高校生の真樹と伊織を中心に展開する、淡く切ない青春群像劇

いやぁ、青春時代こんなだったら、楽しく、苦しく、だけど想い出になったろうなぁ。

高校2年の真樹は、どこか周囲の学生と馴染めずに鬱々と学生生活を過ごしていた。
そんなある日、クラスにやってきた転校生、伊織。
美少女故に周囲にも人気がある彼女だが、転校してきた日以降、何故か少しずつ真樹との距離を縮めてくる。

お互いがお互いを意識しつつも、親友の信や、伊織と一緒に転校してきた彰吾、無口な少女、芙美など、様々な生徒達と日常を過ごす中で、人間関係に悩み、お互いの気持ちに悩む。そんな群像劇が描かれていきます。

最新話なども読んでおり、あまりネタバレになってもいけない位連載の続く本作ですので、敢えて物語に大きくは触れませんが、とにかく言えることは、この作品の魅力はキャラもそうですが「丁寧な描写」に尽きると思います。

主人公、真樹として語られていく物語は、不器用ながらも優しすぎる彼の苦悩や、若いが故の心の昂りなど、本当に丁寧に表現され話が進んでいきます。
勿論そんな中で、仲の良い仲間達の苦悩や悲しみ、喜びなども表現として語られています。

また、普通の学生の毎日の日常を、飽きさせないように話を進めつつ、しかし丁寧に描いています。

そういった作品の密度が、より感情移入させるのですよね。

その表現力から「ライトノベル」ではなく、しっかりと小説として書き込まれている本作。
作者様も言われている通りの本格的、かつ濃い学園ものを求めている方は是非読んでみてください。

とりあえず、ハッピーエンドで終わって欲しいなぁ……。

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