【13-20】 二枚斧 下
【第13章 登場人物】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894256758/episodes/16816700429616993855
【地図】ヴァナヘイム国
https://kakuyomu.jp/users/FuminoriAkiyama/news/16816927859849819644
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ストレンド郊外の戦場では、アルヴァ=オーズ中将の号令一下、ヴァナヘイム軍・第1師団の前進が始まった。
特務兵を割り当てられた当初こそ、3万という軍団規模を誇った彼らも、その数を7割以下に減らしている。
レディ・アトロン隊との死闘を皮切りに、イエロヴェリル平原各所での激闘を経た上に、この地での帝国火砲を浴びに浴びて――。
【8-5】兵士が生る樹 上
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だが、猛将・アルヴァ=オーズに率いられたこの部隊は、彼の
鼓動乗り移りし戦鼓は、いよいよ激しさを増す。
脈拍伝わりし兵馬は、ますます躍動する。
「進めえぇええやあぁぁぁッ!!」
オオオウゥッッッ!!!
猛将の号令に応じる将兵2万の
『昼食会の後は、ヘイダルに自慢のコレクションを見せてやろう。も、もちろん、宝物庫のカギを掛け忘れないよう気を付ける――』
【10-12】 ネイル
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着弾し滅裂する砲弾に仲間を削られながらも、山腹の敵陣に向けてヴァナヘイム軍は駆け上がっていく。
最前線に配置された帝国兵も、
雨
帝国砲陣がクワッと咆哮した
しかし、第1師団の前進は止まらない。
ヴァ軍の猛将麾下による圧力にさらされ、送弾ピッチを誤ったのだろう。
双眼鏡越しでは――帝国陣内のそこかしこで、砲兵は野砲を放棄し、歩兵は持ち場を捨てて逃げ出し始める。
さすがに、「
こうして、砲弾・銃弾ともに沈黙する帝国陣営が続出した。
目元の傷ごと両目を見開いたオーズは、その隙を逃さず厳命する。
「粉砕せええぇやああぁぁああぁぁぁ!!!」
オオオォォオオォォォオオウウゥウゥッッッ!!!!!
帝国砲陣が網の目のように敷かれた小高い山々――その麓では、ヴァナヘイム軍の喚声が埋め尽くした。
***
『……先の手紙に体調が優れないとあったが、その後、加減はどうか。くれぐれも体を大事にするように』
天幕内には、椅子に座るオーズの後ろ姿があった。小さなテーブルは、完全に中将の背中の向こうに隠れている。
奥方への手紙を書き終え、ひと息ついているようだ。口に運ぶティーカップは、無骨な手に比してあまりにも小さい。
彼がカップをソーサに戻すと、カンテラの炎が揺れ、紙面を照らした。
熊のような手が生み出した文字は、意外にも小さく可愛らしいものだった。
【作者からのお願い】
この先も「航跡」は続いていきます。
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オーズたちの乗った船の推進力となりますので、何卒、よろしくお願い申し上げます🚢
【予 告】
次回、「悲報」お楽しみに。
11月13日、冷雨降りしきるドリス城塞には、俄かに信じられないような報告が次々ともたらされていた。
わずか数時間で、主力部隊が総崩れになったというのだ。驚嘆すべき一報に接し、ヴァナヘイム軍総司令部の幕僚たちは、建物から飛び出したまま、総立ちになっていた。
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