第8話未定

 説明会の当日。様々な人が会場には集まって居た。……正直な話、漁場の損失を極力抑えた上で氷樹大陸を創ると成ると、中空的な足場を前提とした大陸に成る。つまり、他の国で言う地下からの攻撃と言う奴を比較的簡単に行えてしまう。だから、漁場が無く成るとしても、別に魚を乱獲した訳では無い。それは単に防衛上の観点から厳しいと言うだけで、他の国、より正確に言えば漁業団体側からすればそうして欲しいはず。ええと他には、其処で他の国の代表者に話しかけられる。

「水霧様……また貴方ですか?貴方は二国目の建国に立ち会う形ですよね?」

「今回に付いてなら、俺は殆ど何もしては居ないですけどね。この場を設ける以上の事は殆どして居りませんよ」

「今回の事でどうなろうとエウミア連合国は責任を負いません、と?」

「傀儡国家で傀儡政権に成りたいなら、協力するが?と言って断られましたので」

「よく言いますね。建国で貴方方の国の定義を使う以上、今回の事で建国される国に対して強権が有る様に見受けられますが?」

「後ろ盾に成る代わりに重要事項検案時にたまに口出しさせろとしただけですよ」

「……定義上はエウミア連合国の枠組みの一部な様ですが?」

「それは前提条件上当然ですね。建国時に此方の国の連合国の連合の内の一つとして定義される事で、国としての成立の段階を踏むためらしいですから」

「つまり、エウミア連合国は良い様に使われていると言う事ですか?」

「此方の国の領土を増やす際に水をどかすそれを凍らせて貰えば互いに利益が出ますので」

「……ふむ。エウミア連合国側からすれば、海底の自国領土拡張時に海底に対する工事量の削減効果が期待出来る訳ですか」

「それだけでは有りませんが、まあ、彼らにも大義名分は有りますからね。それが此方にも都合が良かったのです」

 ……此方からすれば今回の事をテロリスト集団の建国宣言と似た事に成らなくさせているだけでも十分利点な訳だがね。

「エウミア連合国と言う前例が有るからとは言え、テロまがいの事が良く通った物ですね」

「公海域内に創った事で、他国の領土の簒奪目的では無いと主張出来ましたからね。なので、他国の物を奪う為の拠点だと疑うには他の国から遠すぎる立地なので無いですと言える訳です。まあ航空機とかの補給基地とかの扱いにするには、今回の国単体で見るとアレですし、エウミア連合国側からすれば今更補給基地を得ても……ですから」

「航空機の補給基地としての価値、ですか。……殆ど有りませんね。公海に創る以上、航空機の燃料などを其処で補充して行ったり来たりなんてするにも他の国から些か遠すぎますから、エウミア連合国の補給拠点とするには守るのも面倒な飛び地の拠点と言えるでしょうし」

 ……あはは。これ要は公海に創って無かったなら氷樹大陸はエウミア連合国の他国への侵略拠点扱いに成って居た訳だ。あぶねぇ。もっと口出ししておくべきだろこれは。

 さて、此処は問題なさそうだし、リリック・フロストに言い含めるのをしたら帰るか。……と思った所で投げ飛ばされた様な感覚が身体を襲う。……ええと?周りには何も居ない。隠れているのを警戒して周りに水を飛ばすが……何もなしだが、それでも何かまだ来るな。分身側は?ああ分身のうちの一人がそう言うのと交戦中だな。恐らく此方の分身を呪いの藁人形扱いにしたのか?確かに全部一つの身体扱いにすると此方の当たり判定が大きすぎるのでそれの影響が出にくい様に小分けにして有るのだが、その結果その分身が呪いの藁人形代わりにされて此方に波及して来た様だ。まあ、此方が身体を小分けにしていればして居るほどダメージ量が上乗せで来るようだが、大したダメージに成らないのは単純に相手の実力不足が原因だろう。波及させる範囲が広い上、多く、それに使うエネルギーも莫大で、それを補えるレベルの出力を出せる実力が有るなら、こんな事をしなくとも、もう普通に戦う方が早いレベルだろうから。まあ、後は普通に処理したよ。……いや、まあ、詰み手を打たれても、相手の実力不足で勝てたとかアレ過ぎるのだが、それを完璧にやれるならまともに戦った方が早い検案な以上、まあ、しょうがない……だがな……これの対策を打つにも、元の手法がそもそも他の事の対策だからな……。複合的な対策を打てないと彼方を立てれば此方が立たず、だ。さて、リリック・フロストの所に行き、言い含めておこう。説明会も終わった様だしな。

