靴磨きとマリア(作曲者:ナノウ様)

今日も汚れた町の中で

生きる糧の為の靴磨き


薄汚れた手では必死に磨いても

客は不満げに罵倒し去って行く


酒に溺れる父は険しい顔で

少ない稼ぎに憤慨し殴ってくる


荒んだ心は黒くなって行くばかりで

ふとかけられた言葉を遮ってしまう


汚れた手に渡された輝くお守りは

黒い心の中に一筋の光を見せてくれた


神様、今更何ですか?

平等で不平等な貴方は何故こうも残酷か


見たくない汚れた世界から逃げ出すかの様に

望んだ夢を見た


黒い心を揺さぶる光に寄り添いたくなった

しかし、非常な現実(父)はそれすら奪おうとする


ボロボロになっても離さぬ姿に

父は無慈悲な言葉を吐き捨て居なくなった


遠のく意識の中で映るのは

折れた指の隙間から見える儚く光るお守り


黒い心の魂は初めて望んだ光を勝ち取った








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徒然の唄 四季 @a2m

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