番外編 自伝

「得体の知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた……」というのは梶井基次郎の『檸檬』の書き出し。


恋愛小説でありがちな「胸が締め付けられる思い」や、「胸がキュンとなる」という表現。人は恋に落ちると誰もがに襲われるのだろうか。鳩尾の少し上の部分から血の気が引いていき、どこまでも深いところまで己の感情が沈んでいく感覚。これがまさに「胸を締め付けられている」ように感じるのだ。


人生で最初の恋をした中学1年の時、私はに襲われるたびに涙を流した。授業中であろうが委員会で司会をしている最中であろうがお構いなしに、一瞬でもその人が頭をよぎるともうだめだ。


私の短い人生においては何度も訪れた。しかし、これほどまでに制御が利かず、痛烈なものは中学1年以来味わっていない。その人の行方を私は知らない。


読者の皆様はこのようなご経験はありますか?

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狂気と狂気が出会うとき HIASOBI @den_Studenten

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