宵待草のひと

つきの

宵待草のひと

貴方のことを今でも想い出します

一夜限りに散っていくあのはかない花と共に


浜辺を並んで歩きながら沢山の話をした

時間を忘れるような心弾むひと時

偶然、触れた手の温もり

そのが、わたしを怯えさせました


待っていてくださると知りながら

わたしは其処そこに、もう行けなかった

貴方をこれ以上知って

もっと惹かれていくのが怖かったから


あの浜辺にまた、花は咲くでしょうか

わたしたちの恋は実らなかったけれど

貴方が宵待草よいまちぐさと呼んだ

あの黄色の花びらをした可憐かれんな花は


はかなく散るからこそ

まるで

忘れられぬ想い出の形見のようで



 


「宵待草」 

待てど暮らせど来ぬ人を 

宵待草のやるせなさ 

今宵は月も出ぬさうな


*『Wikipedia』より引用

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