カクヨムコン、そろそろ終盤な他薦

「うーん、やっぱりものは新鮮なうちかも」


 姫が供された料理を頬張る。成長期なのでよく食べる。伸び盛りでドレスの新調が多く、針子たちは毎年嬉々としているくらいだ。


「少し時間おいてからの方がうまいものだってあるでしょう。姫様は熱いのすぐ食べるから火傷するんですよ」


 下男は伝達書類を机に置くと、自分も椅子を引いて腰掛けた。卓上にあった献立の書かれた板を手に取り、上から品を読んでいく。その動いていた目が、途中で止まった。それに気付いたカエルムは手を上げて女将を呼ぶと、下男の視線の先にあった品を頼んでやる。


「あ、殿下すみません」

「働き通しの上に走ってきたんだ。少しくらいの休憩、大臣も怒らないだろう」


 再度、礼を言うと、湯気のたつ濡れた布で手を拭きつつ、下男は城の様子を伝えた。祝祭の準備の一環で、城に大量に書物が入ってきていると言う。その内容には、カエルム達も思い当たるところがあった。


「それはさっきの変な書物の中にあった題名と似ていないか?」

「ああ、どんどん増えていっていた一覧みたいなものね……」


 自動的に文字数を増やしていた書物に、一枚の帯状の紙が挟まれていたのを三人は思い出した。何かの題名のようなものが、次々に増えていたはずだ。

 下男は怪訝な顔をしながらも先を続ける。


「面白いの多いですよ。ちょっと抜き出したのを持たされました。姫様にはこれとかいいかも」


「僕たちの帰り道/ゆうすけさん作

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054887228491/reviews/1177354054893767405


「うわぁこれ、憧れちゃうわね、この自転車っていう乗り物もいいな、シレアにあったら便利そう。馬の代わりにこういうので素敵な物語が起こるかもしれないじゃない? それにしても、こんな恋愛してみたい〜!」

「無理でしょ、まだ」

「何よ失礼ね、こんなにきゅーってハラハラするのに……そうだ、一途な若者がいないからいけないのよ」


 言い合う二人を他所に、ロスは下男の持ってきた紙切れをひょいと取り上げた。


「あ、それはソナーレさんがロスさんのところに持って行ってました。検閲済んだので」


「三十五年目のラブレター/如月芳美さん作

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054888458162


「美術品が素晴らしいものばかりだな。馴染みのあるものも多いし」

「割と芸術好きでしょ? あと、謎解きも。推理とか。長い話も」

「ああ、よく読むよ。そういうので鍛えとかないと、殿下の考えているところについていけない。言外に何考えてるのか読み解くのに」


 言われた本人は聞こえているはずなのだが、しれっと酒を飲んでいる。仕事が控えているはずだが、酔わないのがカエルムである。従者の視線を無視してもう一つの題名を指差した。


「これは、題名からして子供向けか? 短いのか」


「猫にゃん様は語らない/水凪 らせんさん作

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054893237533/reviews/1177354054893620811


「いや、そうとも限らず、年齢層問わずに読めると思います。十代後半の恋愛ものですね。これも。でも目を通したらこれは、登場人物がどれもすごく、そのですね、性格や行動が……」

「可愛かった?」



 恥ずかしげに言いにくそうな下男に代わり、王女が代弁した。どうやら当たっているらしい。これならスピカも気にいるか、とカエルムも微笑ましく思う。

「これだけいいものが揃っているのだから、それぞれ内容についての感想も書いてみたくなるな。多くの方の目に止まるといいと思うし、祭りも活性化するだろう」


 ***


 はい、先ほど仕事に一区切り今日は店じまいしました! もう、最近一つ終わって何かこの隙に……と思うと他のが舞い込んでくるのですよ。というかこのサイクルが去年から続いていて、タイミングがなかなかに悪いです。でも仕事はやっぱり好きですから、その意味で幸せ者ですが。


 というわけで作中他薦でした!


 ゆうすけさんのは恋愛もの、一気読みしちゃいました。これぞ青春な(のかな、と思って憧れて読みました。女子校育ちなので)作品。登場人物の中で、主人公の力になってあげる友人とお姉さんが素敵です。かっこいい!


 如月さんのは、以前ご紹介した「よんよんまる」も本当に好きでした(筋に関係ないマニアなコメントにも対応してくれる如月さんも優しい)が、こちらもまた! 絵画が多く出てきます。そして如月さんのお話は文章が読みやすく、その中でさりげない表現ながら、人物の性格描写が巧みです。


 水凪さんのお話はとにかく可愛い! 全力で心鷲掴みにされました。短編なので多くは語りません。とにかく読んでみてください。かわいさで、読んでいる最中ずっと可愛い可愛い言ってしまうから!


 お祭りの終わりが近いですね。宣伝て自分の作品、宣伝しつつも、やっぱり自信ないんですよね、どこか(ほら、人に言ってもらってって匠さんも言ってたでしょ(←自作の話で失礼))。

 そんなで宣伝もおこがましいと思うときもいつもなのですが。(ちょっと疲れました)


 しかし、せっかくお祭りに乗ったのだし、うん。気に入ってくれる方がいるかもしれないのでやってみようと思っています。出品しなきゃわからない。


 そんな感じで最後に自作も貼り付けて終わります。

 完結長編はこの体験記前半に彼らが話しているのでいいとして。


 短編だけちろりと。


「一夜のキリトリセン」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054890928789


「魔法の隠し味はいつも君が」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054892910261


「未来世界以外全部真実」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054893726430


 そうだ、自分の応援コメントが1000になりました! いつも煩かったらごめんなさい! でも思いの丈はどうしても出ちゃうんです。私が応援コメント書いてもらうと嬉しいのもあります。

 そういうわけで、レビューは書こうよ、がこちらの一式さんの一品。


【参考にならない】レビューやコメントの書き方【出張徒然】

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054892328985


 すごく参考になります。


 それではそろそろ2時ですね。多分、少し読む読むしてから寝ます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る