第19話

「…モンスターについて知りたければウチのチームを訪ねるといい」

「陽月の間がある建物には資料室や職員の常駐しておる相談室もあるでの、気軽に来るとええぞ」


そう言い残してバトスとモンスター爺さんは先に帰ってしまった。

残された俺達も後に続く様に部屋を出て聖堂の外へと向かった。


聖堂の外では先に帰ったはずの子供達が沢山の大人達に囲まれていた。

耳を澄ましてみると商会や工房で働く大人達が有能なモンスターを連れた子供を勧誘しているようだった。

遠目からでも分かるほどのある意味では異常な熱気に包まれたその場に飛び込む勇気は俺にもアランにも無いようだった。


「アランは俺と一緒にチームハウスに向かうぞ!」

「私達は逆方向だからひとまずはお別れね」

「分かりました。じゃあなアラン。キツくて逃げ出したりするなよな」

「それはこっちの台詞だ!次に会うときは俺もルディももっと強くなってビックリさせてやるからな!」


そう言って俺達は笑いながらそれぞれの方向に歩き出した。

これから始まる陽月師としての道のりに思いを馳せて、少しの不安とそれ以上に大きな希望を胸に抱いて。



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