空からヒラヒラと降ってくる一枚の紙。そこには「今日死ぬ人」の名前が。

面白かったです!
あまりに面白かったので、読んですぐにレビューを書き始めました。

一行目からドキドキしっぱなしで、読み進めるほどにそのドキドキが高まっていくのがわかりました。

特に前半は、好きなシーンが多いです。
主人公が登場するシーンも、
田中さんのシーンも、
楓さんとの交流も、
リストを受け取るシーンも、
学校で楓さんを探すシーンも。

どのシーンもそれぞれ雰囲気が違うのに、どのシーンも面白く読める。
これってすごいことだなって思いました。
ちなみに私はリストを受け取るシーンが一番好きです!
もうね、情景が浮かんでくるんです。何気ないシーンなのに、これだけ印象的に書けるのってすごいなって思います!


主人公の素性が明かされたときは「なるほど」と思いました。読み返すとちらほらと伏線が張ってあるんですね。
特に、彼が見る「悪夢」の意味がわかったときは衝撃でした。

とてもセンシティブな題材を扱った作品なのですが、おそらく主題はそこにないのではないかと思います。
普通はそのセンシティブな単語を表に出して目を引こうとする作品が多いですが、この作品はそうではありませんでした。
まず、謎めいた主人公や不思議なシーン、人との交流を描くことで興味を引き、作品の世界観に浸ってきたところでようやくセンシティブな題材が出てくる。
そういう「ありきたりではない」物語の作り方に作者様のセンスの良さを感じました。とても興味深い構成をした小説です。これはぜひお手本にしたい。

それと、文章の改行がかなり少ない方だと思いますが、おそらくこれは作者様の文章力に対する自信の表れだと感じました。
たしかに、長くても改行が少なくても問題なく読めます。文章力めっちゃ高いです。

そして、一番衝撃的なのはここからです。

なんと作者さん、まだ高校2年生なんですって。
そんなにお若いのにここまで整ったお話が書けるのは才能以外の何物でもないと思います。

ただし、作品を一万字で収めようとしたせいでしょうか、後半がほぼあらすじっぽくなってしまったのがもったいない。
できれば3~4万文字くらいで読みたいお話です。

ラスト一行が綺麗にまとまっていて良かったです。
エンターテイメントとしてとても素晴らしい作品でした。

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