第8話
白羽が隣でウトウトしている。
その様子を横目で見ていた紅羽は、静かに笑みを零す。
くぁ、と小さな欠伸を漏らし、こちらに擦り寄りながら落っこちそうなまぶたをどうにかとどめようとしている。
片手は紅羽の羽根の裾をつかみながら。
眠っていいのに、と呟く紅羽を見上げ、「まだはなしてたいの」と小さな声で駄々をこね、きゅうっと抱きついてきた。
その様子がなんとも可愛らしくて愛おしくなり、紅羽はニヤけそうになるのを慌てて堪える。
そのうち幸せそうに眠った白羽を優しく毛繕いし、紅羽もまたまぶたを閉じたのだった。
寄り添いながら眠るものたちを脇目に、今日も月は夜空を照らす。
とある蝙蝠のお話 ハリト @Noho_wing
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