格闘術×人間ドラマ! 「梧桐 彰」氏
創作のやり方にもいろいろあるけど「自分の実体験を活かす」ってのは良き作品につながる王道パターンと言えるのでは。また、この作者さまはタイトルがすばらしいので、ぜひ注目してください。紹介作品は上から順に古→新。
右カウンター赤道より (完)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880741861
文字数:109,687
あらすじ
インドネシアの首都ジャカルタでボクシングジムを経営する中年ボクサー「ロニー」のところへ、試合の依頼が飛び込んでくる。ジムに居候していた「アキラ」は無理だろうと言うが、普段は弱気なロニーがなぜか出ると言ってきかない。しょうがなく練習に付き合い始めると、チャンスがあることがわかってきて……?
紹介
作者さまに確かな知識があるのでしょう。ボクシング周りの描写が細かくリアル、そして試合シーンは迫力満点。また、人間ドラマとしても良質で熱い。不可能に見えたものが、実は希望があると分かる。つながる人の縁。疑いから信頼へ。集まってくる仲間と男の友情。
その色の帽子を取れ (完)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884535857
文字数:138,485
あらすじ
2019年。加速するサイバー犯罪に対抗できる人材が求められている世界。サイバーセキュリティ製品をあつかう主人公「ショウ」は、かつて同僚だった「サク」を探していた。ようやく再会したものの彼は犯罪者になっていて、さらに東京で大規模なサイバーテロが発生し……!?
SFではなく既存技術を題材としたハッカーたちの物語。作者さまは現役のIT関係者で内容が本格的。ぶっちゃけ「どれだけすごいのか」を理解できる人は少ないでしょうが、知識が無くても「何となく超すごい」とは理解できる。すばらしい筆力。ストーリー展開も本当に迫力があり、特に事件が起きてからの緊迫感には引き込まれます。
カネサダを北極星に向けろ (完)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883558979
文字数:110,652
あらすじ
武道の家系に生まれた主人公。剣道部に入っているが、いまいち部活の仲間と気が合わない……などと思いながら暮らしていたら奇病によって社会が崩壊!? 死体が人を襲う!? 愛する少女を救うため決死の戦いが始まる。
紹介
いわゆるゾンビものだけど「武道の達人が接近戦で切り抜けていく」という設定が、意外と珍しくて新鮮。作者さまの知識も豊富で戦闘描写にリアリティと厚みがある。また「ソンビ」ではなく「死にかけ」という独自の単語を使うことで、安っぽさが消えているのもグッド。こういう言葉の使い方に、作者のこだわりとセンスが出ますよね。
~~~「梧桐 彰」氏の特徴と魅力~~~
いや~、ほんとタイトルが素晴らしいですね
右カウンター赤道より
その色の帽子を取れ
カネサダを北極星に向けろ
語感が良く、詩情があり、実際に読んでみると内容を的確に表している。見事です。web小説は数あれど「このタイトル良いなぁ」と思う作品は意外と少ないもの。貴重な作家さまです。
もう少し分析してみると、「名詞で終わっていない」ってのがポイントでしょう。娯楽作品のタイトルは『○○の××』『△△な◇◇』みたいに名詞で終わるタイトルが多い中で異彩を放っています。
また、この3つの作品は途中で作品が回収されるのも大きな魅力。タイトルが回収される作品って好感度上がりますよね! 完成度の高いタイトル&美しいタイトル回収、「作品のタイトル」という部分については私が知る範囲では最高峰のセンスがある作者さま。
もちろん、題名だけの作品群でなく内容もおもしろい。twitterを見ていると作者さま自身がITと武道の経験がある様子。やはり作者に実体験があるとリアリティが増します。
そして、文字数も注目ポイント。3作とも10万~15万の間でまさに「本1冊」。何年も連載の続く大長編も良いものだけど、起承転結がはっきりした本1冊分の物語もすばらしいものでしょう。濃厚で高密度の時間を楽しめる。
タイトルの完成度・実体験を活かした緊迫感のあるアクションドラマ・本1冊分の文字量、何というかすごく自然な形で「作者の個性」が強く出ている人? 創作のスタイルが確立している。作者さま自身が実に良いキャラ立ちしてますね。
「梧桐 彰」さんのマイページ
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