本当にその景色を見ているかのような、繊細な情景描写。茹る夏の暑さも海風に靡く髪も、しっかり瞼の裏に浮かびました。人物の一挙一動から伝わってくる心情が、題名のレモネードの通り、甘酸っぱい恋を鮮明に描いています。短編にしては長めの作品ですが、多彩な表現、文章のテンポの良さですらすらと読むことができました。今はどんな季節でも、青い夏が感じられる作品です。
青春小説の決定版と言ってもなんら過言ではありません。本当に鮮やかで行き届いていて精緻な、それでいて爽やかで軽やかで甘酸っぱい作品です。なんて恐ろしい小説、、、
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(137文字)
初めまして。拝読させて頂きました。情景が浮かんでくる文章が素晴らしく、自由奔放な先輩、志映浬と振り回される零時のキャラクターが巧く噛み合っていると思います。先輩に合わせようとして背伸びをしている零時だけど、『〇〇っス』という語尾でまだまだ子供というのが分かるのも良いです。ジメジメした季節に爽やかな物語をありがとうございました。
どこまでも自由で勝手気ままな志映浬に振り回される零時。レモネードを片手に笑う志映浬。鬱陶しく思うもなんだかんだで付き合う零時。鮮やかな情景を想起させる繊細な描写が、瑞々しい二人の青春を彩ります。最後に香ったレモンには、とってもきゅんきゅんさせられますね。本当に美しい、そして青々しい物語でした。おすすめです!
自由奔放な年上ヒロイン、振り回される年下主人公。付き合ってないつもりでいても、なんだかんだほだされて。さわやか風味からちょっと酸味多め、砂糖どっぷりでございました。ごちそうさまです。