お題に基づいて作られた本作。ですが、様々な要素を消化吸収した異世界は新鮮味がありつつ、とても読み易いです。
雰囲気はシリアスなファンタジー。主人公が密かに活躍する事もあって、暗いムードの中、面白い物語が展開されます。
過去の回に進むと、とても主人公に共感できます!
そして展開される焦れったいラブストーリー。「あっ。これはもう」と思わせてギリギリで留まる感じが本当たまりません。
性癖は様々ですが、ふたりのセリフ、やり取りが繊細で貴重。
月夜の森で月見草の花を見つけたように、ほっこりできて、神秘的な尊さすら感じる本作。
ぜひご覧になってみて下さい!
ドキドキな💓ときめきと、ワクワクなストーリーを楽しめますよ❣️
死に際の当事者の記憶を読み取る能力の持ち主たる少女、梟(オウル)。
まず彼女の抱えるものの重さや複雑さが、全編を通しそのままに伝わってきます。その絶妙な描写が、この作品の大きな魅力の一つかと思います。
オウルの仲間にもそれぞれの過去や想いがあり、彼女の抱える想いと重なり、交錯し、読み進めるにつれ驚くような連鎖を起こしていくのもミソ。
そして8つの癖のあるお題の使い方も秀逸。蟹味噌万歳。
ほんのりと恋愛もあり、ダークな部分はしっかりと重い。その分明るかった時間は尊いし、穏やかな時間は噛み締めさせられる。
切ない故に暖かく、薄暗い故に明るく見えるものがある。
物語の構想から心情描写から脱帽ものです。是非ご一読を!
これは本当に闇鍋企画から生まれたものなのだろうかと、何度も思うほどに全てのキーワードが上手に組み込まれています。
その全てに違和感がないのだから、作者様の発想力と構成力はお見事としか言いようがありません。
朝や日中の活動場面もあるのに、非常に美しい夜気が思い浮かぶのはダークファンタジーだからでしょうか。読むほどに小夜に浮かぶ赤星のように、主人公が見えてきました。
主人公<梟>の想い出が切なくも美しく、そして哀しい。
胸を打つどころか、目の奥がじわりと熱くなって痛みを覚える程に物語に没入してしまう。
何を書いてもネタバレになってしまいますが、とにかくオウルちゃんが可愛いのです。
彼女の過去、想い、決断、その全てがしっかりと繋がっている完成されたお話です。
読んだらきっと思います。闇鍋企画?うそぉ、と。