第20話

俺達の住むこの国はウィンフィールという。

中心都市イグシルとはこの町の名前で王城や聖堂をはじめとする重要施設が集まっている。

さっきまでいた聖堂や王様の暮らす王城などがある中心地区があり、俺達のような一般人が住む外周地区がその周りをぐるっと囲むように建てられている。


ではモンスターを連れた陽月師はどこで暮らしているのか。

外周地区の更に外側、国の外に張り巡らされた防壁との間に当たる地区に各チームで拠点を構えて生活していて、その地区は通称陽月地区と呼ばれているそうだ。


都市の一番外周で暮らしていると言っても移動はモンスターの力を借りる事でそこまで時間はかからないらしい。

食料品や冒険に必要な物を取り揃えた雑貨屋もあるがその地区ならではの特徴として、とにかく建物一つ一つがデカい。

俺の住んでた家なんて3つか4つぐらい入るんじゃないかって大きさの家や、玄関?搬入口?の高さが6〜7メートルはあるんじゃないかって倉庫。

何から何までデカい。

道も大人が10人並んで歩いてもまだ余裕があるほど幅広くその足元は多少デコボコしているもののかなり踏み固められている。


陽月地区は大型モンスターを連れた陽月師でも行動出来るように様々な物がモンスター基準になっているらしかった。

そんなモンスター達が歩く事で道は踏み固められていったという事らしい。


チームの拠点にモンスターを預けて外周地区にある自宅に帰る陽月師もいない訳では無いが、多くの陽月師は自分のモンスターとなるべく長い間一緒にいるようにしているらしかった。


…と言った感じのの事をチームハウスに向かう道すがらミーミアさんが教えてくれた。


そうなると俺はどうするべきか。

実家がある村へは馬車を使って大体半日程度かかる。

成人の儀ということで宿は確保していてもこっちで生活するための準備なんて全くしていない。せいぜいそもそも生活するにしてもどこでどうやって生活すればいいのか。生活費だってかかるだろうし…


「陽月師になると生活環境がガラッと変わるからね。今まで親元を離れた事も無いだろうし両親も結果気になってるだろうから一度報告にはいかないといけないわね」

「そうですね…でも報告してその後ってどうすれば…」

「そういうのはも含めてサポートするために私達がいるのよ。チームハウスについて一通り説明が終わったらモン車で送って行くわ」

「モン車…?」

「ふふっ、詳しくは後でね。さぁ着いたわよ。これが私達迅風のチームハウスよ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る