第11話 世界の終わり
今日、私だけの世界が終わった。
勉強は得意。自分の努力次第で点数はとれるから。
でも人間関係は苦手。相手の気持ち次第だから。
そんなこと言ってた私の、小さな世界が今日ちょっとだけ崩れてね。
暗闇の中に光が見えた気がした。
キラキラモテ女子、翠ちゃんの世界とか。
自分なりの道を歩んでる、星奈の世界とか。
私には縁がないと思っていた世界との交差点に立ってみると、私だけの世界からは見えなかったものが見えた気がする。
――人生、失敗したくない。
――失敗はしたくない。だけど……
――一体何が「失敗」なんだろう?
学校行かないこと?
勉強できないこと?
コミュ障で友だちとか恋人できないこと?
親の言いなりで自分がないこと?
逆に、親の言うこと聞けないこと?
世界が終わる。
それは悪いことなんだろうか?
世界が終わったら、新しい世界が始まる。
どっちがいい世界なのか分からないけれど、前よりはちょっと広くはなってんじゃないかな?
「ねぇ、お母さん。私、漫画家になりたいんだ」
世界が終わるのは怖いけど、踏み出してみないと分かんない。
踏み出した先が落とし穴でも、落とし穴の中にも世界はあるんじゃないかな。
寺内敦子の受難 江野ふう @10nights-dreams
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
えの暮らし/江野ふう
★42 エッセイ・ノンフィクション 連載中 61話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます