冒頭から最後までずっと転がったままの死体

ゲレンデデートに出かける幼なじみ同士の高校生カップルのお話。
上記の一文に含まれた各ワード(幼なじみ・高校生・カップル・デート等々)から期待されるであろうものがふんだんに詰まった、つまりは甘い恋愛ものです。好き。
なんというか、死ぬほど読みやすいです。細かく区切った章立てに(短編でこの構成はもうそれだけで圧巻!)、すらすら読めるシンプルな描写。ある種のユーザーフレンドリーさというか、とにかく物語をわかりやすく見せることに腐心しているような印象。その辺が物語の方向性とも噛み合って、とにかく楽しんで読めました。
章題が好きです。内容を端的に要約しているだけでなく、目次だけ眺めてもなんだかわくわくしてしまう、そんな絶妙な語感のよさ。全体的に前向きで、幸せな感じが良かったです。