分かり合えなくても、争わなくていい世界を夢見て戦う物語

 作品のシリアスな雰囲気に一気に飲み込まれて読んでました。

 そういう悲壮感というか、行き詰まってどうしようもできない状況に抗っていくという、そういう展開が肌に合う方には堪らない作品になると思います。

 登場する人物たちも魅力的で、主人公はもちろん、周りのキャラや、敵として現れる人物もそれぞれの思惑があって、自分の考えのもとで行動しており、それがより話に臨場感を与えてくれます。

 そしてそれは人物だけではなく、その人物たちが所属するソーサル、リベラシオン、ヘルシャフトのような集団や組織も同じで、またそれが作品の世界で争いがなくならない理由を形作っています。

 そんな世界に立ち向かい、分かり合えることはできなくても、せめて争わなくてもいい世界を目指してどうするべきか、その答えを求めて戦いへ身を投じる者たちの物語です。