内容の多さに加え、時々ある理屈っぽいところまでしっかりとアピールしている作品。
メインキャラ達の性格に色々難があるところも、しっかりと使い分けが出来ている為、評価できる良い作品だと思います。
ただ、余りにも尖っている部分が逆にファンタジー感を出しているんですが、リアリズムに拘りがある人だと、少し引っ掛かりを感じるところがありそうです。
また、ちょっと面倒そうな部分はカットが入るので、掘り下げない部分はサラッとした印象もあり、人によっては気に入らないかも知れません。
個人的にはとても良く考えられている作品だと思うので、一度読んで見てはいかがでしょうか。
ファンタジー世界の被虐待幼児に転生した主人公は、前世の知識で自立することを決意する。
雑学として身に付けていた料理や酒造の知識で生活基盤を整え、独学で魔法を修行し、身体を鍛え……ていたら、いつのまにか木刀で岩も魔物も一閃し、自律思考ゴーレムや戦闘車両を開発し、毒沼も火山も雪山も普段着で攻略できるようになっていた。
―――雑学チート!!!
ただ、「最初は知識無双系だったのにいつの間にか暴力無双になってた」のではなく、かなり早期からその方向性で進んでいくので、「何か思ってたのと違う感」は薄い。
安心できる雑学チート(暴力)だし、まっとうな雑学チートも時々あるので更に安心だ。
爽快ながら悲しく、切なくも愉快なお話。
他の方が言われるように改行は多めで読みにくさも少しあります。
そして主人公(少女)が意図的に男言葉を使っているので
読んでる途中に、どちらが言ったのか迷うシーンなどもありますが、
それ以上に相棒(おっさん)との掛け合いが毎回面白い。
《現実世界的には「お巡りさんこちらです」案件ですが(笑)》
異世界ハーレム物と違って安易なメンツ増加が無い所や
ヒロイン(?w)が相方に迎合するだけでなく向き合いながら
お互いが少しずつ成長するストーリーも良い。
これが1本目の発表小説とは思えない出来だと思います。
公開中の半分ほど読みましたが、結末まで見届けたい小説の一つ
というのが自分の感想です。