【異世界転生、いぢめられっ子だった俺に人生最大のモテ期襲来、でも、俺女の子になってます！エチエチな事がしたい一心で魔王を倒す事にしました（旧名ガンスリンガー）】

泉の秘密

「南、あなたずるく無い？」

声の主は泉だった

「い、泉」

心なしか南の声は狼狽ていた

「ずるいのはどっちよ。高野君に色仕掛けで迫ったりして」

「ずるいのは南の方でしょ？

　私が高野君の事相談した時、あなた、散々止めたし、高野君の事悪く言ったでしょ」

「だって、だって、泉なんて行かれたら、高野君が取られちゃうから......」

南の声のとーんが下がる

「だったら、あなたが先に高野君に告れば良かったじゃ無い

　それなら文句無いわよ」

「ら、らって」

南が噛み始めた。かなり追い詰められている

　南は計算高い子だった。それを南は恥じている

「あなた、高野君を狙っている一方で、計算してたんでしょ？

　高野君が成功者になるケースと人生の敗北者になる事を？」

俺は泉が言いたい事はわかった。南は俺の後を追って大学までくるつもりだった

　でも、南は俺が人生の敗北者になる未来も想定していた

　確かに、自殺しなくても、あのままでは敗北者になっていたろう

　勉強できても、頭が良くても周りとコミュニケーション取れない人間は敗北者になる

　南は俺の成長を待っていた。いや、値踏みしていた......

「あなた、高野君が天才だけど、コミュ障で人生でこける事を想定して

　高野君が成功したら付き合おうというずるい考えだったんでしょ？」

「そ、それは......」

南は言い淀む。図星だったんだろう

「私は高野君が人生で失敗しても構わない。一緒に貧乏な生活だって我慢する

　どうせ、私は元々チョー貧乏なのよ。あなたと違って」

泉の南を糾弾する言葉の中に俺は聞き逃せられ無い言葉を聞いた

　今、泉、なんて言った？

　泉が貧乏？

　それは、貧乏で体を売ってる娘が泉かもしれない事を示唆する言葉だった

「あなたは恵まれてるのに、なんでそんなに欲張りなの？

　幸せな家庭、頭もいい、容姿だって、みんなの理想じゃないの？

　私だって、あなたみたいになれたらって思うわよ

　あなたは人の事を気遣う天才でもあるのよ」

「わ、私、自分が嫌いだった。みんなに気遣う？

　違うの、単にいい子になりたかっただけ

　私、どうすれば、みんなが喜ぶか簡単にわかった

　でも、それで点数稼ぎする自分が嫌いだった

　あなたの様に素で、生きられて、皆から好かれるのが羨ましかった」

「何言ってるの？

　そんなの強者の考えよ。私達の事なんて南にはわからないのよ」

「泉、やめて。南は計算高い自分が嫌だったんだ。本当に泉の事羨ましかったんだよ」

「そんな訳無いわ。南は私の事蔑んでたのよ

　さっき言ってた体を売ってる女の子って私の事よ

　南に　バレているのは知ってた。渋谷でホテル街へ男と行くところ見られたから」

大きなショックを俺を包んだ。その可能性は高かった。

　でも、違って欲しいと思っていた

「私なんて何にも無いの、お金も、暖かい両親も、何にも」

「泉......」

南は何も言えなかった

「南も知らない事教えてあげるわ。私の初めての人はね

　お父さ

『バシーン』

大きな音が聞こえた。南が無言で泉をぶった

「泉、止めて。私があなたにした事は素直に謝る。私は卑怯だった

　でも、自分の事、それ以上言わないで

　お願いだから。高野君の事好きなんでしょ？」

泉は下を向いた。

　泉は怒りのあまり自分を見失っていた

　南が止めなければ一体何を言い出すかわからなかった。言わなくていい事を......

「泉、あなたに高野君取られても私は文句言わない。あなたは賢くて尊い子よ

　だから、自分の不幸を言わないで

　ごめんね。言いにくけど、あなたの様な境遇の娘は皆、破滅の道を歩むわ

　だけど、あなた、弁護士を目指してるでしょ？

　大学には自力で行くつもりなんでしょ？

　私はあなたを尊敬してるわ

　私だったら、あなたみたいになれないもの」

「南......」

泉は少し黙った

「ごめん。私も言いすぎた

　それに、私だってわかってるの。南が私の友達だから私はクラスでも目立つ様になった

　中学の頃は私孤独だった。学校生活が楽しくなったのは南が友達になってくれたから

　南が私の恩人なのは本当はわかってるの」

「それじゃ俺、今度から手順を踏んで、泉や南とエチエチすればいいだよね？」

「「違ーう」」

俺は南と泉の双方に酷く引っ叩かれた

やはり空気が読めない俺だった......