第21話 記者より
以上が現在までに判明しているキャロライン・ルルイエの消息をめぐる記録である。
いずれも信憑性に欠け、良識ある読者ならば一笑に付すような事柄ばかりかもしれない。
特にキャロライン・ルルイエからのボトルメールについては、テレビで特集が組まれ、ネットで話題になる度に、事態と無関係な人々によって無数の偽物が海に投棄されてきたのは紛れもない事実である。
しかし本書最後のボトルメールの発見と時を同じくして、キャロライン・ルルイエが向かっているとされる日本において、兵庫県の海岸に大量のイワシの死骸が漂着し、神奈川の海では本来の生息域と異なる猛毒のヒョウモンダコが確認されるなどの異変が相次いでいるのもまた事実である。
そして今、筆者が眺める東京湾では、二〇二二年の新年を祝うネオン看板が海面に反射して輝いている。
日本語訳 ヤミヲミルメ
キャロライン・ルルイエの消息 ヤミヲミルメ @yamiwomirume
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます