第32話 ゆるっと他薦 その7(短編/雪熱特集+α)
今回は自主企画【筆致は物語を超えるか『雪を溶く熱』】のピックアップです。投稿作すべては読めておりませんが、基準はいつもとおなじ。わたしの独断と偏見にまみれた『好み』です。優劣ではありません。
ということで。
雰囲気とかテーマとか、わたしが感じた系統ごとにほんのりまとめたりまとめられなかったりでご紹介。
〜共通のあらすじ(企画掲示板より引用)〜
しんしんと降る雪の晩。美冬の元に突然、疎遠になっていた幼馴染、秋人が訪れた。秋人は地元を離れることを告げると、立ち去った。翌朝、美冬は離れた所で秋人の旅立ちを見送る。やがてその姿が見えなくなった時、流れだした涙に自分の心を知るのだった。
――順不同――
【青春系】
☆薮坂さん作(現代ドラマ/三人)
ずっと一緒だった三人の、今までとこれから。始まりがあれば終わりがある。けれど、終わりは次の始まりでもある。すっと心に入ってくる、とてもやさしい物語。人によっては二倍楽しめるかもしれない遊び心も仕込まれています。
(全3話/約6,500文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898389810
☆物語る人さん作(現代ドラマ/青春)
テンポよくかわされる会話と展開が小気味いい、家族と青春と恋心。個人的に秋人のお母さんに助演賞を差しあげたい。
(全4話/約4,000文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897976616
【シリアス系】
☆泡沫希生さん作(現代ファンタジー/恋愛)
切ないです。それ以外言葉が出てこないくらい切ない。けれど読後感はどこかあたたかい。秋人の決意。それぞれの想い。秋人のお父さんも非常にカッコイイです。
(全4話/約10,000文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897963442
☆竹神チエさん作(現代ドラマ/微ホラー)
地に足のついた描写で自然と引きこまれます。幼かった日のすれ違い。過去の想い。現在の生活。そして未来。切なくも力強い物語でした。
(全3話/約12,000文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898091493
【スタンダード系】
☆いいのすけこさん作(現代ドラマ/思い出)
こちらは幼い日の二人の思い出にスポットをあてています。静かに、丁寧に積み重ねていく二人の記憶がこちらの心にも積み重なっていくようで、ラスト、秋人を見送る美冬の言葉にやられました。
(全5話/約8,500文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898025917
☆蜜柑桜さん作(現代ドラマ/老舗旅館)
数百年続く老舗旅館を舞台に描かれる恋と自立の物語。安定した描写とレトロな雰囲気が素敵。コメントなどでみなさんおっしゃっていますが、NHKドラマのようなお話でした。
(全3話/約8,000文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898630086
【熱血系】
☆lagerさん作(恋愛/音楽)
かっこいい女とかわいい男。ついぞ男女の関係になることはなかった二人のもどかしくも確かな絆。短くも熱い物語です。
(全4話/8,000文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897985446
☆ゆうすけさん作(現代ドラマ/元夫婦)
(全2話/約6,000文字)
ツンデレのお手本のような美冬さんがキュートな異国情緒あふれる物語。なのですが、すいません。じつは一番印象に残っているのはタグだったりします。笑
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898046203
☆えーきちさん作(現代ドラマ/ヤンキー)
いろんな意味でギリギリを攻めています。疾走感と愛嬌あるお下品さが素敵。車のことはさっぱりわからないので、途中暗号のように見えてきたりしましたが、ノリでいけます(どこに)ひたすら笑いました。
(全4話/10,000文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054902059194
【童話系】
☆水木レナさん作(童話/精霊)
詩のような、童話のような、民話のような、澄んだ空気感と短い文章のなかに、たくさんの想いを感じる物語。冷と熱。静と動。罪と功績。切なさとやりきれなさと、その対比が胸に迫ります。
(全1話/約600文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054902812936
☆増黒豊さん作(現代ファンタジー/季節)
切なさと、童話のようなやわらかな空気感がないまぜになって、なんともいえない素敵な雰囲気の物語。ラスト、美冬のセリフからの流れがとても印象的でした。
(全4話/約5,000文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898113657
【時代系】
☆穂乃華総持さん作(歴史/平安)
美しき姫と心やさしき武士。時代に翻弄された二人の恋を描く平安絵巻。穂乃華さんオリジナルの和歌も素敵です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897974586
【コメディ系】
☆宇部松清さん作(現代ドラマ/友情(?))
雪の描写がさすがです。そして、ちゃんとまじめなお話です。そのはずなんですが、なぜか吹きだしてしまう不思議な(?)物語。秋人がとても不憫です。思わず美冬と一緒に謝りたくなりました。
(全4話/約4,000文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897980747
☆肥前ロンズさん作(現代ドラマ/後悔)
しんみりしっとり進行する物語。しかし後半、思いがけない事実が判明します。それはすべてを凌駕しました。食べ物のうらみは怖いです。
(全1話/約2,500文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898112040
【別次元系】
……すいません。こちら別次元なのは内容ではなく、☆獲得スピードです(笑)いや、ご兄弟そろってすごかった。人気企画に人気作者さんが、読みやすい文字数のインパクトある作品を投稿したらこうなる。という好例を見たような気がします。
☆無月兄さん作(ラブコメ/残念男子)
クラスにひとりはいそうな残念男子。残念です。ひたすら残念。でも憎めない。きっとこれも青春。終始クールな美冬も素敵です。
(全1話/約3,000文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898105026
☆無月弟さん作(現代ドラマ/北国)
熱いです。かわいいです。いや、きっと過酷な旅が待っているのだと思うんですが。ほっこりびっくり楽しい物語。うん。なにいってるかわからないと思うけども(笑)真相は直接どうぞ。
(全1話/約3,000文字)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897945863
そして。作者としてだけでなく、読者としても筆致企画最大の功労者なのではないかと思っております、ゆうすけさんもこちらのエッセイで企画他薦をされています。なにげに読み手としての好みが似ているようで、紹介作も少々かぶっていますが、そこはダブルでおすすめということで。
『葉桜あれこれ、ときどき雪熱』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054896159046
そんなこんなで、すでに50作を超えています企画ページはこちらです。
https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054897933479
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