「生まれて、弾けて、それが一つ」―—本文より。

 短編だが、情緒がある一作だった。
 男が主人公の前で話を話を始める。しかしそれは、前にも聞いた話ばかりで、主人公はつまらない。同じ喫茶店で、それぞれが同じ飲み物を頼む。主人公は決まって、レモネードを頼む。そして、レモネードの中の気泡の数を数える。数え方も決まっている。
 生まれて、弾けて、それが一つ。
 主人公はそうやって、一つ一つの気泡を数える。
 待っている時が来るまで、ずっと。

 是非、御一読下さい。

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