第3話 妹再生計画その3
まずはその芋ジャーをなんとかしないと……内面なかなか変わらないけど、外面はすぐにでもなんとかなる!
「よし、じゃまず服を買いに行くぞ」
「おーーー!」
早速芋うと、妹と買い物に出かける。
こうやって実行に移すと、段々やる気が出て来る。妹も俺も……。
「あ、見て見てお兄ちゃん! あそこの男の子二人、メガネ受けだようえへへ総受け~~」
「……」
訂正、やる気があるのは俺だけだった……だから総受けってなんだよマジで……。
俺と妹は地元のショッピングセンターに来た。
本来は渋谷だの原宿だのに行くのがいいんだろうけど……俺にも妹にも敷居が高過ぎて……。
「お兄ちゃん、先にここに入ろう」
妹がショッピングセンターの、とあるお店を前でそう言う。
「え? ああ、そうだな、行ってきな、ここで待ってるから」
「え? 一緒に来てよ」
「えーーーー!」
「お兄ちゃんが選んでよ~~~~」
「はあああ? それはさすがに……」
「だって、男の子ってどういうのが好きかわからないでしょ?」
「いや、それはそうだけど……」
「お兄ちゃん~~~~ねえねえ一緒に、えーーらーーんーーでえ」
俺の腕にまとわりつく妹、あああ、胸が当たってる……。
「もうわかったよ! すぐ買えよ!」
「わーーーい」
と言うことで……俺は妹とカラフルな布舞うワンダーランドに足を踏み入れた。
まあ、ただの下着売り場なんだけど……。
専門店ではなく、洋服売り場に併設されている下着売り場なので店員に止められる事はないんだけど、それでもやっぱり視線が刺さる。
ましてやここは家の近所、知り合いにでも見られたらまずい。
「ねえお兄ちゃん、どういうのが好き?」
「どういうのって、わかんねーよ、そもそもそんなに種類なんか無いだろ」
「うーーん、そうなんだよねぇ、じゃあせめて好きな色は?」
「えええ? って言われても……青かなぁ」
「フムフム、じゃあこれなんかいいかなぁ、どう? お兄ちゃん」
妹は制服の上から可愛らしいブルー基調の下着をあてがう、髪を切り清潔感が増し、可愛らしい顔で俺にそう訪ねる。
「まあ……いいんじゃない……かな」
「じゃあ、これ買おっかなぁ……ねえねえお兄ちゃんちょっとブラのカップなんだけど少し大きめ買った方が良いのかなぁ?」
「は? なんで?」
「だってさあ、お兄ちゃん私の彼氏作りに協力してくれるんでしょ?」
「ああ、そう言ってるけど、それとサイズと関係あるのか?」
俺がそう言うと妹は、は? みたいな怪訝な顔でとんでもない事を言い出した。
「だって男の子っておっぱい大きい方が好きなんでしょ? だったらお兄ちゃんが私のおっぱい大きくする為に協力してくれないと」
「――は?」
「だーーかーーらーー私のおっぱい」
「大きな声で叫ぶな、聞こえてる! てか、な、なんだそりゃ」
「え? お兄ちゃんが揉んで育ててくれるんじゃないの?」
「だから、なんで、は? みたいな顔してるんだよ! しねーーよ、なんでそんな事までしなきゃなんないんだよ!」
「だってえ、全然成長しないんだもん」
「揉んでもでかくなんてならねえよ! 都市伝説だ、良いから買ってこい」
「ぶううう」
俺はそう言うと妹は渋々レジに向かって行った……てか、バカだ、あいつはバカすぎる。
続いて服に靴、アクセサリーを買いに行く。アクセサリーは、まあ髪止めが良いかな? 俺は妹に似合いそうな髪止めを何個か提示した。
「お兄ちゃん選んで……私はどれでも良いから」
「そか、うーーーん、これかな?」
俺はあまり高くない、でも凄く綺麗なハートの髪止めを選び買う。
その袋を妹に渡すと妹は満面の笑みで俺に言った
「ありがと! 嬉しい……お兄ちゃんからのプレゼント、超嬉しい!」
「あ、ああ」
あれ、なんか俺、今ドキドキしてる……おいおい、待てよ、妹だぞ、なんでドキドキしてるんだ? まさか
「即売会で買えなかった総受けBL本が再販しますって告知があった時位嬉しい!」
「台無しだよ!!」
「えーー」
「えーーじゃねえ! 全くそのオタクなんとかならんか?」
「BLは私の魂だから、無理」
「魂って……」
「そして総受けは私の命!」
妹はそう言って可愛いポーズを取りなが俺にそう宣言した。
いや、握り拳を掲げて可愛くポーズ取っても駄目だから、てかマジで総受けってなんだよ!
ああ、勘違い勘違い、妹が可愛いとか無いから! 全然無いから!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます