第7話未定

催眠術を掛ける機器類の対処に当たろうとしていたその時、世界に何かエネルギーが通り過ぎて行った。すると、奴が世界の外の奴を追い出した奴が喋り出した。

『あっはっはっはっ。そう来たか。ゲーム的に例えれば、そう言うのも確かに有りだわ。だから、今回の場合、此方がする介入はこれだけにしようか。世界のエネルギーは有限だ、まあ、基本的に気にするレベルで少ない訳じゃ無いがね。だが、そうだな。要するに有る奴がサーバーをコピー出来るだけコピーして、この世界に収めた。でも、世界のエネルギー状況はそのままで、だ。結果として、コピーされた世界を統合して行かないと、世界のエネルギーがそれなりに速く尽きる事に成る。パラレルワールドの自分達を己達に統合しろ。そうすればこの問題は解決出来るだろう。因みにこの世界がコピー元だから、コピーを失敗するような原因が有る奴はパラレルワールドには居ない様だがね。それじゃあ、健闘を祈る』

 ……はぁ?根本的な運用エネルギーはそのままでのサーバーコピーで、世界の滅亡コースに強制的に向かわせる、だと?そしてその対策はそのコピーサーバーを自分に統合してしまえ、と。……はあ。なんかな。上手く行けば世界その物の強化イベントには成りそうだが。……はあ。俺は多分コピー対象外だろうな。それはパラレルワールドを正史にする行為なのだし。……今は一先ず機器類壊して置こう。話はそれからだ。

 そして機器類を壊して会議を行う事にする。

『……どうするこれ』

『幸いここがコピー元の世界だと言われている。全面戦争展開なら勝てるだろう』

『……コピーサーバーが一つだけならそれでも良いのだろうけども』

『他にコピーされて無い要素とは何だろうか?』

『コピーする事が難しい要素とか?少なくとも今回の事をやった奴より強い奴はコピー出来て無いだろう。じゃ無いと、その強い一部の奴らだけコピーしまくって増殖させてから、操り世界を壊させた方がこんな事をやるよりかやる事に必要な事も少なくて良いだろ』

『つまり、ある程度以上の実力の奴はコピーサーバーにはコピーされては無い訳か。それの基準が低ければ良いのだが』

『まあ、それはそうだな。そうでないとアプローチからして別の手段の方が良いのだし』

『つまり、戦争すれば普通に勝てる戦力差は他のコピーサーバーとの間には有る。が戦争をするべきなのか、否かだな』

『あーもう。世界のエネルギーが無限ならこんな事に成らなかっただろうに』

『そもそもの話、無限エネルギーなんて実現可能なのか?』

『仮に無限エネルギーですとかされていても、エネルギーを使うのが要は世界の中身をかき混ぜただけ扱いなので、外に漏れるエネルギーは基本的に有りません。故に無限にエネルギーが有ります。なんて言うのも有り得るぞ。他の世界が関わるなんて他の世界にエネルギーが流失して世界の寿命が短くなるだけか?』

『……その理屈が正しいなら異世界の侵略者が来るなんて事に成るのはむしろ上等だな。そいつらがこの世界で持ち込みエネルギーを使えば他の世界からエネルギーを供給してくれる事に成るのだから』

『……それは良い事だけじゃ無かろうがね』

『正史を正史にする能力は大量の情報を見せるだけに対しては弱い、いや、それは捏造でも何でも無いし、能力対象外と言うだけだが、これは異世界から侵略する奴にぶつけたら瞬殺できないか?世界の正史が異世界からの侵略者が居ない状態なら、異世界からの侵略者に使えばワンパンで処理出来るはずだろ?』

『あくまでも世界の力で消せる範疇の奴は、な。それ以上の奴は消せないはず』

『大量な情報を相手に流し込むのが出来る状態とか、流し込む物を変えるだけでそもそも詰んでいるのですがね。詰む方法が違うだけと言うレベルです』

『……会議中の所悪いが、なんかコピーサーバーの一部の奴が此方に助けを要請して来ているらしい』

『は?なんかの罠じゃ無いだろうな?』

『どうも、コピーサーバー側が一定以上の奴が世界から排除された環境に成ってしまったらしく、つまり、完全な無法地帯環境化して、地獄の様相を呈して居る様だな』

『うわぁ……』

『条件を整理しよう。まず、コピーサーバーの俺達とこの世界の俺達は争う必要は無いはずだ。統合上で消えるのでも無ければ、だが、それは置いておいて、この話に於いて好き勝手し出すのはコピーサーバーにコピーされなかった奴に抑えられていた奴か、元凶側だろう。そして好き勝手するならそれを阻む奴が居られない環境の方が良いはず。なら、世界の基本的なコピーされている奴らの強さから突出して居る集団が好き勝手していて、コピーサーバー側に最初から居れば、高確率で黒だ』

『流石にそんな単純ですかね?』

『自分より強い奴らを全排除した環境を作れて、それで好き勝手出来るのに、わざわざ対抗手段を残すようにすると思うか?木を隠すなら森の中とか言うし、後のコピーサーバー側は此方の対象把握迄の時間稼ぎが目的だろう』

『コピーサーバーの存在が統合された際にどうなるか?次第で、コピーサーバー側の奴等の対応がだいぶ変わるな……』

『まあ、それは調べようか』

『要は前提条件上、排除されているはずの立場の奴が残って好き勝手している状況が有ったら怪しいと言うだけなのですよね?この話は』

『ああ、そうだな。元から強い奴がどうこうしているから、怪しいとか言う訳ではなくて、そう言う話だ』

『まるで創り主にとって都合の良い同人誌的な世界ですね。自分が負ける要素に成り得る物は全部自分より弱い物しか無い環境をコピーで創るのですし』

『……ならわざと強い奴をコピーサーバーにコピーして無い可能性も有るのか?』

『だとしたらこちらより強い事に成って居る設定の奴を大量に生産してぶつけて来るかも。仮に此方が最強だとしても、ミラー対戦(コピー個体側は莫大な数で)とかも有り得ますよ』

『相手の世界での最強を此方は大量に用意してぶつけられます。故に最強……ねぇ?それをやる際にそのままコピーしたら離反されるだろうから思考力がデバフ受けてそうだが』

『戦う上で思考力を大して使わないような至れり尽くせりな能力のみの最強キャラのコピーならそれでも十分ですけどね』

『うわぁ……例えば水霧さんと戦うのは勘弁してくれよ……』

『水霧さんって弱点はスライムと同じなのじゃ無いのか?』

『どうなのだろう?そもそも水神様が近くに居て、恐らく水神様から力を貰っただろうに、水神関連の奴に成るのでなく、スライムにわざわざ成る理由も思いつかないが』

『創作で言うスライムは作品の世界観次第でかなり強さは変わるから、強い方のそれに成るのなら価値は有ると思う』

『そもそも水霧さんは粉々にされても生きている訳だしね。まあ、スライムだろうから、核さえ壊せば……とかしようにも、競技としての試合をやる訳でも無いから生命維持の為の核が戦う上で対戦相手の目の前に必ず無ければ成らない訳でも無いし』

『そもそもの話として、化身系って例えば首を切るくらいで死ぬのか?』

『水面上の月的な意味の体を害しても意味が有るのか?とは思うが』

『全部それらは繋がって居るのだから、病気にさせる能力なり、一部分でも効けば全体に波及する奴は効くのでは無いのか?』

『そもそも水霧さんは身体の破棄なんて真似が出来る訳だろ?なら患部は摘出して終わりじゃ無いか?』

『なら患部が即座に全体に成れば良いのか?……それが出来る効果を出せるならなら普通に他の手段でも倒せそうだが……』

『いや、水霧さんがどういう手札を持つか全部教えられた訳じゃ無いのだし、相手の応手迄確実に考えて無いとこうなれば良いなをぶつける只の机上の空論に成るからアレだな。効かない場合はそれで話が終わるから効く場合を考えるとして、……あー、水掛け論的な対策は水掛け論的な解法で論破される。だからそれが相手の強さが関係無いレベルの完全なメタ回答とするには不十分な訳だが、仮に、此処で何々迄のレベルなら大丈夫だろとか言うと、議論的にはそれ以上の奴をぶつけられるだけだろこれ』

『言うて、結局は人間だろ?』

『……あー、力を借りているだけの人間だろうから、それなら人間部分の首を切れば死ぬだろ、と……。そもそもあの人は人間なのですかね?』

『人間じゃありませんとか言われても素直に納得行くぞ、俺は』

『いや、確かに水神と融合しているなら存在的にパワーレベリングされてそうでは有るが』

『それは弱い奴でも強い奴と融合したらそれなりには成る的な理屈ですけどね』

『疑問なのだが融合する事には思考力補助は有るのか?無いならアレは素の思考力がアレだと言う事に成るから色々と可笑しいのだが』

『それで仮に思考能力に大幅補正が有るなら融合解除検案起きたら詰み検案でしょうよ』

『あー、転生とかでは無いとか本人は言って居たが、なんか前提に通常は無い奴が無いか?』

『それについては自分で自覚できない物を疑われてもどう返答しろと?とも言って居たぞ』

『水霧さんの持つ能力が多彩過ぎるんだよなぁ……どうやって性能を盛ったのだろう?』

『そりゃあ水神に強化して貰ったのだろうさ。それでも使える能力数が異常だが』

『だが、基本的には水の力と言うジャンルは逸脱していない奴ばかりなのだよな』

『水神の方は一応前提の成り立ちの都合上、水の力以外の力も使えるらしいし、それの補助じゃ無いか?』

『……つまりは、アレか?水神から力を貰っているのに敢えて水の力だけに頼るのは縛りプレイか?水の力を水神から貰ったと言うなら水の力以外の力だって貰えば良いはずだし、こんな事俺でも思い付くのに、水霧さんは使わないし』