「リリック・フロスト。一先ずはお疲れ」

「……エウミア連合国側が協力をもっとしてくれればしなくていい苦労だと思うのですが」

「……それについてだが、氷樹大陸を拡張する上では相手側の国と此方側の国の経済水域が重ならない範囲以外には自国領土を創るなよ?」

「経済水域が二百海里未満の国も有るはずですが?」

「……いや、後から領土を創る以上、それをやる事を正しいとしたら経済水域を強盗するのを公認するような物だからな?」

「と成ると自国領土を展開出来る範囲はかなり限られますが」

「何処でも領土を増やせるのにわざわざ他国の近くに創る必要も無いだろう」

「貿易的には貿易相手の近くに土地を得るのは利点有りますけど?」

「……いや、それをすると侵略拠点創った様に取られかねないから」

「……ああ、豊臣秀吉の一夜城と言う奴ですか。確かにやる事が似ているとしたければ出来る範囲ですね。……そうすると立地が不便な場所以外に領土を創るとアレですから……ああ、くそ。他国との貿易コストかさむなぁ……」

「だがそうするしかない」

「……はぁ……そうだな。その方向で調整するよ。じゃあ失礼させて貰います」

「じゃあ、またな」



 そしてエウミア連合国側に戻るとシュライク・バースデイが話に来た。

「なあ、水霧、建国時に求められる事は建国と言う手法をする事で得られる大きな実利か、ロマンが有れば良いと言う事で良いのだよな?」

「あくまでもそれが建国の大義名分に出来るから、ノープランで行くよりかは通しやすいだろう。と言う話だ。ゴール地点だけ出してこれをやりたいとか言っても仕方無いだろう」

「ロマン側で此方が用意出来そうな奴が有るのだが相談に乗ってくれないか?」

「話を聞こうか」

そしてその話を要約すると。

「要するに巨大なゴーレムで大型の移動可能な都市を作りたい、か。確かにゲームである程度見た事は有るが、問題はそう言う方式が取られている理由や原因が無い事かね」

「一応は遊牧民族辺りには売り込めそうでは有るのだが」

「都市を抱えたゴーレムを売るだけだと国では無く只の企業だな。うーん。船ならまだ需要が有ると思うがね」

「巨大な船の中に都市を構築する、か。それも見た事は有るな。だがそれなら何故行ける?」

「船の中に船を収容出来るレベルの奴に限るが、長期の漁をして居る人達の海上の休憩拠点と言う立ち位置、かな。それならまだある程度は需要が有る。高速道路で言う、サービスエリアと言う奴だ。追加で言えば沈没事故が起きた際にそこから救助にも向かえる」

「なんか創作で見た事は有るが、実際に創ると成るとどれぐらい掛かるのかね?アレ」

「都市のサイズ次第でも有るけど、材料費だけを考慮してもアレな金額が掛かるだろうな。巨大なゴーレムがそれの代替物に成るかどうかはそのゴーレムの性能次第だが」

「海賊とか壊しに来る奴とか居るかね?」

「国際会議に提言して認められて創っても来られたから、八割方来るかもだ。ああ言うのは此方にどんな大義名分があろうが壊したければ壊しに来るアレな人たちだから」

「……いや、それは言い過ぎでは?」

「……実例として国際会議に話を通したのに建国してそんなに経たずに侵略者が来たのだが?」

「はは……」

「想定されるサイズ次第では数千億から兆単位レベルの金がかかるかもだが……まあゴーレムがどれだけの性能かで創る奴と削減出来る金額は変わる訳だがね」

「まあ、戦艦とかを創る金額は軽く超えるよな……そう言うのも組み込まないとアレだろうから」

「先ずは水中活動可能なゴーレムを用意できないと話に成らないから、小舟ゴーレムでも作ってみてよ。それが出来たら素材なり何なり手配しよう」

「ええと、素材は土砂が有ればそれで良い。土砂から、テラならそれから金属類を作れる」

「なら先ず貴金属類の素材購入費が相応の土砂を用意するだけで良く成る、と。なら海底の領土拡張工事で出た邪魔な土砂を其方に回そう。そしたら素材も身内だけで用意出来る」

