EPA:3 エリュシオン 〈Elysion〉

 大析出以前に建造された軌道エレベータ〈ユグドラシル〉を中心としてその周囲に建造され、接続された計76基の人工島で構成された海上都市。


 現在、60基(モジュール60)までの開発は完了しているが、それ以降のモジュールの開発は中断されている。本来は80基までの建造・接続を計画されていたが、大析出による混乱で凍結されている。

 なお、計画凍結に伴い、手つかずとなったモジュール61~76は『廃棄街ロストエリア』と呼ばれ、移民や不法入国者が多く集まり、スラム街に近い状態になっている模様。


 元々このエリュシオンは次世代植民都市の先行試作モデルと、世界中にリアルタイムの無線送電と大容量高速通信によるネットワークを提供する『ウォーデンクリフ・システム』を組み込んだ軌道エレベータによる経済効果を狙って建造されたものである。そのため、大析出以前の先端技術が軍用・民間問わず応用したものが多数投下されていた。


 しかし、大析出後状況が一変。居住可能地域の侵食や、通信インフラの遮断によりエルティアが崩壊。この混乱に通じて大析出以前の科学技術を有し、潤沢なエネルギーを世界中に送信できるユグドラシルを狙った不特定多数の国々からの侵攻を受けることとなった(通称『楽園戦争』)。


 これに対しエリュシオン市民は抵抗を開始。一年間の熾烈な武力闘争を経て、北方皇国の進行に伴って結成されたアヴィリアへの技術提供と一部モジュールへのアヴィリア軍の駐留を引き換えに自治独立を勝ち取ることに成功する。


 今現在、エリュシオンとアヴィリア・アコードは友好関係にあるが、高度な技術力と、エネルギーの根幹を担う事によるアヴィリアに対する発言力の高さなども相まってエリュシオンに対する警戒心は決して小さくはない。

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エリュシオン・パブリックレポート・アーカイブス 深月 慧 @hukazuki

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