第2話

 「え、えっと…僕は、僕は…」


頭が真っ白だ。


自分の名前。なによりも早く知り、忘れるなんて有り得ないような、大切な…



「あ、ごめんなさい。突然すぎましたよね?

確かめたかっただけなんです。

あなたは何もおかしくありません。」


少し慌てるようにそう言い、そして改めてこう言った。


「僕はこのカイバ図書館で館長をしています。

館長としてあなたの手伝いをしていきます。どこから話しましょうか…。

では、そうですね、信じられないかも知れませんけどきいてください。」







…実は、僕たちは、人が使うなんです。」



「そう、なんですか」


物の魂だなんて突拍子もないことを言われたが、何故か胸にストンと落ちるように納得できた。

おかしな話だ。館長さんはどこからどう見ても人間で、僕たちは今、椅子に腰掛け、紅茶を飲みながら話をしている。

どう考えたってものの出来ることじゃない。

だからといって、動揺がないわけではないが。


「不思議です。やっぱり、みんな同じなんですね。記憶がなくなり、人の姿になってもそのことを忘れることはありません。」


「あの、僕はどうしたら…」


「さっき言ったように、ここはあなたのような ものの魂 に記憶を取り戻させ、決断の手助けをする所です。なのでまずは記憶を取り戻しましょう。私が館長としてお手伝いします。」


そこまで聞いて少し気になることがあった。


「決断ってどういうことですか?」 


「ああ、決断と言うのは…」


「信じらんない!!!」


館長の言葉は怒りがこもったような大声によって、さえぎられた


「二階…からでしょうか?すみません、もしかしたら何かめてるのかもしれません。ちょっと行ってきます」


「あ、僕も行きます!」


他の人…いや、に会えるチャンスだ。他にどんなもの何いるのか見てみたい。

それに何か記憶の手がかりがつかめるかもしれない。


 僕と館長は階段をのぼり二階に急ぐ






「どうしました!?」


 館長の目線の先には





2人の女の子がいた




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あなたが捨てた物の行き先 ひよこ @193171

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