農民商賈となる
昔、天子は自ら耕して祭祀のお供え物を捧げ、王后は自ら蚕を飼って祭服とした。これは、人の上に立つ者が農業をして、下の者を導いたのである。今、君主が貴ぶものは金銀珠玉であって、賤しむものは米粟である。貴ぶものは富強な商人であり、賤しむものは貧苦の農民である。君主が賤しむものは、人民も競ってこれを賤しむようになる。このため農民は商人になってしまう。役人がこれを禁止しようとしても、もともと君主が使令することなので、止むことがない。古い諺にも、「黄金珠玉は飢えても食うことはできない」と。今、基本を捨てて末端を好んでいる。実に愚かであると言うべきだ。
国本論 田中紀峰 @tanaka0903
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