for tow Person...

「そうよ! 同じクラスの黒夜(くろよ) 来夜(らいや)よ!!」

そうドヤっと自己紹介をしてくるこいつは確か、女子カースト最上位に君臨しているグループのメンバーだったはずた。

過去にその女子グループのリーダーに告白された事のあるシタクサだった。

そのリーダーは学校でも有名な美女で他校からもファンがやって来るぐらいだ。

他人に興味の無いシタクサでも知っていた。

普通は告白を断るのは野暮だ。

だが、シタクサは知っていた。

女の恐ろしさを。

だから告白されてから迷うことなく…

(振ったんだよなー…。)

それから、そのグループには目をつけられている。

そのうちにヤンキーの兄ちゃん達が俺を殺りに来そうで面倒なのだが、大丈夫だろうか。

と、話がずれたがこの女は俺になんの用だろう。

と思いながら見ているも、その視界の端に映ったを見逃さなかった。

「俺行くわ! ホームルームが始まる! お前も早く教室に入れよ!!」

「ちょっ…!?」

それだけ言い残して、ライヤを置いていった。




「起立!…おはようございます!」

(ふぅ…ギリ間に合った…)

安心し、一息ついたシタクサは鞄の中から教科書や筆箱などを出す。

一限目は数学という嫌いな教科だ。

そして、先程、変な奴に朝から絡まれて疲れている体への負担がやばかった。

ホームルームを終え、数分後、数学教師が入ってくる。

「それでは、一限目の授業を始め…」

「遅れ…ました…!」

数学教師の言葉を遮って、息を途切らせながら入ってきたのはさっきの女、ライヤだった。

「よし、早く席に着けよ。」

「は、はい」

相当急いで走ったのだろうか、ライヤは疲れ切っていた。

そして、流石は女子カーストトップグループ所属。周りのみんなはそれを心配する目で見ていた。

そんな中、シタクサはだけは窓から体育をしている他クラスの事を見て、ライヤには無興味の態度を示していた。

「…!」

そんなシタクサをライヤは恨めしそうに睨む。

今日も一日、憂鬱な学校が始まった―――

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