第21話

目の前の建物は一見すると木造の民家のようだった。

少し大きな玄関と広すぎる庭があるぐらいでほかのチームハウスのように派手な装飾や、モンスター用の施設といった雰囲気は感じられなかった。


「うちの陽月師は動物種専門、だからほかのチームのように特別大きな子もいなければ専用の施設や設備も少ないの。だからこんな感じのチームハウスで事足りてるのよ」


ミーミアさんがそう説明してくれた。

確かに俺のフーシェンや、ミーミアさんの猫の様なモンスターであればそうなのかもしれない。

中には馬や獅子のようなモンスターもいるらしいが、そういった大型のモンスターは裏に専用の入り口や厩舎のようなものがあるらしい。


「まずは中に入ってこれからのことを相談しましょ」


ただいまーと言いながらチームハウスに入っていくミーミアさんについて行くと中にいたメンバーらしき人たちからすさまじい注目を浴びてしまった。

みんなが俺やミーミアさんを質問攻めにしようと集まってきたがそれを制するように


「詳しくは今からここで説明するからハウスに残ってるメンバー全員集めてきてちょうだい!」


そうミーミアさんが言うとメンバー全員が歓声を上げながら方々へ走っていった。


「全員集まるまで時間がかかるでしょうからまずは改めて自己紹介をするわね。私はミーミア、迅風のリーダーで相棒のこの子はマオって言うの。陽月師になって9年って感じかしら。君のことも教えてちょうだい」

「えっと、オルタって言います。こっちはフーシェンでついさっき陽月師になったばかりです」

「出身はどこなの?イグシルの生まれじゃないわよね?」

「あ、はい。エストの村です。西の門から出て森を迂回しながら馬車で半日ぐらい行った先にあります」

「それなら全然大丈夫そうね、村のほうには説明が終わったら一緒に行きましょ」


「私たち迅風は一応中規模チームっていうくくりになっているわ。くくりについては人数とかチームハウスの大きさとかによるんだけど詳しくは省くわね。現在メンバーは25人で動物種のモンスターを使役する陽月師が所属しているわ」

「チームの方針としてはダンジョン攻略をメインにしているけれど、中にはモンスターを使って街中の仕事を請け負っているメンバーもいるわね。大規模チームのような厳しい規律や目的はないけどもそれぞれがやりたいことをやって、一人ではできないことはチームで協力して取り組んでいく、そんなチームにしていきたいと思っているの」


そんな話をしているとあちこちに行っていたメンバーが続々と戻ってきて俺とミーミアさんを囲むように集合していた。


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M・A・T〜モンスター 集めて 強くなれ〜 夢見まくら @makura-sun

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