やぁ、皆さん初めまして。
今回、僕がご紹介するのは悪漢小説のお手本のようなお話だ。三悪党と書いて「スリーアウツ」と読ませる悪漢たちが、大暴れして読者の心を鷲掴みにするエンターティメントだよ。
性悪な知能をフル回転させる聖女「クズ」
強い奴を求めて、まわりの迷惑もなんのその勇者「のうきん」
自我を持たない、誰にでも化ける事が出来てしまう王様「さぎし」
彼ら三悪党が初めは異世界で、自分の居場所を求めて、最後には国を揺るがすような大暴れをする。一見、悪漢たちが自分勝手な事をしているようで(している事も多分にあるけど)、最後まで見れば納得の大立ち回り。
見事に主人公の望みを叶えてしまう、王道の物語だ!
スッとする読後感だが、涙を抑えるために、ポケットテッシュではなく、箱テッシュかキッチンペーパを一巻き用意する事をお勧めするよ。かく言う僕は1リットルは流したハズさ。
HAHAHA! 泣き虫の僕が誰かだって? このお話を読めば、きっと分かるさ。夏休みに読むのに打って付けだよ。本当にテッシュを忘れないようにね!
フォロワーよりも星の数が多い。これがこの作品の面白さを如実に語っていると思う。
何らかの理由で異世界に来てしまった三人。それぞれが特異な能力を持ち、その三人を組み合わせると無類の強さを発揮する。ただし、三人は善人ではない。世間一般の良識よりも自分の生き方を優先する。
普通に考えれば自己中だけど結果的には英雄の行動となる。そのやりとりがメチャクチャ面白い。キャラ立ちまくり!
………ただ、話が面白いあまり過去のエピソードを読み返そうとする時、各話の見出しが数字だけなのには苦労する。けっこう話の見出しは大切だと思う。最初に読み始めようとする読者の中にも見出しであらましを知り興味を持つ者も多いと思う。逆に数字だけの見出しに興味を無くし去っていく者も。
読み込めば絶対面白い。それは間違いない。ただ最初の取っ付きやすさをもちょっと工夫してくれれば、もっと読者増えるんじゃないかなぁ、とも思う。
天才的な頭脳と、悪魔的な発想を持つ少女・ミソノ。
圧倒的な肉体で何者であろうと素手でなぎ倒す青年・ウシオ。
天才的な演技力で、どんな場所にでも息をするように潜入できる青年・レンタロウ。
ここではないどこかから、政治が腐りきった王国にやってきた三人と、運悪く(?)遭遇してしまったのは、王城の有能メイド長。
彼女の苦労を思うと、(時には爆笑の)涙なしには読めません……っ!(笑)
決して正義の味方ではない三人が、自分達に喧嘩を吹っかけてきた大悪党を相手取る痛快ピカレスクロマン。
文句なしに面白いので、ぜひぜひお読みくださいませ!(≧▽≦)
これに尽きます。痺れるしかない。
メイド長である「私」が出会った三人のとんでもない「悪党」――ずば抜けた知性で卑劣な策を編み出すミソノ、人間離れした筋肉ですべてを捻り潰すウシオ、いくつもの顔を演じ違和感なく人々を駒にしていくレンタロウ。ここではないどこかから来たらしい三人組は、人道からおおよそ外れたえげつない方法で国をかき乱していきます。
知恵と筋肉と煽動力がタッグを組んだらこんな恐ろしいことになってしまう! と無敵さに戦慄しながらも、悪が悪を妥当していく痛快さがクセになります。冒頭のシーンを思えばこの三悪党がこれからとんでもないところまで至ろうとしているのがわかりますが、たった三人が、しかも悪人と言えそうな倫理から外れた三人が、目を剥くような方法で世界を手玉にとっていく未来に、不謹慎かもしれませんがワクワクしてしまいます。