野口雨情考 演劇用資料

中学1年生の初心者向けの演劇資料です。この流れで立ち位置や台本作成、演出などを作っていくのがよいでしょう。


野口氏は1945年没、その歌詞も著作権切れですが、収益の出るイベントでは使わず、学校の練習などでお使いください。

小説ともども台本ではないのでモデルとなった人に敬意を払って改変していってください。

もちろん、内容は野口氏とその歌詞をもとにした創作ですので実際の歴史とは違います。

美しい童謡を残す機会となりましたら幸いです。


娘役のナレーターは、位置固定ではなく、ステージに上がって雨情たちに気づかれないように劇を進めていく感じとなります。

合唱隊はクラスの人数によって調整できるようにしてください。

演劇に慣れること、前に出るのが怖い子は合唱隊でならしていくのもよいでしょう。


演者 

野口雨情役 男子1名

雨情の妻役 女子1名

ナレーター(娘役)女子1名

友人役 男子1名

教え子役 女子1名

子供役  3名

合唱隊A 6名

合唱隊B 6名




①雨上がりの夕焼けの河川敷


雨情が不安定な感情で「しゃぼんだま」を歌っている。

ソロ:シャボンだま 冒頭のみ

ナレーター役の女の子が、雨情が天才的な作詞家であること、みつという幼い子供を最近失ったことなど状況を説明する。

妻が登場し、ともにうなだれている。



②公会堂


雨情の教え子が、子供たちと明るく歌を歌っている

教え子と子供たち合唱:しゃぼんだま 1番 楽しく歌う。

シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ 屋根まで飛んで こわれて消えた


雨情が登場し、悲しみながら歌う

雨情と合唱隊A合唱:しゃぼんだま2番

シャボン玉消えた 飛ばずに消えた 産まれてすぐに こわれて消えた


教え子は歌の意味を理解し、うなだれる。


③ 夕日の土手


ナレーターが雨情の現状を悔しがるように伝える。観客に向けて、それでもすごいひとなんです、と証城寺の歌などを紹介する。いい歌には口ずさむと天使(合唱隊)が現れる、ということを説明する。


そのあと、こんな歌もいいですね、と「ななつのこ」をうたいだす。

ナレーションソロ:ななつのこ

からす なぜなくの


雨情と妻、歌の出だしが聞こえた感じを出し、続きを歌う。


雨情と妻と合唱隊B:ななつのこ

烏は山に可愛七つの子があるからよ 

可愛 可愛と烏は啼くの

可愛 可愛と啼くんだよ

山の古巣へ行って見て御覧

丸い眼をしたいい子だよ


ナレーションが雨情の歌をほめたたえる。立ち直ってほしいことを語る。



①河川敷


 教え子がシャボン玉の歌の意味を理解し、雨情に立ち直ってほしいとくってかかる。悲しい歌をかえてください、と哀願する。雨情はそれでもたちなおれない。

 雨情は失った我が子に会いたいと独白。


 合唱団Aの一人がこのままではあえないね、と独白

 合唱団Bの一人が前を向かないとだめだよね、と独白

 ナレーション 会いたいひともいるのにね、と独白


合唱団A・B・ナレーションによる合唱:あのまちこのまち


 お家(うち)がだんだん遠くなる 遠くなる

 今きたこの道かえりゃんせ かえりゃんせ




①公会堂

 雨情と妻は教え子と子供たちに囲まれる。楽しそうにする子供たちを前におもわず「風風吹くな」

とつぶやく。雨情 元気いっぱい生きていってほしいと独白 


 全員合唱:しゃぼんだま


シャボン玉飛んだ屋根まで飛んだ屋根まで飛んでこわれて消えた

シャボン玉消えた飛ばずに消えた産まれてすぐにこわれて消えた

風、風、吹くなシャボン玉飛ばそ(雨情ソロ)

風、風、吹くなシャボン玉飛ばそ(全員)


ナレーター「いい歌だよ、大好き、お父さん、お母さん」

雨情夫妻「みつ」


舞台暗転して、上手に照明

先生(教え子)が子供たちに話している。

子供たちはしゃぼんだまのうたを口ずさむ。

子供たちは先生に、この歌、ちょっと寂しいね。という。

先生は、それでも優しい歌だということ、大好きな先生の歌なんだといって口ずさ

む。


舞台暗転して、下手に照明 

ステージの隅で雨情夫妻とナレーターがすわっている。

「しゃぼんだまとばそ」、と仲良く口ずさんで舞台暗転。


合唱劇終了

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野口雨情考 夏頼 @natsuyori_kiyohara

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