カクサン

 サタンの尻尾が、千切れた。


 悶えるように胸を掻きむしるサタン。

 どうして尻尾なのに胸なの?


「小娘!」

「サンタだけど」

「サタンたる俺を畏れよ!崇めよ!」

「そのザマを?」


 鬼たちが一斉に間合いを詰めてきた。

 思い思いの武器を持ちサタンを手にかける。


 のこぎり、金棒、日本刀、鎖鎌、鉄球、素手、全員でサタンをなぶる。


「もうよい」


 炎魔大王が制した。


「特別独房に入れる。責め苦にすら遭わせぬ」


 そう告げて、サタンのほとんど死にかけた肉塊を錆びて一度閉めたら二度と開かないであろう小部屋に仕舞った。


 永遠の幽閉。

 死ぬことすら許されぬ。

 それを、東洋と日本の本当の意味での裁判長であり本当の意味での慈悲ある決裁を行う法の番人が、行いたもうた。


「サンタの娘」

「はい」


 地蔵菩薩が語りかけてきた。


「すまなかった」

「いいよ」


 思わずわたしは友達のような口をきいてしまった。

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サンタコス naka-motoo @naka-motoo

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