古書に孕まれたのは、一つの痕跡。

 坂の多い港町の喫茶店に入った主人公。主人公の手には一冊の本。
 その本を目当てに、古書店の使いがやってくる。
 「その書籍を売ったのは間違いだった。
 代金は返すから、古書を戻してくれないか?」
 主人公は妙案とばかりに、大人用のお子様ランチを注文し、その代金を払わせる代わりに、書籍を返却した。そう、書籍は古書店に戻った。
 古書の中に挟んであった、一つの痕跡以外は――。

 味のある文体で、ノスタルジックな雰囲気の作品でした。
 皆様も、古書店で買い物をするときには、ご注意を。 


 是非、御一読下さい。

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