の部屋にある。


ベットの下のケースの中に、紙袋に何重にも詰めて。


私は何年も、そこを見ないようにしていた。


でも。


なんとなく、それを手に取って。


そして、会いたくなった。



「もし、君が大人になったら。もう一度、この運命をどうするか、決めて欲しい。今度は、僕が待っているから。」



忘れているようで、ずっと忘れていなかった、その言葉を胸に。


私より、8歳年上なはずの、良哉さんは、最後に会った時と全く変わらなかった。


思ったより、若若しくて。


眩しかった。


手に持っていた、「宏俊さん」の写真と、目の前の良哉さんが。


一瞬、重なって見えた。懐かしい。そんな気持ちにやはりそう思った。


涙が溢れていた事に、今気付いた。


高校生の頃、初めて良哉さんに会ったあの時みたいに。


いや、だいぶ。


はるか、昔。


「宏俊さん」を一目みた時みたいに。


一気に時が戻ったようだった。



「いや違うよ。」


良哉さんも、同じことを感じているのだと、分かった。


私の涙を拭ってくれ、言った。



「僕たちは、今、その時代から、一気に未来に辿り着いたんだ。」



ありふれた作り話みたいだけど。


でも、私たちしか知らない、秘密の運命。



100年くらい前から。


魅かれあっていた私達が。


そのまま現代へ、引き寄せられた、ありふれたエンディング。


ただ、違うのは。



わたしは、死なない。


絶対に。


良哉さんの涙を拭い。


お互い、少し、笑って。



私達は歩き出した。


手をつないで。


今度こそ、離さないように。





・・・・・・・・・・・完結・・・・・・・・・・・・・




ご愛読ありがとうございます!!!。


少し、バタバタした中での執筆だったので。(あれもこれも新作を書くからや・・・笑)すこし乱雑な作品になってしまった気がします。。。。


あれ?。この描写いる?。あの描写いる?。などと、読み返しては恥ずかしさのあまりジタバタしております。


しかし、私が作品を描くことにおいてのモットーは、「とにかくハッピーエンドにする事!」なので、そのモットーは今回も達成できた気がします。


 初心者まるだしの私ですが、これからも作品を生み出していきたいと思ているので、よろしくお願いいたします!!



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ディスティニー 夏戸ユキ @natsuyukitarou

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