第5話「ネット・ゲーム依存症対策条例」
無知故に人は恐れ、恐れ故に人は間違いをおかす。
〈県議会においてネット・ゲーム依存症対策条例が退席者の居るなか賛成多数で可決しました〉
テレビのローカルニュースからは未成年のネット・ゲーム使用を制限する条例が可決したと言うニュースが流れていた。
「大橋の向こうは大変ね…」
眠り姫がヘッドレスト付きの電動車椅子(音声認識GPS自動誘導式)で小児科病棟まで来て居た、海峡を挟んだ向こう側の県の話だったが全国に伝染するか心配になるニュースだった。
〈ネット使用は中学生以下午後9時までそれ以外は午後10時まで(勉学家族との連絡を除く)ゲームは平日60分休日90分午後10時以降は禁止とななります、罰則規定はありません〉
「知ってるかいロリちゃん、ゲームは1日1時間って言うのは古典時代のプロゲーマーが言ったメディア向けのコメントで科学的根拠の無い物なんだ」
王子は言葉が一人歩きしている現状を皮肉った。
「そうなんやー」
ゴスロリは王子の話を丸のみした。
「いそんしょうってなんださんぱくがん?」
チビ子が聞く。
「熱中し過ぎるって事だろ、スポーツばっかやったり勉強ばっかりしたり、小説ばっか書いたり読んだりする事だ」
三白眼も皮肉屋だ。
「じゃあたちら、いそんしょうだな!」
チビ子は爆裂言い放つ。
小児科病棟にはリビングコーナーとダイニングコーナーにテレビが設置せれており、ホスピタルパーティーのメンバーはダイニングコーナー集まってテレビを見ていた。
***
「私ゲーム詳しくないんですけど、どうなんですか冬木主任」
同じくダイニングコーナーで日誌をつけていた看護師、
「そうね結論から言うと科学的根拠に乏しいわね、薬物や煙草アルコールみたいな科学物質が関わった物質依存症ならともかく、ただネットやゲームに熱中するプロセス依存症なら、なる人も少ないし依存からの回復も早いから過剰反応な気がするけど」
「よく知らないと過剰な反応になるのはどんな病気も同じですね」
知らないと言う事が一番危ないなと夏野七海は思った。
「そうよ、科学的治験無しで憶測で動くと大変よ」
冬木雪江は何度も繰り返されるパニックと終息を見るつれそう思う。
「依存症の定義ってあくまで、生活に支障を来すですしね」
夏野七海は思う、ネット・ゲーム依存症の定義は何をもって生活に支障を来すかの設定よるので熱中と依存はグラデーションの中にあるのだ。
「そ、生活に支障をきたせば、ギャンブルに始まり活字、テレビ、仕事もプロセス依存症該当するし、宗教(カルト宗教)や交遊関係、恋愛関係でそうなれば関係依存症に分類されるわ、激辛やスイーツ何だってそれを快楽に感じれば脳は依存症になるのよ」
冬木雪江は長々と話すがそろそろ読者さんが飽きて来ないか心配だ。
「ある意味マサト君(三白眼)の話は合ってたんだ…激辛やスイーツは別の病気が心配になるけど」
夏野七海は難しい話にぐったりした。
「まあ、あの子達にとってはネットもゲームもコミュニケーションツールだから無いと社会から孤立するけどね」
冬木雪江にはここの子供には何が必要かが大切なのだ。
「それも相手が居てこそですか…」
夏野七海は政治家やその政治家を動かす人々は人それぞれの状況考えないのかなと思った。
「そうですネットもゲームも1人でも出来るけど、みんなとだともっと楽しい」
暗い声がどこからか聞こえる???。
「居たの紅葉」
夏野七海は同僚の
秋月は仕事もせずに昔のケータイゲームをしている。
「はーい、秋月さん貴方は立派な依存症よ仕事しなさい!」
冬木雪江は秋月紅葉(ゲームネーム:もみこ)からゲーム機をを取り上げる。
「冬木主任それは貴重な、つ、通信機能の無いゲーム機なんです」
「まあ、熱中する子供からゲーム機取り上げるとこんな風にもめるから親がこれを依存症だと思って心配するのもわかるわね、コイツは違うけど」
「冬木主任、知ってますかゲームは認知機能を高めるんですよ、ゲームは人の役に立ちます!」
秋月紅葉は科学的根拠を示し食い下がる。
「例えゲームが頭良くしたとしても、それは休み時間か休日にしてちょうだいね秋月紅葉さん!!」
冬木雪江の話は当然だった。
「ゲ、ゲーム…」
秋月紅葉は床に崩れ堕ちる。
「後でちゃんと返すわよ!仕事して!!」
冬木雪江は子供に甘く子供大人に厳しい…?いやこれ当然の結果だ仕事しろ秋月紅葉。
「自業自得よ紅葉」
夏野七海はお喋りを止めて日誌の作業に戻った。
「ああ、七海氏…援護を……(グフッ)」
秋月紅葉は夏野七海を恨めしそうに見つめ。
「「「「ああは成るまい」」」」「でち」
ホスピタルパーティーはダメな子供大人、秋月紅葉を見つめた。
***
「よーし
三白眼は政治家をみかぎり、ゲームの世界への依存をあえて強める気だ。
「「「「おーーーー!!」」」」
チビ子が手を振り上げ、王子とゴスロリが眠り姫の手を持ち振り上げた。
「今日はどうするの三白眼?あっありがとうロリちゃん」
ゴスロリが王子の車椅子を押す。
「全然平気よ、王子君♪」
ゴスロリは楽しそうだ。
「王子今日は大橋ダービーだ!」
三白眼は橋向こうのチームとの試合を組んだらしい。
「ヒトマル、私の病室まで行って」
眠り姫は電動車椅子(ヒトマル)に命令する。
「オレ手伝ってやる」
三白眼が眠り姫を追いかける。
「あたちも!」
「お前は良いよ!」
「あたちもいく!」
「来んな!!」
「いくーーーーーーー!!」
チビ子もついて行きたがるが三白眼が嫌がる。
「もめないの!」
明日美お姉さん(眠り姫)が2人をいなす。
ホスピタルパーティーのいろんな所との戦いはこれからも続く。
ホスピタルパーティー 山岡咲美 @sakumi
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