「……材料費をもう億単位くらい節約出来ている気がする」

「小舟ゴーレムを創れてから言え。だが少し待て、船の設計図を持って来る」

「解った」

 そして小舟の設計図を持って来て、土砂が有る場所に移動し、試させる。

「船の構造通りに土砂から金属にしたパーツの役割のゴーレムを大量に用意してそれに自立させて組み立てさせるようにゴーレムを調整する事で、ゴーレムで船を用意する。つまり、設計図と土砂さえあれば船の大量生産が可能。……いや、これ真面目に完成形時には能力無しでやる場合より兆単位のお金が浮くかもだな」

「量産すればするほど節約出来た金額が上がる……創れるだけ大量に造りたい所だが……」

「確かに。だがまあアレだ。ゲームで例えれば、要は採算度外視なエース個体を量産出来るが、それ“だけ”を大量に用意するのは戦略として正しくない。もしそのうちの一つを操縦者側の落ち度無しにまともな方法で倒されでもしようものならその後は攻略法が確立されている奴を大量に抱える事に成るし、ジャンケンゲーで言えばどれか一つを大量に用意したら、それに勝てる奴を相手に用意されました。と言う状況に成るから」

「とは言え、採算性度外視で本来製作費が幾ら有っても足りないレベルの大船団を組めるのは捨てがたいな……」

「それについてならば、要は一つの雛形で全てを解決しようとしなければ良いだけだろう。多様性とはそのための物だし。……いや、採算性度外視で量産化が可能なら物量押しも行けるよな。例えば巨大な船で火船とかをやっても、それに本来なら必要なコストを大きく下回るコストだけしか使わなくても良い。コスパ最強」

「……掛かる金額はともかく、ゴーレムを創る手間的に、それをやるならゴーレムを敵陣に突入させたら自爆させるだけで良くないか?だからそれは無駄手間だろう」

「それは残念。それはともかく、船が出来た様だな。……人件費が一人分で色々な機構込みの船を創れるのか……」

「まあそれはさておき、取り敢えず海に浮かべてみるか、移動しようゴーレムで出来ているから、自分で移動してくれるし」

「おう。それじゃあ海に浮かべに行こう」

 そして海上に浮かべてみると、

「……問題無し、だな。まあ設計図通りに創ったはずだからこれが駄目ならゴーレムのAIの強化とか設計図の見直しとかをしないとアレだからそうならなくて良かった」

「なら次は中型船に行ってみようか。設計図を持って来るから少し待て」

「おう。楽しくなって来た」

 そして一通りの実験をして、それは成功に終わったのだった。

「あ、そうそう。国名を決めるならかなりぴったりの奴が有るのだが」

「なにだ?聞こうじゃ無いか」

「【ザラタン大船団】。ザラタンは島だと思い上陸したら巨大な生物だった。……の逸話の生物の一例の奴だな、船型のゴーレムを船だと定義しているならばそれが良い感じだろう」

「船の部品名辺りが無難だと思うのだが……まあ考えておくさ」

「因みにリリック・フロストの方の国名は【氷花連邦】、らしいぞ。自分たちを氷樹大陸のグラデーション扱いにする意味の名前な様だ。国の前提になぞらえた国名と言えるだろう」

「……なんか此方にはシンプルな良いのは無いのか?」

「短い名前出したろうが。……なら……長い名前で良いなら、ファスティトカロン大船団はどうだ?ファスティトカロンは同じ逸話持ちで、名前の意味が大洋の流れに浮かぶもの。だ」

「……うん。ザラタン大船団で良いか……ファスティトカロン大船団は略称を考えてもアレな略称に成りそうだが、だからとフルネーム毎回言うのもアレだし……いや、それを略して、【ファティカ大船団】にしよう。うん。ザラタン大船団よりそれが良い」

「解った。それで行こう。さて特注の船の設計図の手配でもしないとか。都市を内蔵出来るレベルの巨大な船なんてそうそう無いから。……いや、まあ、収容人数が有れば良いだけなら、豪華客船とかを創れば良いのだが、武装込みの船じゃ無いとアレだし、空母を改造するのが無難かな?航空機の収容スペース的な内部に大きなスペースが有る奴だし」

「つまり、航空戦艦の収納スペースと居住区を大きくしたもの、か。フィクションだとそれなりに使われる様だが、調べると実際に創るなら空母と戦艦の互いの長所を潰す構築に成るそうだ。要は内部に航空機をしまう関係上何も無い空間が構築上ある程度必要だが、そうするとある程度以上の主砲を積むには船の構築上のバランス調整がアレに成るのだと。だから、航空戦艦を創るならバランス調整を行うための大型化が無難なのは言えると個人的には勝手に思う。大きくすることで船のバランス調整を行いやすくすると言う奴だな。まあ大きくし過ぎても相手の主砲が当たりやすく成るだとかコスト的な意味で断念されそうだけど、コスト側は度外視出来るし当たりやすいのもゴーレムの性能を上げれば良いから行けるだろう」

「問題点が有る奴を敢えてやるのか?」

「都市を収容する巨大な船と言う奴を成立させたいならどれが適切か?で、航空戦艦が出て来て、航空戦艦の問題点も巨大化で何とか出来そうと言う話だぞ。これは」

「……いや、この理屈だと、例えば船の一部が切り離されるとかしたら自壊しないか?」

「……いや、それはそうだが、そうされるような状況とか装甲を大きくぶち抜かれている状況な訳だが……」

「流石に部位破壊されたら自壊する船とか無理だろ」

「……なら弩級戦艦以上の主砲設営は諦めるか……」

「ロマン的には組み込みたいのは解るけども……」

「ああそうだ。ゴーレムの性能上げればそうなった際に別の奴に組み立て直せるのでは?」

「……いや、やろうと思えば出来るが、量産化する上でゴーレムの性能を上げるのは流石に手間がね……」

「なら超弩級戦艦クラスの主砲を設営する奴だけそれの性能を盛れば良い。どうせ一種類ごとならある程度以上の量産はしないのだからさ」

「……まあ、それなら……」

「よし。決まり。護衛艦として超弩級戦艦創るぞ。そうしよう」

「……そりゃあ創るけども、主な作業は此方持ちなのだが?」

「自由度の高いゴーレムを創れる奴がシュライク・バースデイだけの訳では無いだろ?」

「……それはそうだが……恐らくこれで創った船がヤバイ事を起こしたら確実にそれをやる人員は狙われるよな……」

「確かに仮に戦争で相手に情報抜かれてもそうならないなら別の理由か何かが有るのだろうからアレだけども。大船団とかアレじゃ無いか?大船群の方が良くないかね?」

「別に大船団と言うワードが独自解釈なそれならアレだけど、要は大きな船が沢山ある集団ってだけだからな……」

「……いや、正直な話、大きい事をやれたなら、色仕掛けとか仕掛けて来る奴居そうな気がするのだが」

「……ああ、玉の輿狙いの奴が出てきそうだと言う話か?まあ普通に金掛けて造りましたとか対外的に言うならば金目的で腐るほど出て来そうでは有る……ふむ。なら、この質問をしよう。見た目だけが良ければ他はどうでも良いなら、変身能力持ちが身近な人と入れ替わっても良いと言う事か?」

「……いや、何狂っている様な質問をしているよ?」

「これは相手の見た目だけを重視して、他はどうでも良いなら頷くべきだぞ」

「頷く訳無いだろ、そんなの」

「いや、変身能力持ちが自分で創った身内に居てね。見た目だけを重視すると言う考え方は捨てざる得なく成ったのさ。それを頷くなら周りの人が全員変身能力で他人と入れ替わって居ても良い事に成るからね。……いや、別にコスプレでやる性行為とかを否定する訳では無いが」

「……いや、例えがハード過ぎるだろうが」

「もし見た目だけを重視し他がどうでも良いなら、見た目だけが重要な相手が同じ見た目の他人と入れ替わろうが気付かない。後はそれをそいつの周り全部に適用しただけだ。……変身能力とか見た目を自由にどうでも出来る手段が広く普及すると、最早中身重視なのは不可抗力と言う奴だ。まあこちとら水の身体なんていわゆる自由に顔の見た目を変えられる的な意味での無貌系なので、見た目はどうとでも出来るのだけど」

「いやそれでもどうせ水の身体と言う奴は目立ちすぎるからあんまり意味無いだろ?」

「一応は普通の人間の見た目にも成れるぞ?」

「は?……いや、は?なんで普通の皮膚が手を覆っている?水系の力で説明付くかこれ?」

「何って属性魔法有るゲームだと水を使う回復技も有るだろ。ああ言う真似が出来ておかしいとか言うなら、そう言う描写有る作品全部に喧嘩売っている訳だが」

「……説明はそれだけかよ?」

「だからさ、回復技使っただけだって」

「……突っ込むのは止めておくか……」

「そうして貰うと助かる。さて、必要な実験は終わった。……やり過ぎたら軍縮条約を受ける検案な気もするけど、取り敢えず各種船種を合計百程創ってみようか」

「……これくらいなら行けるだろ、の要求が、本来まともに金掛けたら小国だけだと相当厳しいレベルの要求なのだが、それは」

「この方法だと金の掛かるメインの物は要するに船の設計図だからな。其方さえまともな物を用意出来れば後は楽勝だろ?」

「……いや、其処迄創ると能力で造りましたとか言わないならどうやって造りましたとか言えば良い?レベルの数だろそれは」

「無茶苦茶金が掛かる様な物の量産が容易い事がメインの売りなのに、その造る数を減らしてどうする?」

「……なら一先ず五十造って様子を見よう。部品として必要なゴーレムの数が今迄出したゴーレム数を超えるのは間違い無いから、色々と不都合が出るかもしれないし」

「解った。じゃあ量産を開始してくれ」

「金属をゴーレムにして自分で組み立てさせる以上、此方の問題は同時に出せるゴーレムの数だ。まあ、基本的には組み立てを代行出来る最低限の性能が有れば良いのだから質より量でも殆ど問題無い……はず。最悪足りないなら足りないで組み立てさせた後にゴーレムである事を放棄させて、ゴーレムの数を制御出来る範囲に抑えれば良いだけだがさ」

「まあ、確かに組み立て作業を代行させるためのゴーレムだからな。組み立てた後にゴーレムじゃあ無くなっても問題無いか」

そして船を大量に用意して、説明会を行う事にして、数日が経った。


 説明会当日、説明会会場にて。

「シュライク氏、今回の海上拠点のファティカ大船団の説明をお願いします」

「今回の事はエウミア連合国の援助を受けて、海上のサービスエリアと言える、ファティカ大船団を用意する事が出来ましたので、此処に報告します」

「海上拠点と言う話ですが、海賊が来た際の対処はどうするのですか?公海にある以上援軍が来る時間も遅く成るのは目に見えていますが」

「それについては自衛権の行使の形がメインの戦力も用意しています」

「今回の事に必要な資金はエウミア連合国側が用意したと言う事で良いのでしょうか?」

「ある程度の支援は受けましたがそれ以外は自前で用意した物です」

「可笑しいですね?それが正しいなら、収入隠しや脱税行為をやって居るのか?と疑いたくなるレベルの物が揃って居ますが」

「異能が有る世界で常識だけで考えられても困ります」

「つまり、能力で用意した、と言う事ですか?」

「準備の過程に能力が使われた事の否定はしませんが、具体的な内容についてはお答えいたしかねます。企業機密と言う奴ですので」

「そこを何とか成りませんかね?」

「それを言うと今回のファティカ大船団だけが出来ると言える大義名分が無く成るので無理です。ですが、誤解のなきように申し上げておきますと、別に私共はそれらを用意する上で法律は犯しては居ません」

「では、サービスエリアと言う売り出しですが、それはどのような国でも受けられる物でしょうか?」

「ええ、基本的にはそうなります」

「使用料はどれくらいに成るのでしょうか?」

「時と場合によります。船で来た方々に対しては具体的には其処に来るために使われた船のサイズ次第で変わる、等の利用者次第ですが」

「一律の料金では無いのですか?」

「船の収容スペースの使用範囲の関係上の話も有りますし、慈善事業では無いので、それなりな対価は貰う事に成ります」

「件の場所は中立地帯と言う事で良いのでしょうか?そうでなければ敵対関係の国の方々が出くわすと大変だと思われますが」

「ええ、中立地帯と言う認識で問題ありません。戦闘が起きるなどの問題が発生した場合次第では此方が武力介入も行う可能性は有りますが、基本的には中立地帯と言う認識で問題ありません」

「では……」

 そして暫く更に問答が行われ、説明会は終了したのだった。

「さて、これで一先ず上手く行ったな。おめでとう。シュライク・バースディ」

「……いや、大変なのはこれからだろ?」

「まあ、確かに。だが、凄い規模の団体に成れたじゃ無いか」

「……殆どエウミア連合国の人だけどな。まあ機密保持の為に仕方無い所は有るのだが」

 其処に連絡が来る。ある場所に大きなゲートが発生した。と。

「ええい、くそ。次は何だよ?退屈し無いな、この世界は」

「異世界の奴なのか?ならまた撃退されるだけだろ?」

「……そう言えばそうだな。少し様子を見てみるか」

そして世界に新しい乱入者が現れ、これからも世界は進んで行く。

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ゴーレムで地下に色々と創る為の資金集めのつもり……だったのだが?(仮題) @azeru1000

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