読者様と作者によるスピンオフ!

 王女のテハイザ行きも終わり、花の薄紅色の蕾が我も我もと開き始めた頃。シレアにはある報せが届いていた。

 何でも、先頃この国で見つかった妙な本が、品評会では選抜されなかったということだった。さもあろう、俊英が腕を競い合い、軒並み秀作ばかりの中に無造作に投げ込まれたかの妙な本である。荒波に耐えることはできなかったのだ。


 とは言え、シレアの正当なる後継者の一人であるカエルムと、忠実な従者について綴った本は予想以上に多くの人々の目に止まるという僥倖にめぐり合ったのだ。それは統治者(と作者)にとってこの上ない喜びである。(カクコン5、長編は落ちました

 がありがとうございます!)


 しかし、反面、年一度の機会に悔しがるものもあろう。

 シレアの者には目に見えず文字を綴った作者は、この稀有な書を読み通したK殿という御仁と同様、シレアの従者を思って次の会話を交わしたという。


 K(敬称略)「ロス君残念でした(←主人公じゃないところがマニア)」

 🍊「ほんとにね、私もロスは通過して欲しかったです。殿下はまぁ落ちても飄々としてそうですけど、ロスね。笑 ロス推しありがとうございます」


 この会話が交わされて間もなく、シレア城と繋がれた『ネット』という磁場では、ちょった(作者大喜びの)事態が、作者🍊🌸と、テハイザの端末を見守ったK(如月芳美)、U(宇部松清)両女史(以下アルファベットにて失礼致します!)の手によって織り成されていた——


 ——シレア城。書物の選定の結果を知り、落ち着き払ったカエルムを前にするロス。


(ここより合作スピンオフ開始。ほぼ台詞のみ抜粋にて失礼します)


(Kさん)

 殿下:まあ、いいじゃないか。次があるさ。

 ロス:あんたがそんなだからダメなんじゃないか。全くもう!!

(相変わらず殿下を「あんた」と呼ぶロス)


(🍊)

 殿下「まぁあの話では妹が出て来ないし」

 ロス「だからその妹バカはどうにかならないんですか! 姫様、そこ笑わない!」


(如月さんと宇部さんの間でロス推しが浮上。さてシレアは一夫多妻性は平気なのか、議論勃発)


(🍊 実況)

 ソナーレさん、ライバル多いよ?!

 シレアは今のところ多妻は認めてない気がするんですけど殿下に頼みますか 笑

 ていうか殿下、お嫁さん取りにくそうー


 殿下「それでは妹つきの侍女を」

 ロス「そこ冗談言わないでください」

 殿下「冗談だ」


(Kさん)

 ロス:いい加減そのシスコンどうにかしてください!

 殿下:シスコンって言うな

 ロス:あんたがシスコンでなかったら何がシスコンなんだ!シスコンの定義!

 U・K:もう殿下なんかほっといていいから!

 ロス:ほっとけるかー!


(Uさんの参戦)

 殿下「シスコンというのは、つまり、妹に対して強い愛情、ないしは執着を持つ状態を差すわけだが――」

 ロス「わかってるじゃないですか」

 殿下「しかし、ロスよ。血を分けた妹に対し、ひとかけらの愛情も執着もないというのはいかがなものかと」

 ロス「殿下の場合、ひとかけらじゃないんですよ!」


(🍊)

 ロス「どうしてこう、自覚ありますよね? 遊ばれてますよね、自分?!」

 殿下「上手いこと合わせてくれる従者がいると助かるよ」


(Kさん)

 ロス:殿下はそうやって飄々としてりゃいいですけどね、こっちの身にもなってくださいよ。

 殿下:人にはそれぞれ役割というものがあるじゃないか。

 ロス:自分はシスコンの従者になったんじゃなくて、殿下の従者になったんです!せっかくの立派な肩書をなんだと思ってるんですか。

 作者:私の趣味♡


(🍊)

 殿下:肩書きなんて別に不要だ。あんなに多くの方の目に触れて、お前もあんなに人気投票で得票して、問題なかろう?

 ロス:一位掻っ攫った人が言う台詞じゃないですね。自分はいいんです次席で。主人の上に立つとかいりません


(合作スピンオフ了)


 おそらく本人も無意識なのだろうが、口をついて出てしまうのが主人への信頼やら忠義やらなのがこの従者の悲しい(?)性である。

 なに、案ずることはない。番外編でも優遇されているし、何よりこれだけ読み手の方々に話を紡いでいただけるのだから。作中では苦労するだろうが、作品外では最も幸運ではなかろうか。


 作品内でも幸あれ。



 ***


 と、ここまでのはですね、カクコン5の発表当日、Twitter上で如月さんと冒頭のやり取りのあと、お二人と共にこんなに楽しい嬉しいスピンオフが出来上がっていきました!


 如月芳美さん、宇部松清さん、本当にありがとうございます! 

 幸せ者だなロス、といいつつ一番喜んでるのは私です。

 お二人ともこちらでも作品をご紹介しました作者様です。

 如月さんは長編、宇部さんは短編で中間参考に作品が残っておられます! 

 宇部さん通過作品


『夫婦揃ってトラックに轢かれたけど、俺の愛妻が見当たらない』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054883420258

『高男子力男子のすゝめ』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054892266643

『アデレナお嬢様はやってみたい』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054892995366

 高男子は私も読みたくてまだ読めてないのですけれど期待大。


 如月さん通過作品


「よんよんまる」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885789358

「三十五年目のラブレター」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054888458162


 こちらはご紹介済みかと!


 素敵な作品をお書きになるお二人ですので是非、お二人の作品の方にもいらしてみてください!


 最後に、結果は落選でしたが、『天空の標』を読んでいただき、応援やレビュー、お星様ありがとうございました。




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