『アレだけ好き放題やっているのに縛りプレイの状態?なんなのか、それは……』

『はいはい、話を戻すぞ。今は統合の検証をしよう。それで大体方針が解るのだからな』

『お、おう。解った。それで、誰がやる?場合次第ではやると統合上で消える迄あり得るぞ』

『終身刑中の犯罪者にやらせるとか?』

『それだと仮に統合したらした奴を超強化とか有ったら犯罪者を強化する事に成るぞ?』

『其処迄絶大な効果を出せるならコピーサーバーを作るこの様な事をせずとも犯人が自分でそれをやりまくり自分を超強化する事を出来るはずですから、一人や二人程度では大した効果は無いはずですし、十分抑えられるはずです』

 そして実験を行うと、

『……ふむ』

『これでやれるのは簡易的な自己集合体化、ですかね?これは、完全な統合を達成すると、世界中の奴が疑似的な集合体に成るのでしょうか?』

『……今回の強い故に対象外の奴が強化対象外に成る事での貧乏くじとは……』

『取り敢えずこれを全体の告知しておこう。全体の方針に関わる』

 そしてそれを全体に通知すると、

『なんかかなりの数の奴が大移動していますよ。……うまく立ち回れば只の強化イベントだと言う事が解ったのですからね』

『……はぁ。ゲームで言うならば全体のバランス調整が行われた様な物だ。但し、立ち回り次第で強化量が変わる類の奴だが』

『……はぁ……願うならば、個々の強化はそこまでの強化では有りませんように』

『八岐大蛇は酒を盛られてやられたとか言う話が有るし、慢心すれば足元を掬われるのは今までもこれからも変わらんはず。ゴリ押し勝利しか能が無い奴には厳しい状況に成るだろうけれど』

『水霧さんは酒盛れば倒せますかね』

『……あのさぁ、相手を酩酊状態にさせる魔法ならばまだ議論の余地は有るからともかく、なんで体其の物レベルに液体を操る奴に液体盛れば勝てると思うのか、前提の見落としが過ぎてアレなのだがね』

『ハハハ、そういやそうでしたね。それでどうします?我々も強化イベントに行きますか?』

『……行ける奴は行けば良いが、我々は、より正確に言えば正史を正史にする能力持ちは、恐らく無理だろう。コピー個体側が正史扱いにできるはずも無いからな。もしコピーサーバー側に我々が居ても能力使えば消えるだけだろうさ』

『……そう言う事なら此方は行って来ます』



 要約すれば今回の事は一定以下の奴に対するバランス調整のための強化イベント、ね。他の世界との兼ね合いも有るから、前提条件上強い奴のデフレ調整はされないでしょうけど……私は貧乏くじにも程が有るのは勘弁して欲しい。少し天使個体の力得るタイミングが遅ければこれに参加出来たのに。……水掛け論的な解法で度外視出来ていた事の難易度が上がる。つまり、これまでだったら不可能で有った事が可能に成り得る。実力依存の能力とかが、実力底上げイベント来てしまったのだし。勘弁してよー、もう。一先ず私は私で、ダメ元で回ってみましょう。……は?いろいろな奴を虐殺する奴が出た?……ああ、つまりは他人の強化イベント潰しのための、ね。余計な事を、とは思うけど、大層な能力を持っていてもそれを扱うための実力が足りないから問題無い類いの奴の実力を上乗せされてしまうのを防ぎたいと言う考えは理解出来るのが、ね。さて、私はどう動くべき?……よし、ならコピーサーバーの犯罪者狩りでもしましょうかね。警察関連の所に連絡を付けましょう。

 そして連絡をした結果そうして良いのは終身刑を受けている奴や死刑囚だけに成った。……終身刑に成って居る人や死刑執行待ちの奴にしてみればこういうイベントは暴れるだけ得であろうしね。……不安要素としては、実力が足りないから問題無いと判断されている類いの奴が対象外そうだから、そう言うのからヤバイ奴が産まれるのではないか?と、思う事。例えば問答無用な格下狩り系能力の効果範囲が広がるとか、よ。まあ犯罪者潰しだけはしておきましょう。何もしないよりかはマシだし。……ん?なんか近くの奴に僅かにエネルギーをぶつけられたわね?

「貴方、何のつもりよ?」

「……いえ、すみません。能力が誤爆してしまいました」

「まあ、良いわ、何も此方には実害は無い様だし」

 そいつに苦々しい顔をされて居るけど、此方には別に何も無いのだし。……それをそのまま放置しなければ良かったと思ったのは暫く辺りを回ってからだったわ。……ゲームで言うならそれは戦闘力の数値勝負で、それが上回った方が勝ちのタイプのゲームの数値の閲覧をされた結果だったらしいわ。……つまり幾ら戦闘力が対象に在ろうとも、対象者が格自分より格下である限り、戦闘力がどれだけ高くても度外視出来る能力。……と、言う訳。……所有者が弱いからバランス取れている類の能力持ちの実力が上がるのは無条件で歓迎出来る話では無いわね。でもまあ、件の問題の奴を殺しましょうか。殺しに掛かられた訳だし、実力底上げイベントの最中で殺される範囲外だから安心なんてしていられる訳が無いのよ。



 そして問題無く殺しました、と。自分の方が格上だし、と言う前提で全部やれるなら、問答無用な格下狩り能力が有れば全部簡単に倒せるわ。でもまあ、それだけだとそれの対象外、と言うよりも格上と戦う時には無力と言うのも確かなのだから、それに全振りと言うのもアレよね。……はぁ?コピーサーバー側が幾つか消し飛んだ?……最初からそれがされなかった事を見るに、消す対象の世界で自分の強化をした上で他がそれを出来る必要は無い。と言う理屈でコピーサーバーを丸ごとぶっ壊した訳ね。……コピーサーバーから脱出して無いと不味いわね、これは。そうじゃないと巻き込まれる。まあ対抗出来る実力者が軒並み居ない状況のサーバーなのだから、そりゃあ構わずぶっ放すわよね……はぁ……避難を呼び掛ける事にする。……全体の底上げ強化イベントだったはずなのに、これでは一部の奴が強化されただけね。まあ、強化されては不味いタイプの奴も居るのだから、全員仲良く全員強化……なんて事にする訳には行かないのも分かるけど。って、コピーサーバーの残骸のエネルギーを吸収する奴が他に出て来た。それに対してヤジが飛ぶが……。

「おい、今回の事の前提上それは不味いだろうが!世界にエネルギーを戻さないと」

「……要は世界の中のエネルギーで有る事を崩さなければ前提条件上誰が持っていても、問題無いはずだが?」

「……それで問題に成るなら世界にエネルギーを返すだろうな?」

「此方は世界を創れる当てはまだないのでな。壊すような事に成る真似はやらないさ」

「つまり、コピーサーバーは経験値の塊なのかよ……まともに世界からエネルギーをかすめ取るよりか難易度は低いからな。一定以上の奴が含まれてないそれで有る以上は……そりゃあ壊すだろうさ。……だがな、こちらとてコピーされた自分達を殺されているのは看過出来ないな。只の創作ではなくコピーされた自分なのだし」

「ハハハ、コピー存在をちゃんとした存在と認めるか、只のリソースと見るかは議論の余地は十分に有るが、……今回の場合はもう只の取得難度の低いリソース化しているだろうが」

「……はぁ……どちらにせよコピーサーバー壊しをした奴を止めるには必要か。リソースを食いまくるぞ」

「後で弔いもするからな」

「好きにしろ」

 そしてリソースが私達に還元され始めた。……これでコピーサーバーを壊す奴に対抗出来る力を得られれば良いのだけど。



 頭が痛い。此方がアーバーンの後始末して居る間に出てしまったのか、コピーサーバーとは言え、世界その物を壊すレベルのが。……だが、さて、どうするか。一定以上の奴がそれに対抗出来るかどうかは未知数だが、要は最低でも一定以上の実力者さえいなければ世界を壊す事が可能なレベルの奴。リソース独占で超強化、ねぇ?黄泉の国の食べ物を生者が食べると黄泉の国から出られなくなるとか言うけれど、要は黄泉の国とかの食べ物は身体を組み替えるなり何なりの力が有ると言う事で……それを食う事で力を手に入れられると言うのは、それを前提にすれば可笑しくは無い、無いのだが、さて、どんなデメリットが有るのかね?あのサーバー壊し野郎には。……なんか高エネルギー反応がサーバー壊し野郎とは別に出て来たな。……はぁ……誰かが対抗の為にそれをやったのだろうか?まあ、良い。今は状況の推移を見守るとしよう。

 一つの世界相応のコピーサーバーを壊す。それはヤバイ威力で有る事自体は間違い無いだろうが、それに対抗出来る奴は範囲の中には零な前提での話だから、此方がそれに対抗出来るかどうかはまた別の話だ。……別サーバーとは言え、一応は同じ世界の物では有るのだし、だからシンプルに黄泉の国みたいな食べ物的な感じには成らないかもしれないが、……黄泉の国の食べ物が、例えば仮に生者にとっての意識を残したまま、シンプルに生者を殺す猛毒的な物ならアレだろうし、それで言う死者に此方の世界の奴が含まれていたらセーフだろうが、他の世界の奴が資源としてそのまま奪う目的物にするには不適格すぎるのは間違い無い。だが、毒と同じ扱いの物なら耐性を付ければ良いだけの話では有る。もしくは少しずつ慣らしながら吸収するとか、ね。後シンプルに食べる目的の物では無い物に強奪目的物を設定するとかも良いだろう。……まあ、そのつもりで奪っても風化とかで中身の毒が空気中に散布されてもアレだけど。……と、思考が逸れたな。重要な点は世界の統合がされる上で自分との統合だけではなくそれ以外との統合までして、それにデメリットが有るか無いか、だ。メリットなら有るだろう。大量なリソースの独占が出来るのだから。だが、だ。一足飛びの段階を碌に踏まない超強化、なんて真似をして、存在的とか肉体的にとか大丈夫な気がしないという話。まあ、一応は例外を知っては居るが、アレは普通やらないよね、そんな真似は、と言う条件を長期間満たした上での所業であって、あんな例外が何度も起きて堪るか的な物でしか無い。……だから、大丈夫な、はず。……あいつとは違う形でそう言う無理ゲー条件を満たした奴だと言うなら解らないが、……はぁ……ケールハイトが既にその例外なのがね。何せ身内に似たケースが有るせいでそんな物は有り得ないなんて言えない状況なのが、ね……。

『水霧、それでどうするの?』

『一言で言えば様子見だな。今回の底上げイベントで恩恵を受けた奴なら過剰にレベルアップしているのだから、暫くしたら反動なり何なりがヤバイ事になりそうだし、仕留めるならその時だろう』

『でも正直実力者が介入しただけのパターンも有り得るわよ?』

『色々とパターンは有り得るけど、場合次第では少し待てば大幅に底上げする事で絶大な力を使った反動で元凶側がくたばるかも知れないし、すぐさま倒しに行く必要は無い気がする』

『力に順応する時間を与えたらアレよね?』

『……なら此処は十数分位待つ程度にしようか。それくらいなら問題無いはず……いや、問題をそれくらいで解決出来る奴が今回の強化対象に入っている訳は無さそうだし』



『何これ、何これ、何これ。世界を壊す威力を出せる。ああ、それは前提だ、それが出来た相手なのだから。だがこれはふざけ過ぎだろうが』

戦場で相手の一撃が当たる場所は全て破壊されては再生を繰り返しているわね。世界の再生能力が高過ぎと驚く所かもしれないけど、エネルギーの塊をエネルギーで壊しても、それをやる上で制御から離れたエネルギーがその壊れた場所に流れ込んで、それで世界が修復されて居るだけ。つまり、相手のエネルギーの制御力が低いが故に起きている現象なはず。そして現状力に見合う制御力を満たしてないのは当然よね。現状の力に成ったばかりなのだし。……故に大規模破壊攻撃を発動されない限りこの戦闘で世界が壊れる展開は無いと言えるけど、……MP切れはまだなのかしら?世界が修復するとは言え壊しまくるレベルの火力を出し続けているのに。

『此方が力を十分得る前に来られたのだから現状の物で如何にかするしか無い!』

『此方も実力が上乗せされているわ。これはゲームならイベント戦闘よ。それに現状でも凌ぐくらいなら出来る。でも何で相手はあんなに乱発してMP切れしないのよ!』

『単にMPが無尽蔵って話ならお手上げだぞ』

『永久機構なんて無い。そして得たエネルギーも無限では無いだろう』

「なら、どうしてよ……」

「MP切れと言う概念が有る奴ならなんで世界を壊すレベルの奴を常に乱射している?」

「……あ、エネルギーの回収しているじゃない。エネルギーの再利用……と言うか、エネルギーのジャグリング?自分の許容範囲以上の力を扱う為に自分の外にエネルギーを常に出しているのよ!」

「ならそのエネルギーを奪えば良いのか?」

「そうすれば現状より相手の攻撃力は減るだろうけど……まあ、それから先は普通の戦闘ね……」

「それが出来てから考えようか」

 そしてエネルギージャグリングの仕組みを壊すために不規則にエネルギーへと攻撃を加えていく。結局、回収自体はされるけど、回収のために余計にエネルギーを使わせられている。今は相手に余計なエネルギーを徐々に使わせて行く事が大事な話だから問題無いわ。

『流石にあまり崩れないな』

『そりゃあ限界ギリギリ迄ジャグリングして無ければある程度は余裕有るだろうさ。相手のエネルギージャグリングの限界を超えるエネルギーを使わせ続ける持久戦と言う奴な訳だし』

『と言うか、なんで他の奴は来ないのよ?来ても良い頃でしょう?』

『……人数多くしたらサーバー壊しの大技を使われる可能性が上がるだけだろう?』

『クソ、人数多くしたら逆効果検案かよ』

『そう言う事なら、現状此方にある程度リソースを奪われた時点で、今サーバー壊しの力を使っても、奴の側は回収出来ないだろうから、他に回収されて、相手にとってはそれを使うのはむしろ状況は悪化する原因なのでは無いかしら』

『……威力が高いとは言え小技連打に行動を切り替えたのはそれが理由か。つまりは自分で回収出来る範囲だけの行動をするように切り替えた訳だ』

『……此方は大々的な援軍が来られない代わりに、相手側も超の付く大技を使えない、か。相手側のエネルギージャグリングの限界に持って行く迄の道筋が明確に成立する迄は特に真新しい行動は無さそうだな。さあ、どんどん削って行こう』

 そして暫くの間交戦を続ける。

『なあ、世界を壊す、なんて所業、そんなに簡単に乱射出来るのか?それよりも本当はグレードの落ちる事をそう見せているだけなのでは無いのか?膠着状態なのは相手もそれを狙って起きている事なのじゃ無いのか?』

『回復狙いならそもそもエネルギージャグリングを止めても問題無く成るからそれは無いわ。ゲームで言うならゲージ満タン以上の物を運用する為のエネルギージャグリングでしょうし、奴がジャグリングを続けている限り本体側のMPはそもそも削れてないでしょう』

『ははは、それだと削りきる前に此方のMP切れが来かねないのだが?』

『相手側もそうだと思っているからこそ相手もこの状態を維持しているのよ。だからこそ、それでもある程度以上粘れれば勝ちの目が出て来るの』

『そう言う事なら誰かMP補充に行かねーか?正確に言うならMP補充で世界の残骸を食べに一人行かせて一時的に離脱させるとか』

『……それだとジャグリングの妨害が足りなく成って、戦況が動かなくなるから、直ぐに戻って来ないとアレよね?……そのまま逃げないでよね?』

『……この状況で一人だけ逃げるのは後が怖いのでしないよ』

『なら補給に行って来なさい。私側ははまだ余裕有るから』

『解った。直ぐに戻る』

 そして一人が離脱する。ぶっつけ本番で新しい事を試す、なんて失敗したらアレだけど、私は私が成って居る天使個体の能力の関係上人の構築状況を見る事が出来る。七掴みの土塊から人を創った逸話が有る個体なのだから、他人のその生命や魂の構築がある程度解る。なら、それを使えば、対象の命や魂を普通に攻撃する上で、追加で攻撃対象に出来る。これは単に見える対象が増えただけでしか無いし、それを崩すように攻撃すると相手の魂や命が壊せるかどうかは解らない。けど、普通に攻撃するよりかは良いダメージが入るはず。……と言うより、相手の生命体としての命や魂の構築を見られるから、そこに此方が手を加える事で、結果として通常は全身を消し去られようが攻撃されないような場所を攻撃出来て、効率良く相手を壊せると言うだけ……なのだけど……それを見たら、……ああ、駄目ね。世界が取り込まれているせいで、相手の中にその世界の内容物の命や魂が膨大に見えて、どれがどれだか分からなく成って居るわ……。コピー存在の魂を壊して、呪いの藁人形みたいな事に成るとアレだし……。どうしましょうかね……。

 まあ只の模造品だから、問題ないでしょう。別に呪いの藁人形として造られた訳も無いでしょうし。……そうでないと、自分の身体が呪いの藁人形に成る形だもの。……いや、むしろそう言う能力としては有りかしら?ええい、一今回の場合は先ずコピー存在で無い奴を探せば良いだけよ。……はぁ……。それで攻撃を加えて行こうとしたら、水神(を模した奴)がそこには居た。はぁっ!ちょっと待ちなさいよ。聞いて無いわよ。水神倒せっていうの?え、……まともに戦って倒せちゃダメなのよね、これ。今後の事を考えると、だけど。所詮コピー存在の模造品……でも世界を壊すレベルの力が込められた存在。直接的に倒すのではなくそれを成立させている理屈の根本メタをぶつけて倒せ。でも、どうやって?……其処に乱入者が来る。水霧さんが来ていた。

「あーもう。本当ならまだ様子見する所だったのだがね……まあこんなご馳走逃すわけには行かないよな」

「……え?」

 水神の模造品は水霧さんが吸収し、下された。ついでに相手のエネルギーもだいぶ削れた。

「は?」

「要は此方の支配下の物に相手が勝手に成っただけだよ」

「……」

「おっと?なんかやっているな。なんか色々な場所がある程度前に戻った様だが巻き戻し、……では無いな。ゲームで言うならリセット?そもそも世界全部への干渉なのだから、リセットに頼らないといけない様な劣勢な状況の奴がそれをやろうとしてもそれを出来るとは思えないのだがね。まあ何が言いたいかって、それをやらなければ負けの奴がやれる物じゃ無いのだよ、それは。間抜けが下手撃ちました、と言うならまだしも、だけどね。せいぜいパラレルワールドに自分を飛ばすならともかくだけど、それは今の俺には関係無いだろうしな……ってエネルギー残して全部消えたな、そいつ。パラレルワールドに跳んだのか?良し。これで気にする必要は無く成るか。何せパラレルワールドに跳んだと言う事はそのパラレルワールドにしてみれば、例の奴の対象者にされる様な物だ。そして彼方の色々を持ち込むなら再戦闘時には更に此方が勝ちやすく成るだろうし」

「……わざと相手に聞かせたのですか?」

「そうだな。パラレルワールドで自分を強化、なんてその結果を此方に持ち込むのなら例の対象化検案だし、仮に滅茶苦茶強化されていて再戦なんてなっても、此方も彼方が強くなった理屈は出来る訳だし、パラレルワールドの理屈を持ち込まれても消せるしさ」

「殺さないのはどうかと思いますが」

「正直それで此方も超強化させて貰って居るからな。次は見逃さんよ」

「それで残りのエネルギーはどうします?」

「適当に他の奴に分配するかね」

「……解りました……って残るエネルギー変質していきます。何か来ますよ」

「……はぁ……炎系の奴に成って水を炎で消そうって……はぁ……」

 其処に乱入者が来る。

「当然来るよな。火焔神、ペレホヌ・アメア……はは、……炎神なのに大地の源の属性持ちだからな。こんな美味しい話なんて逃す訳はないか」

「……また新しいのが来たわね。火焔神とだけは前から言及されて居たけどハワイの有名な神様の名前を冠する神格個体、ね。……もう無茶苦茶よ」

 まず、最初に炎が粗方食われ、残る物理攻撃はされればされるほどダメージに成るどころか火焔神の火力は上がって行く一方。物理耐性?と言うには威力も上がって居るし、何なのかしら。

 そこで水霧さんからテレパスが来る。

『アレはカウンター・ヒートと言う技らしい。要するに物理攻撃で受ける衝撃を自分の熱エネルギーに加算して居るだとか。それで起きる熱で大抵の銃弾は当たると同時に溶けるのだってさ』

『……それ、いわゆる低い威力銃器の銃器なら通用するのでは?』

『物理的な効果以外の付加効果が有るならともかく、只の銃弾なら問題無いのでは無いかな。碌に威力に成らない弾丸とか受けてもさ……』

『お、武器を変えて来たな。斬撃ならどうだ?と言う奴。まあ炎其の物を切る、なんて燃えている源を切ると言う奴を狙うのが早いが……、アレはいわゆる振動熱だし、ただ単に原子とか分子とかが揺れているだけだろうからね。それを壊す為に攻撃を加えると更にカウンター・ヒートの威力が上がると言う訳。……まあ氷系とかぶつけて振動を抑えようとするならともかく、……現状で新規の奴を追加で出したら更に乱入者が来る様な、流れだしな……。更に状況が悪くなるだけの可能性が高い道は選べんわ』

『でも相手も対抗出来るはずですよね?』

『する為に新規の手札を出したら逆効果検案な上、同じ理由で超大技も撃てない。但しそれは此処に此方の主力の大半が集結しない限りはと言う話だけど、既存の有る手札では無く出しても問題無い手札のみで状況を引っ繰り返す必要が有るが……そもそもそれをやれる頭が有るなら今回の底上げイベントよりも前に自分でそれなりの実力には成れていたはず』

『……全力を出せないのではなく、全力を出したら状況が更に悪化する状況、ですか』

『それをやり、此処で俺らをもし仮に倒せても……と言う奴だな……だから、やらなければ死ぬかどうかまで追い詰めたら使ってくるかもだけども』

『ちょっ、なら何でのんきに話しているのですか!』

『此方は能力的に粒子レベルやそれ以上に壊されても死なないし』

『何無茶な事を言っているのですか』

『いや、要は水の部品も操る対象なだけだが』

『ふざけすぎですよ……万能が過ぎますよ。本当はもっと万能な別の能力なのじゃ無いですか?』

『……それ今更言うのか?色々な問題の中で獲得した奴がそれなりに有る。だから、色々と使える。それじゃあ回答として不足して居るのか?』

『……それは確かにそうでしょうけど、なんか納得行きませんね……そのアイディアは何処から出るのですか』

『と、言われてもね。此方がやる現象自体は既存の物だろ?他の現象を特定の物でやる事を考えているだけで。……と、そろそろ会話を止めて火焔神に加勢しよう』

『……解りました』

『まあ実際、相手側の成長を完全に度外視して良いのは敵側に成長要素やまともなAIを積んで無いゲームの敵モブだけだけどな。過去のお前を殺せた。だから、今のお前を殺せたと言うのは時間制御系能力持ちだけが言える事だし……まあ、タイムパラドクス的な意味でのそれの解決方法が世界の分岐なら分岐前のそいつは生きたままだし、結局は過去に戻らず殺さないと復讐としてはあんまり意味無いけど、此方の大幅強化イベントを整えてくれたから個人的には倒すのはアレなのだがね』

『……殺しに掛かられたのに?』

『だがそれが理由で結果的には此方へむしろ強化イベントを用意してくれた訳だし、な』

『では最後に、何故鹵獲した能力を使わないのですか?』

『……何で出せる手札は常に全出ししてなきゃ可笑しいとか言われるのか』

『舐めプをして良い相手では無いですが』

『今回の場合は単純に殺す動機がねーからな。いや、損害賠償請求をするまでも無く相応の物を既に渡された様な物だし』

『今回だけでなく、同じ手札あまり使いませんよね?』

『いや、根本的には大抵少ない能力で説明出来るが』

『……加勢に行きますか』

 そして火焔神に加勢する。とは言えやるのはエネルギーの削り作業だけど。……少ない能力、ねえ、何で此方に既に開示している水の制御能力とかシステム関連の権限の力とかと言わずに、敢えてそんな言い方したのかしら。なんか本当は別の能力の一側面だけ使っているから、能力を言及するのに言葉を濁した様な感覚がする返答ね。又はまだ出してない能力とか使い方でも有るのかもしれないわ。……勘弁して欲しいわね。アレだけ使ってまだネタ切れじゃ無いとか……。

「なあ、今回の元凶さんよ。現状が解らない訳じゃあるまい?交渉の余地が有る状況だと思うのだが、してみる気は有るか?」

「……」

 水霧さんが交渉開始するが、をそいつは黙りながら攻撃を返答として出す。……交渉の余地?何の話だろう?……いや、そうか。私達の強化の前提は彼方の行動が前提に有る。なら奴を仲間に引き入れられたら継続的にその恩恵を得られる。つまりは、此処で死ぬか、仲間に成るか選べと言って居るのよ。……でもまあ提案を蹴られたけど。

「……はぁ……まだ足りないかね……いや、まあ確かに只の消耗戦の段階じゃあ、ね。そちらの勝ち目が有ると思うのも分かるが、……例えば今此方の誰かが世界を壊せればこの均衡は崩れるぞ?」

「……話を聞こう」

「何、此方が求めるのは少しの技術提供だけさ」

 そして元凶と水霧さんは話し合いを始めた。……うわぁ……。仮に世界を壊せる奴が介入したらこの状況は元凶側の敗北が濃厚に成るが、続けるか?という話……自分が最強だと言える状況なら突っぱねられるけど、例えば自称上位存在とかの奴が介入する可能性を考慮するなら、こう言う事は早めに切り上げるのもまた一つの選択肢では有るわね。……つまり、長期戦を繰り広げて上手く行く流れに成るとしても、それの流れを崩せる奴の干渉も普通に有り得るぞ。と言われた訳。……自称上位存在の奴は介入し無いと明言はしたけど、……世界を破壊しまくる検案に対してはどうなるかは解らないもの。超大技ラッシュなんてして、その結果上位存在と戦う羽目に成るのは十分に有り得る訳ね。

 簡潔に纏めるなら、ある程度の技術提供は受けられたけれど、それだけだった。……まあアレよね。此処で技術提供をした所で綺麗さっぱりヘイトが無く成る訳でも無い。不可解な点はそれなりに有るけれど、……はぁ……簡単に介入して来る上位存在、か。メタ視点的に見ると展開のストッパーにも程が有るわよね。いや、上位存在が介入して来る事を前提に組み込んだ上で此方に攻めて来る奴、なんて、私達には倒せるレベルじゃ無いから、その状態でも尚そう言う事が起きたなら、そいつに対して私達には為す術も無い可能性が高い。……はぁ……メタ視点的に見るとこの底上げイベントはそれでもある程度全体の奴を喰い下がれる様にする為の物、なのかしら?そうなのなら、黒幕はとてもドSだと言わざるを得ないわよ、こんなの。要はそういうのが来る見込みが有ると言う事だもの。



 現状を要約すると、仮に強さが十の奴が最上の世界に別枠で一人だけ一万の奴が居て、そいつが全体を守って居ます。

 では仮に他の世界の奴が侵略する上でその一万の奴を倒す算段を成立させてから来られた場合、要は一万相応かそれ以上と扱える奴らが攻めてきます。

 その結果そいつらと戦う場合、十の奴らはバフをされるにしても一万の奴の要介護になります。

 どうせそうなるなら皆強くさせた方が速くない?と成り、

 だから、全体の底上げイベントを行って来た、と、成ります。

 ……強化を促した奴は悪意的と言うか、完全に自分の為でもあるよな、これ……。

 ゲームで言うならスキルツリーと言う概念が有るが、ああ言うのって派生元からどうしてそれが得られるのか?的な物が可能に成る場合が有る。まあ、そうだな。此方が出した奴で言うと、ソーラービームとか水でどうしてそれが出来るの?検案だろうが、要は水で光を全反射させて光を集約して一点にぶつけただけだ。威力に付いては大規模なそれをやる事で、その集まる光量が大きく、威力もそれなりだと言うだけである。つまり、広範囲にレンズ代わりの水を展開と制御を出来たら水の力だけでソーラービームをするのは可能なのだ。水の制御のみが前提に有る能力なら水の制御を頑張るだけでやれる。いや、これは理屈的には当然な話な訳だが、……水の制御で説明が付く能力に対して、専用の能力の補助でやっているような事を自前の水の制御だけで引き出しているだけだ。つまり、やるための前提が水の制御から逸脱しない能力で有れば努力次第で此方はやれるというだけ。つまり、他の物に属性を付けただけの別物をそのままやるのは出来ないが、そうでなければ努力次第で大抵の同一ジャンルの物は出来る。只の全く違う物を付け足して居るのでなければ、努力と工夫で何とかやれる。だから、ソーラービームを撃つ専用の能力なんて物を俺はそもそも持っていない訳だ。……持って居ると思われるから、能力が多過ぎと言う評価をされるのだろうけども……。

 まあそれはさておき、複合的な状況と言う奴は一つの事が全てに於いて正解では無いからアレな訳だし、例えば度を過ぎた只の偶然と、只の作為が大量に入り混じる状況とかは判別に困る。更に言うなら此方は神視点から全てを見られている訳じゃ無い訳で、上位存在相手に誤爆したら正当性もクソも無く全部がご破算なのだしね。敵から攻めてくる構図はそれを相手が受け持つ形だしそう言う面では楽なのだけども。……正直な話、この条件で強化イベントすら無かった場合を考えると、アレな状況が容易に想像出来る。要するに運営する上で前提としてのレベルでの該当上位存在に極めて依存した世界。事実上の世界掌握をされる訳だ。……いや、まあ、それの通常時の恩恵は大きいが、仮にその上位存在が倒されるレベルの戦力を用意された場合でもその上位存在が此方に協力するかは解らないし、それに上位存在が倒されない保証も無い。更にそうなった際に上位存在を倒せた奴に対して此方の挽回のしようが無さすぎる。……いや、搦め手とかまともに戦って勝った訳じゃ無いならば、また話は別に成るのだけども。更に言えば今回の交渉は明確にそうなると言う物を提示出来た訳では無い。言うなれば、不確定要素の致命的な爆弾が有ると言う事を強く意識をさせた事が交渉の肝だった。此処で勝ててもやられるだけだってさ。……いや、だから、交渉を此方からしないといけない立場だと取られるとアレだった。つまりある程度追加で暴れても大丈夫と取られたらアレだった。まあ、それについてなら少し追加で暴れても問題に成らないくらいすぐに終わりそうで無かった上で、相手は新しい手札を出しても状況が悪化するだけだったので、現状の手札だけで色々とやった上であまり変わらない状況なら、まあ、それは通る交渉と言えるだろうけど。だから、ある程度消耗戦をしたからこそ通る交渉だと言えるわけだ。……だから、その判断は別に勘違いと呼べるものでは無いのだが、まあ、それでもそいつを即仲間にと言うのは厳しいがね。似ているだけの別人の殺害者とは言え、それを殺されるのは自己強化の機会損失だった訳だし、似た奴が殺されたと言う感情的な嫌悪感以外でも実害が十分に有るからだ。いや、まあお釣りが来るぐらいの自主的な強化イベントを可能にしてくれてはいるけども。

 さて、交渉で得た技術について話す事にしよう。それは細かい説明抜きでざっくりいえば、世界を取り込み、その取り込んだ範囲での世界掌握を行う能力だ。要は対象を取り込む事が前提の支配能力だと思えば良い。但し、それは相手の極一部だけでも良いし、何なら相手のエネルギーでも良い。それさえ取り込めば支配能力を対象にその取り込んだ物を端末に行う事が出来る。と言う物……いや、これは過大広告だな。それが出来るならそもそもまともな消耗戦になど成る物か。これよりも実情としての条件は厳しいだろう。システムの最上権限を持ち出せば後は全部勝てるなんて出来るのは該当システムで説明出来る物のみで構築されている物のみだろう。システムが全てを掌握して居る訳では無いので、それを埋め合わせる為の物が必要と言うだけだ。そうだな。恐らくは、相手の全体の何割かのエネルギーの回収とか、相手の身体の何割かの回収だとか、ある程度以上の集めたそれで、該当の対象を此方の権限の支配下の物だと定義してしまえば良い。条件が厳しくとも、これならまだ現実味は有る。要はある程度以上の長期戦の時に相手側に使われたエネルギー等を回収し続けて居れば良いだけだし、相手側がエネルギージャグリングでそうされるのを防いでいたとすればエネルギージャグリングをしていた事とも合致する。一言で言えば長期戦時のみに使える特殊条件勝利と言う奴だ。まあ、使うためには長期戦に成るのは基本的には確定事項と言えるが、相手側が大技を撃ちまくるならその限りでも無いだろうね。うーん。こう言うのが有りなら、十対十で戦う際に十で一を倒せる実力でも後の九に一を倒した結果をコピペして適用する。とかも有りなのでは?……いや、流石に酷過ぎるか。数字を極端にしたら相手の一億分の一の力に百成千なり万なり掛けて勝てたら、それを全部に適用して全力の相手に勝てた事にする能力なのだし、何なら掠り傷を与えるだけで相手を殺す能力と何ら大差無い。……まあこういう能力持ちって簡単に敵を倒せるから地力が其処迄高くないと言うのは定番だろうけど……全体の実力底上げイベントが来ちゃったからな……。とても簡単に勝てる類の能力を最初から持つ奴戦うのに戦闘技量が必要無い的な意味で技量が低い傾向に有る。なら、後付けでそう言う力を得た奴ならばそれ関係無しのそこそこな技量も持つ奴に成る。其処迄は良いが、それに全力で依存して全任せにするならば技量面の成長が其処で止まる。まあこれは能力と言うか、使い手側の問題だ。……だが、結果的には万能な能力が有るから無条件で最強と言う奴は技量面で他に劣る。能力が無くとも最強無敵な奴がそう言う能力を持つなら話は別だが、それでは無条件で最強無敵では無いし。なら攻略で使い手側を狙うのも当然だとしか言えない。まあ仮に完全無欠な能力を持てたのだとしても、使い手側が完璧でなければそれは完璧とイコールでは無いと言う奴だ。能力底上げとかも能力に頼るなら、地力が高ければ大して必要無い物に無駄に多くコストを割いている訳だしね。

『水霧。どうするの?取り敢えず情報提供は貰った訳だけど、試す?』

『……試すは試すが、俺らはこれ以上するのは止めておこう。先の奴はエネルギーに変換された上で、此方の支配下の物に相手側が調整してくれたから問題無く回収出来たのだし、その変換作業を此方がやれない以上はやめた方が無難だろう』

『何らかの化身系に対して、その対象物を根底に据えた存在を創り、ぶつける。それが対象の模造品だと言うなら、化身系の存在に似せて来ているだろうから、化身系の身体の一部に大量に力を盛り、さあそれでその大元側と戦おうという話で、なら化身側からすれば自分の体を動かす範疇で、化身の模造品はどうとでも出来る訳だけど、疑似神格個体相応の力が丸ごと手に入るのは確かに十分すぎる物ね。デメリットが有る可能性を考えるならこれ以上の欲張りはアレでしょうし』

『疑似神格個体一体分の力の獲得も十分欲張りなレベルだろうがね。さて、危険性を説明した上で犯罪歴が有る奴は抜きで希望者が出るようなら取得させようか……いや、まあ、実質ある程度以上の希望者が出た後はもうほぼ強制なのだがね』

『それで強化されない事を選ぶのは周りの人達が強化されるイベントで自分は強化されない事を選ぶと言う事なのだし、それは仕方無いでしょう』

『デメリットが有る場合を考えると、それをしない人員もそれなりに必要だろうが、まあ、話を通しに行こうか。一先ずケールハイトの場所に行こう。アレでもエウミア連合国のトップだし』

『……彼女は私達が後ろ盾の一部であの立場を得た人間だけど、そうする上で私達もそれなりに対価は貰っての話では有る訳…………だけど……うーん』

『どうした?』

『彼女が貴方に惚れた理由って、なんか釈然としないのよね』

『……いや、人間の立場で神格個体相応に成れた奴が少ない時点と、その希少性故の問題でその立場の関係上、選択肢が無かっただけじゃないか?』

『その理屈だと今なら選択肢はそれなりに多いわよ?』

『……そう言う心理の説明を俺に求めるなよ。そう言うのが俺に解るなら苦労し無いよ』

『選択肢が無いから仕方なく……が、通用しない状況よね?と言う話よ?』

『色々全部調べてワーワーギャーギャー言って来る奴が居るとかなら、こうやって色々とやるだけでもちょっかいを出して来る相手には十分伝わるけどさ、何で他人の深層心理とかを考察出来ろとか言われないといけないのか』

『……深層心理の考察力が極まり過ぎて相手を何もかも見通すレベルに成っても、それはそれでアレだと思うけど、それでもある程度は把握してやらないと可哀そうよ……』

『……ケールハイトが俺に惚れている理由、ね?それを分析して自分で話すとか、少しでも間違いが有るとナルシストがやるレベルの事に成る気がするから嫌なのだが』

『……はぁ。アレよね。客観的事実を持ち出してもその態度と言うのはどうなのよ?』

『現状、ケールハイトが此方に現状の後ろ盾以外の事で求める事なんて思い付かないしさ。……いや、むしろ何か理屈が有る方が納得出来る話では有るが』

『……いや、それは逆に自信無さ過ぎよ、それは』

『いや、ナルシスト的な感じの理由だろそれ的な感じの発言を避けると成ると何か他に理由が有ると考える方が早いと言うか何というか』

『……はぁ……まあ良くは無いけど、良いわ。ケールハイトの居る場所に行きましょうか』



 私はケールハイト・スプリングス。……一応はエウミア連合国の代表をやっているけど、今の力を得るまでは実質お飾りのトップだったのよね。実際、エウノミア連合国の領土基盤の成り立ち上で水神が受け持つ部分は多いし、私は今の力を得るまでは本当に足手纏いと言えるレベルだった。……いや、私が出来たのはある程度の立案で、結果的には様々な能力を使う事で、お金をまともに掛けたら最初の小団体ではとても出来ない様なレベルの事をやれた。私は発案者とは言えても、その指導者……と言って良いかは疑問ね。水霧を含めて、ある程度の事ならやれる人材が他にも居たから。……いや、本当な話、発案者だから、代表に居座るだけの人呼ばわりも仕方無いレベルだったのよ。まあそれでも本来ならば能力を使わずにエウミア連合国の海底の領土を構築する場合に掛ったのであろう金額と実際に掛った金額の差を考えると、結果的にはお金の節約的な意味で(数千億単位)仕事はある程度は出来ていたけど。当時はまだどうなるか解らなかったし、人間の身で神格個体相応の力を得る奴はまだ少ない時期だったし、建国初期にエウミア連合国は所属国不明集団に侵略を受けたのだけど、結果的にはそれは国連軍の介入で収束した。それは良かった。でも、其処で対応を間違えれば国連軍とも戦う事に成って居たかもしれないのよね。人間から神格個体に至る奴が少ない時期で召喚された人々と人間側とのの全面戦争展開なんて……仮に起きれば私を含め該当の奴からすれば何方についても損しかしない状況だったもの。何せ人間とも召喚された人と言えるような神格個体相応の力を前提として得ているのだし、つまり私とかの人は何方が勝とうが何方に着こうが損しかしない。……それでも水霧は一緒に生きてくれると言った。まあ、それが必要な場面に成るならそうせざる得ない状況なだけだったのは有るけど……でも今はその状況では無い訳で、でもその言葉を吐かれる……もうそんなのほぼ告白なのよね。あーもう。アーバーンをどう説得してやりましょうかね……。

 それはさておき、別サーバーの自分を取り込み、統合する事で、自己強化、ね。要は自分のエネルギーを模倣したエネルギーの塊を得られるのだから、そりゃあそう言う効果が有っても当然だけど、ゲームで言うなら一つの統合に付き、経験値の塊として扱われる物がそれで自分が得ていた分だけ得られる。自分の今まで集めた経験値と扱われて居るものの量が統合する数だけ上乗せで上がって行く。強い奴に成ればなるほど大々的な強化が起きるのも当然な話よね。今迄集めた経験値が約一万なら一人統合するだけで、約二万に成り、今迄集めた経験値が五万なら一人統合するだけで経験値総量が十万に成るのだから。しかもそれが大量に出来るとも成れば効果は莫大と言えるでしょう。経験値をそれなりに集めた実力者がやらなければ所有の経験値量が例え十倍になっても大きい結果は得られない結果に成る。つまり世界内での力関係は変わらないどころか強化した奴に関しては開いた形に成るけど、他の世界と戦うならいい結果だと言える訳ね。……実力者に成ればなるほど恩恵が大きい底上げイベントとかまるでレベルを大幅に上げるアイテムを大放出されたような感じだから、しないと不味いレベルの物で実質強制参加イベントみたいな物だけど。

と、其処に水神と浄土が来た。得たデータと危険性を織り込み済みの説明を行い、それでもやると言う希望者に力を与える……胡散臭い検案と言えるけど……それはキチンと説明を行い、危険性をちゃんと説明はするらしいけど。

「……いや、成功例がそれの危険性を説いても仕方無いですよね?と言うか自分の利益を大きくするために怖がらせているようにも見えてしまいますが?」

「ケールハイト……いや、それはそうなのだが、これは降って湧いた出所の解らない奴で」

「ですから、初期に先んじて動く事で、水関連のリソース掌握に成功して居る人が強化イベントに参加するのをするなだとか、しないように促すだとか、やるなだとか言うのはアレですよ。成功して居る人が後続に似た事をするな、なんて成功例側の人が言う事じゃ無いです。それが只の煽りなら話は別ですけど」

「……ある程度以上それをするのは只の博打だと言う事を把握させればそれで良い」

「警告してもそれでもある程度は確実に無理をして取り込む奴は出ると思います。他より多くそれをやればやるだけ上との差が縮むのですから」

「……自分の制御出来るレベル以上のエネルギーの塊を取り込みエネルギーが暴走なんてしたらアレな訳だが……」

「それは自分のコピーを吸収する以外の事に手を出した場合の話です。自分が制御下に置いて居たエネルギーとそれを制御していた自分を吸収するのですから。制御基板も上乗せで、制御下に置けるエネルギーでは有るはずでは有りますが、自分以外の奴を吸収する場合、制御基盤の他との合一が上手く行かなければエネルギーが暴走し、大変な事になります」

「……創作的にはそれが出来るとか言う奴が出そうだからアレだろ……」

「つまりはリソースの掌握量を多くしたければ早い者勝ちの状況なのに、制御力を超えるそれを急いで取り込んだら自滅する状況です。それを皆がやれると言うのですか?」

「……いや、成功例持ちが失敗するぞ、なんて言ってもアレだけどさ、やる奴は出るだろ。ならせめて管理して失敗例が出ても対処出来るようにするべきだ」

「その対処に当たる人達は強化イベントを丸ごと逃す事に成りませんか?」

「だが、ある程度はそう言う人員も必要だろう?」

「そうですね。ですが、その方々の生活保障もしてあげなければ、アレです。他の奴達が超強化されるのにそうしなかった道を此方の要請で敢えて選ぶ人達な訳ですから、全体の強化量次第ではその人達は自衛も厳しく成りかねませんし、その人達の生活援助も含めてやる事を考えると、そんなにはそれをやらない人員は用意出来ませんが」

「だが、必要では有るだろうさ。シュライク・バースデイの件を考えるに特定能力を持った奴で無いとそもそも戦いの舞台にもそもそも上がれない類の能力は他にもあるだろうし……今回の物がそう言う物の準備の為の奴ならアレだしな」

「今回強化をやらないと困るメイン層の人は、水掛け論が全てで、更に自分側が上回って居るのが前提な人なはずですが。現状の報告だとそれをする事での効果はスペック底上げと言うだけですし、格下狩りだけ出来れば最強無敵だとか宣う奴でも無ければ、強化し無い事は其処迄問題視するほどでは無いですね。全体の強化量がある程度以上で無いならば、ですが」

「ええい、要は問題なのは制御力を超えるエネルギーを得る奴が多い状況だと言う事。ならその問題が起きた奴の過剰分のエネルギーを別の奴に渡せる奴がサポートで居れば良い。そのサポートのエネルギーを渡す奴だってその作業中にエネルギーを貰えば良いはずだ」

「それが出来たら一番良いですが、早い者勝ちの構図がそのままの状態でそれをやる奴しか居ない訳では無いはずです」

「……ならなんだ?その被害者の実例が出るまでは対処しても無駄だって?」

「成功例の人が止める場合は、そうですね。有りもしないリスクを恐れず成功して居る人がそれを他には恐れろ。なんて言って居る形に成るのですから」

「……いや、今回については此方の類似個体を取り込んだだけだから、今回の事だけで言えば俺は自分以外のコピーを吸収するのは止めろとは言えるはずだ」

「世界を壊す規模の奴をやれる奴が少量とは言え出て来てしまいましたから、例えば兵器の保有量で戦争展開を防ぐ為の見せ札にする手段をするには今回の他のコピーを吸収する事をしない限り、既に瓦解しています。そう言う類の手段をやっている国の何人かはそれをせざるを得ないです。し無いと戦争展開もあり得ます。最低でも軍拡の為の動きをせざるを得ないでしょう。兵器の保有量で戦争を事前に防ぎたいなら例えそれが成功する可能性が低くとも、他の国が成功させたので有れば、対抗する為には同じ手段をするか、別の手段で似たレベルの物を早急に用意しなければなりません。新型の核開発に一国だけ成功して居る国が出たような物です。その国にそれを批判して軍縮や放棄を求める……なんて今の情勢ではするのは無理ですし」

「……それでもいいからとにかく対策するぞ……なんだ?氷雲神の造り手が何の用だ」

「これは失礼しました。お三方様方に折り入ってお話が有るのですが」

「……後にしろ。人的被害が出る可能性が有る検案中だ」

「いえ、私(わたくし)どもをエウミア連合国の内の別枠の国の内の一つにさせていただきたいのです。それさえ認めてくれるなら人員は此方が用意いたしましょう」

「……いや、それはわざわざやる必要有るのか?今でも十分だろう」

「いえ、貴方方の時よりか私どもには大きな公的な大義が無いので、先ずは簡易的にでも国を名乗れる状態にしたいのです」

「……ふむ。つまり、此方が国だと定義して居る物に新しく枠ごと加わり、その後に独立して、国を起こそう。と言う訳か」

「なんてことをしようとしているのかしら。ケールハイト、認める必要は有りませんよ」

「……それを飲むかは対価次第ですね。それを此方が受け入れる事での継続的なメリットを提示してください」

「思想対立時の更なる棲み分け、ですかね」

「……それは既にやっています。改めてやる必要は無いでしょう」

「いえいえ、これは貴方方が使った理屈だ。他に使われても問題無いようにはしているはずでは?」

「……国の内部分裂を見逃せと?」

「不穏分子の追放には成るじゃ無いですか。それを此方が受け入れましょうと言う話です」

「……いや、それは余計な気遣いよ。結局は此方の国から人員を引き抜きたいだけじゃない。ですから、参入は認めません。そもそも個人でそんな事を宣っても……」

 其処である程度な厚さの冊子を突き出され、

「此方はそれの賛同者のリストに成ります」

「……いや、これだけ居るなら自分で国を起こした方が速いじゃない」

「ですから、私どもには国を興す上での大義名分が無いのです」

「……だから、小国だとされる小団体にまず成ろう、と言う訳か。段階を踏むのはまあ解る。が、断る。此方にメリットを提示しろと言ったのに言って来たのは此方の手法の模倣とそちらのメリットを提示してきただけだからな。唯一のも今回の事の一部の奴の生活保護関連の援助を対価に国の成立を認めろ、だなんて暴論が過ぎる。それを此方が受け入れる上でのまともなメリットを提示してくれよ。話はそれからだ」

「……」

「なにも此方は意地悪をして居る訳じゃ無い。それが成功した場合、此方にそれを模倣する奴がそれなりに追加で来るだろう事は予想が付く。だから、此方のまともなメリットが無い形のそれを受けるのは今後の事を考えると、無理が有る。だから、相応なメリットを提示しろと成る。……いや、まあ国産みの国みたいな立場は美味しいだろうが、此方が国として其方を定義する以上、エウミア連合国が君らの後ろ盾に形式上成る。なら好き勝手したいだけの輩は弾いておきたいからこの形に成る訳だ。相応なメリットが無いならそれを用意してからまた来い。そしたら返事は変わるかも知れないぞ」

「……また来ます」

「おう。それじゃあ此方は対処に動くとしますかね」

 そして問題の対処に当たる事にした。そして問題の対処に当たる事にした。……いや、おいおい、待て、待て、待て。渡されたリストに載る奴らの大部分が一定水準以上に成ってやがる。……偶然?いや、そんなまさか何かそれを可能にする理屈が有るはず……いや、ハハハ簡単だったな、これは。要は取り込むエネルギーを取り込んでも、暴走し無い類いの物に変えてから、その上で取り込んでしまえば良い。それを此方だってした後じゃ無いか。それを氷雲神は自前で味方の奴らにやったのか。……あはは、ああ、要するに交渉は時間稼ぎかよ。氷雲神の造り手さんよ。……つまりは、大義の無い過剰な戦力の武力集団の誕生と言う訳だ。まあ交渉には来ていたのだから、穏便に済ます気は有るのだろうが。さて、割と笑えないぞ、これは。何かエネルギーを取り込む事で不都合が起きた方が良い展開かも知れないが、そしたら俺にも都合が悪いし。……いや、ちょ、待て、エウミア連合国外では有るが、海の一角から巨大な氷樹を生成され始めた!おい待て、何してくれとんじゃい。其処に介入しにそこ辺りの水を操り、遠隔で話す。

「何をやっている?お前らはっ」

『此処は“公海”です。ですから、貴方方のエウミア連合国の領土では有りませんし、侵略拠点的な物でも有りません。文句を言われる筋合いは無いかと』

「なら教えろ。何をして居る?」

『我が国の領土を創っています』

「此方に援助を受けると言う話はもうしない方向か?」

『いえいえ、国としての体裁を持たせるために貴方方は必要です。ですから、戦争をするとしてもエウミア連合国の方々と戦うつもりは有りませんよ』

「……なら助言を一つ。北極や南極付近にそれを作るのは止めとけ。利権絡みに絡みまくって誰の物でも無い扱いに成っているけど、利権を主張する奴が主張を取り下げた訳じゃ無いエリアだからな」

『ご警告、どうも。では後で其方に伺いますね』

「……まあ待っておくさ……」

 そして分身を俺はその場から排除した。……いや、シャレに成らないってば。。まあそうだな。条件を整理しておこう。まず公海を領土にする為に整地手段として氷系を使い巨大な氷樹を出現させた。……これ単体に対して此方は批判出来る立場では無い。能力で整地して海底を領土とするのはエウミア連合国の建国時にやって居る(他国の領土には能力無しでは成り得ない所だからそう主張し易い場所では有ったが)次に此方に該当の場所を国として認めさせる為の足掛かりにしたいと言う思惑が有る以上は、此方とは、敵対関係に成りたくないはず。更に言えば、国としての成立の前提を此方から得られなければ、武装集団が勝手に土地を占拠して建国しただけに成る。そんなの即制圧戦争ルートだろう。まあ占拠したのは公海なのだが、条件を多少弄ればそう見る事も可能では有る。そんなのは流石に避けたいはずだ。なら、此方との交渉こそが肝だろう。……相手の目的通りでアレだが、此処で国として彼らを認めれば、以降はその定義を盾に彼らと交渉出来る様に成る。そうすればある程度のかじ取りを促すくらいならやれるはずだ。……此方が定義して居る物が前提で有る以上それで何とか出来るはず。まあ只海の海水凍らしただけですとかして来たら海面の大幅低下とか起こして批判されるのは止む無しの検案が大量に起きるのだけども……いや、海面上昇が問題視されている状況ならある程度までならむしろ公益に成るのかもしれない。氷樹がある程度以上大きく成れば航空機のルートの邪魔とか海流の流れを滅茶苦茶にするとか問題視されるネタは他にもそれなりに有るけども。最低限の口出しなら立場上は出来るはずだ。

「……水霧、どうするの?これ」

「これで仮に相手方を国として認め無ければヤバイ戦力と全面戦争展開も有り得る訳だが、認めた場合は此方のある程度の制御下に置ける。そうでなければ認定を棄却すれば良い」

「武力行使で永続的にされないかしら?」

「それをすると要は公称を自称に戻す行為をやる羽目に成るのだが、やると思うか?」

「やるかも知れないでしょう?」

「やるならばそもそも此方に国として認めさせようなんてしないでも、建国だけをすれば良かった訳だがね」

「うわぁ……」

 そして暫く話し合うと。氷雲神の造り手が再び来た。

「お待たせしました。交渉を行いたいのですが」

「どういう手法でやったかは知らんけど、手法次第では国際規模なバッシング受ける事をやったって解っている?」

「海水の問題に付いては貴方方に言われる筋合いは有りませんが」

「いいや、有るね。此方は整地の為だけじゃなくて、海流とか海面上昇を防ぐために海底を領土に必要なだけ掘っている。つまり、基本的な海流変動や海面変動は起きないように配慮はされて居る。其方はどうだ?」

「海流はともかく、温暖化による海面上昇は問題視されて居るはずですが?此方の今回の物はそれを解決する手段に成り得ますから」

「地球温暖化の解決と、海面上昇の抑制の手段。まあそれは大義名分に出来なくは無いが、そう主張をしたいなら、ある程度以上海水を使う氷樹で海に領土を創るなよ?海面が下がり過ぎてもアレだろうしな」

「……つまり、海水を其処迄使わなければ良いと言う事ですか?」

「能力で足場を永続的に出せるならそれで広げれば良いだろう。まあ能力で出したものだとシステム崩壊検案が起きたら消えるのも有り得るから永続的に全依存は駄目だが」

「……」

「水霧。寄生虫を体内で飼う類の能力の奴がヤバイ事に成るから止めてくれと要請が来ているわ。精霊なんかでもあるパターンだけど、エネルギーを対価に魔法を代わりに使ってくれる寄生虫が居るらしいのだけど、その際に身体が本来無理な事を無理矢理やっている関係上、体に過負荷が掛る。だから多用は禁止されている。それは良いとして、今回の事でその寄生虫が過剰なエネルギーを食べた結果、身体が過負荷に苛まれる奴がある程度以上出ているらしいの」

「……いや、それさぁ、わざわざ大事にするレベルの事か?要は寄生虫にエネルギーが行かない形にし続ければ良いだけだし、何なら寄生虫が邪魔なら寄生虫に食われるようなエネルギーを全部他に移譲し続けたら良いだけの話だろう?それともそれが出来ない前提でも有るのか?聞いた覚えはないが、ああ、力不足とか、技量不足とかそう言うのは言わなくて良いから」

「……いや、それはそうだけど、必要な時に必要なだけ、精霊とか寄生虫とかにエネルギーを供給して良い効果を得ている奴がそれらにエネルギーを過剰供給されてヤバイ事に成っていると言う話よ?」

「他人のエネルギーを操る奴が居れば簡単に解決出来るはずの話を此方に持ってくるなよ。それともその程度の事も分からんのかそいつらは?」

「言い方、……いや、でも他にそれらの技術開示したく無いと言う話じゃない?」

「介入したら只の茶番に成るが良いのかね?」

「助からないよりかはマシでしょう」

「そうかい。さて、此方はそちらに行くが、この話はもう後で良いか?」

「……此方も考えないといけない事が有るのでそれで良いです」

「それじゃあまた後で。どうせ合流は容易いし今の件が片付き次第で」

「解りました。それではまた」

 そして対処に当たる事にして思う。今回の問題の手法は自分で魔法を使う事が出来ない奴が出来る奴に対価を渡して代行して貰おうと言う考え方が前提な手法だが、使えない物を無理矢理自分のエネルギーを使い起こさせる訳だから、まあアレだ、いつもは使わない筋肉を使い筋肉痛に成る様な物が結果として起きる。それを過剰に増幅した物が今回の問題の正体な訳だが、そもそも使えない物を無理矢理用意する為の手法だ。多用するのは危ないのはさほど不自然では無い。更にざっくりいえば対象者はエネルギー関連の機構がオーバーロードを継続的に起こし続けているだけの話だ。だから対象者が強ければ問題は無いが、そもそも基本的にはそれ無しでも強い奴が使う手法では無いので、厳しいのも仕方無い。……とは言え、なんでこの程度の問題が対処出来無いかね。……いや、出来ないのでは無く、対処出来る奴が強化イベントで出払って居るだけか。まあ此方は十分得た後だし良いか。そして簡単に対処を行う。今回の事で世界の奴はどれだけ強化されただろうか?銀河とか、宇宙とかの化身とか出て来る段階に成るだろうか?いやいや、アーバーンとかの規模の足りない攻撃の中和能力とかそのまま返されたら星とか銀河とか宇宙とかの規模の攻撃を此方も出さないとそもそも相手のHPゲージをそもそも減らせるかどうか、ね。……いや、フラワシなら勝負に成るか。アレは森羅万象に宿る。世界観が広大に成れば成るほどそれの対象規模も上がるだろうし、規模勝負なら相手側が広大で有れば有るだけ広大に出来るはず。さて、色々と片付けを続けよう。

 はぁ……水の制御で出来る事は何でも出来る、か。能力という形で該当の物を使い、どうこうする物をその能力による成型補助を前提のみだけでやり、後は努力だけで再現し、自分の力とする。……いや、本当はそれ以外の事も出来るが、いま改めて言うほどでも無いな。御大層な内容な力をドンと出されたなら概要を聞く限りでは、比べればショボいと言わざる得ない物だろう。……まあ、ゲームでスキルを覚えましたがそのスキルには一切他の使い道や発展性や応用性が有りません。とかよりは使える汎用性が広いという意味では良い物だが、その結果、そう言う能力で、それを専用にする為の補助が前提以外は軒並み無い状態では有る。まあ、メタ創作だと成長すれば最強なんて成長する前に狩られるのが基本的な落ちだろうが、俺は世界に召喚システムが実装された初期段階から動けたから、その最初はショボイ内容の能力でも他と戦いでも十分立ち回り様が有ったのだ。……いや、まあ、召喚した奴らに結構頼ったけども、召喚システムが使用者に対する悪意的な仕様が有るとかの、ルート分岐の結果次第じゃそれは只の愚者と言える選択では有ったから、ケールハイトには先にはそこを言われた訳だ。そう言う選択肢で成功した奴がそれは失敗するとか言ってもアレだからな……。本来此方がわざわざ対処するようなレベルじゃない奴を倒す仕事もやるとしますか。まあアレだ。わざわざ説明をするほどじゃ無いレベルの事しかやらなかった。敢えて言うなら炎系の奴が此方の身体を結構蒸発させてきたが、そもそも水蒸気を水に戻せたり水蒸気でも威力を持たせたり出来る以上、相手にとって必殺のそれは此方の攻撃の為の工程を一つ増やしただけだと言って良いレベルの物でしか無かった。そして今回戦う奴はその程度の結果から勝ちに繋げられるレベルの奴では無かったから楽勝としか言えなかった。……いや、それで勝負に成るレベルの奴なら話は別なのか?って?そもそも相手が此方を蒸発させれば勝ちだと思っている限りは勝てると思う。メタ回答されているのに俺の勝ちだとかほざく奴なら実際に戦うならそれをやったら余裕で此方の前で勝ちだと思って油断しそうだし。油断なんてしない?いやいや、違うよ。事前にルール設定をして、それをやったら勝ちとかして無いなら、相手を詰め切れてない物をやったら勝ちだとか主張している時点で油断しているし……。

 まあそれは良いや。そう言えば意識を他のエリアに飛ばされたらアレなのは確かでは有るか。まあ要は体の一部でも良いから他所に残して置けば良いのだけど、それも全部飛ばすなり何なりとされた場合を考えて……よし。なら、そうしたのならば相手側が滅亡検案に成る様にしよう。いやアーバーンの場合は既にそう成る様には成っているが……。生存に水が必要無い生物とかをメタ回答に出されるまでは簡単に予想が付く。まあ水素でも問題無いのだからそれらが含まれる全ても消さないと意味は無いし、世界中の奴を殺せるレベルの事でもやれ無いとそもそも殺しきれないレベルだけど。……いや、まあ他の世界だとか、そう言う規模の敵が出たら話は別だが、これはそうされたら負けだと言うのではなく、そう言うのを普通に出来るレベル以上の奴が出て来たら、まともな勝負に成ると言う話。それを出されたら何も対抗出来ないとかは別に言って無いのだし。……いや、規模の水掛け論的なアレに付いては言っては居るか。正直な話として、仮に宇宙の化身が居たとして俺らはそいつからしたら何なのだろう?例えるなら体内の内在菌の内の一つだろうか?……規模が足りないとどうしようもないな。

 というか、だ。水の化身の定義を世界中の水にしたとしよう。いや、わざわざそれの範囲を狭くする必要も本来は無いのだが、……他の物が含まれて居るそれも範疇なら、体液も普通に範疇なのでは?とは思う。……そう定義したら吐き気を催す状況に成るからそう主張したくは無いのだけどね。……いや、異性の体液も俺だとかほざくとして、そうするなら同性の体液だって似たような物に成る。それに性的な意味を持たせたければそれこそ両性とそう言う意味の事をして居る事に成りかねない。俺は性別の何方が相手でも構わず性的に食えるような性格や人格はしていない。デメリットなんて考慮しないと言うには吐き気を催すレベルの奴をかなりの頻度でやっていると認め無いと、それをそうだと言えない。……それを認められる奴には只の天国だろう?って?ならお前嫌いな奴一人たりとも居ないのか?そう言う奴とも該当の意味を持たせたならやっている事に成るのだが。……いや、まあこの話が有るから、俺にとってのそう言う行為の定義を狭めざるを得ないのだ。流石にそう言うのを許容出来る性格では無いので……。ああ思考が逸れていた、本題に戻ろう。そして大体の事を終わらせて、……と。

「待たせたな。氷雲神の造り手、いや、リリック・フロスト」

「そうですね。思うより少し時間が掛かりましたが、それは置いておいて、国として認めて貰いたいのですが、宜しいですか?」

「……正直な話、交渉でそれの話を受けるメリットを提示しろと焚き付けたのは有るから此方は批判しないが、氷樹大陸を創るなんて他国から色々と言われるのは覚悟しろよ?」

「此方はその際の後ろ盾に成って欲しい訳ですが」

「……だが流石に氷樹大陸構築はやりすぎだろ」

「貴方方もエウミア連合国の基盤のレムリア大陸を創るのを事前に許可を国際社会には取って居ないはずですが?」

「……いや、一応根回しはしていたぞ。……それを国際会議に出したのはある程度は創った後だが」

「根回しなら私どももしましたよね」

「いや、アレだけで此処までやるとは思わんよ、流石に。本当は事前に用意していたのに、わざと大義名分が無いとか言っていたレベルの動きだぞ。氷樹大陸に付いては」

「……いや、貴方方がけしかけたのですよ」

「明確に内容の提示をした事前確認くらいして欲しかったのだが」

「ある程度の物を見せないと只の机上の空論と笑うでしょう?」

「……まあ、根拠がない主張に成るからな、それ無しだと。だが、物には限度と言う物が」

「それ、貴方方が言います?」

「……ならエウミア連合国が宣伝してやるから説明会でもやりなよ。現状、此方はそんなに手出しはしないぞ。氷樹大陸の国を只の此方の傀儡国家とか傀儡政権にしたいならもっと此方が協力しても良いが」

「……成功例持ちの国から意見を貰えないのは厳しいですね」

「傀儡国家で傀儡政権に成りたいなら他にも協力するが?」

「……いや、止めておきます」

「そうかい。但し、何かヤバイ事に成った時には口出しもするからな。此方の国が後ろ盾に成る以上、それくらいは認めろよ?」

「……解りました」

「だが、これだけ言えば、成功するかどうかは説明会が成功するかどうかに掛っていると言って良い。何故なら公海に建造物を創ると言う観点だけで他は全て門前払いを受けるなら俺らの時に失敗しているはずだし、争点は無許可で公海に巨大建造物を創った事の是非だと思う。周りに陸の無い海上だとは言え、航空機とか船とかのルート妨害とかの問題とかは有るだろうからな。そう言うのに対する回答は用意しておけよ?此方はこれ以上の口出しし無いけども」

「ご忠告ありがとうございます。では準備に当たるので、これで失礼します」

 まあ他には漁場の損失とかも有るが、広義で言えば先の言葉に含まれているので、よしとしよう。そして勢力図が変わる最中で、説明会が行われる事と成った。




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