原始魔法 “時” について

原始魔法の一つである“時”は、この世界において非常に重要な役割を担っている。


第一に、時が流れる事によって派生魔法という様々な色が生まれた。


第二に、時が流れる事により生き物は学習し成長してきた。


以上の様に、時が流れる事により、この世界は繁栄を続けてきた。そんな“時”が無くなる事は“色”が無くなる事と同義である。即ち、世界の消滅を意味する。


現在、この世界はある者が“時”を利用したことにより、多くの可能性に満ち溢れている。それぞれの可能性の世界、いわば時間が流れているのだ。分かり易く言えば、パラレルワールドと言われるものが幾つも存在しているということだ。そして、これらの“可能性の世界”は決して交わらずに、常に並行を保っている。


もし、この可能性の世界が何かの間違いで他の世界と交わった場合、そこには“時間の歪み”が生じる。些細な歪みは基本的にすぐ自動的に処理され、我々の知らぬ間に記憶と共に消えている。しかし、複数の世界で歪みが生じた場合、そこから次々と歪みが生じ、世界は一定の時間から先に進まなくなる。つまり、ある区間の時間を淡々と繰り返す事になってしまうのだ。そして繰り返しの限界が訪れると、その世界は消滅する。そうして次々と世界が消滅していってしまうのだ。


よって、タイムトラベルは基本的に禁忌の魔法となっている。


因みに、歪みが生じた場合は歪みの元凶を取り除き、“時間ときの調整”を行うことで解決する。全ての世界が消滅してしまった場合は、“時”の消滅である。

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知識の書 柄針 @tukahari

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