たかが334字、されど334字。

 たかが334字である。

 無理やりに詰め込めば、原稿用紙一枚に収まらないこともないその文字列から、額面以上の意味を感じ取るのはきっと、作者が「思い」や「面白さ」や「バレンタインにチョコを貰えなかったという何とも言えないアンニュイな感情」を詰め込んだからに違いない。うん。きっとそうだ。

 たかが334字である。

 しかし、されど334字なのだ。

 その原稿用紙一枚分未満の文字列はきっと、「本人は義理だと言い張っているけど、どうみても本命にしか思えない手の込んだ手作りチョコ」を食べたような気持にさせてくれるに違いない(※効能には個人差があります)。