神秘的殺人の心理的創設者

櫻島 恋歌

全ての始まり




とある晴れた日の事だった




「 不気味だな… 」




いつもとは一味違う、そんな事件が流れてきた。





「 えー、被害者は宮田康二さん48歳。」

「 職業は小説家、妻と子供との3人暮らし。」

「 自宅のリビングで遺体で妻に発見される。」

「 頭を銃で撃ち抜かれ死亡、床に落ちていた弾丸から.38Spc、警官から盗んだ可能性が高いと思われる 」






妙な点が多かったのだ。

荒らされた形跡は無く、目立った外傷も無い。

睡眠薬を使用した様なものも無い。


そして、


花を右手に握って死んでいたのだ。




握っていたのは"アフリカホウセンカ"。


花言葉は"鮮やかな人"、"強い個性"。



被害者の書く作品は個性の強い主人公が特徴的であった。


そして、被害者自身は喜怒哀楽が豊かで

誰にでも平等に接し、愛情表現が特に優れているような人物像だったそうだ。


しかし、彼はその分繊細で

ストレスが溜まりやすく、人に当たりやすかったそうだ。



アフリカホウセンカもそうだ。

繊細で、触れるだけで成熟した実がパンっ、と弾けてしまうような短気な植物だ。






「 ちょっと明道さん、聞いてますか?」


「 あ、あぁ、申し訳ない。」





3つ下の志摩 美空に声をかけられ意識が戻る。


志摩は情熱的で運動神経が良く、勘が鋭い。

そんな彼女もこの事件の違和感には気付いていた。




「 まるで被害者の事全て理解しているようですね… 」


「 身内や近所の人の犯行なのかもしれない… 」



「 いや、熱狂的なファンの可能性も大いに考えられるぞ 」






証拠不十分すぎるこの事件を紐解くのには


多くの労力と時間が掛かりそうであった。




この神秘的殺人には


只者ではない何かを感じていた。

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神秘的殺人の心理的創設者 櫻島 恋歌 @renka_sakurajima

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