お祭り疲れ、でも自分らしく
そろそろ料理屋の窓を彩る紅の光も弱くなり、逆に藍色が濃くなってきた。日が暮れたのだ。
冬も本番になる。寒さが増すごとにシレアの雪は深くなる。
秋の豊穣祭がシレア一番、活気のある時期。それを過ぎたはずなのに、今年は即位式の祝賀の雰囲気も手伝って、街には異常な熱気が立ち込めている。
「このお祭りの高揚も、長く続いたわね」
店を出て石畳を踏みながら、王女がぽつりと呟いた。
「まだ終わってませんよ。もう少しかかります」
「姫様と……特に殿下は前に出てるのだから気張ってもらわないと」
下男とロスは、お互い諸々の仕事に始終城内を回っている。最近はあまり寝てないらしい。
「うーん、私は表には出てないから、自分が気に入ったものを好みのようにみんなに知らせて回ってるだけだから大丈夫よ。みんながそれに賛同すれば楽しいし」
王女は何でもないと笑いながら言うものの、一番の当事者である兄をちらと見た。それに気付くとカエルムは苦笑する。
「すまない、ロスたちの手前こんなことを言ってはいけないけれどな。疲れていない、と言えば嘘になるよ」
それはそのはずである。何せ、テハイザへ行き、彼の地での問題に対峙し、さらにシレアに戻っては政務やら外交やら即位式の告知やらがあったのだ。他国からの逸品の吟味と推奨も、姫と共に行なっている。
「でも、シレアの即位式はなるようにしか運ばない。私がまだまだ物足りぬ若造と言うものもいるだろうが……他国に逸材が揃う中で認めてくれる声があるだけ、十分ではないか?」
「まあ、それもそうね」
城下の街路に灯りがつき始める。戸外に漏れる光は温かい。
***
こんぼんは。コンテストも終盤ですね。先週あたりから完結作品も増え始め、どどどっとレビューも増えている気がします。
私の作品は、と言えば、一月頭の完結時にどん、とランキングが上がりましたが、あっという間に131位まで転落。うん、やっぱり気落ちはします。
Twitterなどで宣伝してみますが、まぁ当たり前だけれど宣伝しても来る方は来る、来ない方は来ない! 効果的なのやり方も知らないですし、一喜一憂してたら疲れモードになってきました。
あ、でもですね、このおかげでいろんな作品に出会えたのはすごく楽しいなって。今でもいくつか掛け持ち読みしていますが、書籍では手に取らないようなものも読んで、とても面白くて。今まで他薦してきたものも、コンテストのおかげで出会えました。
それらを他の方も読んでると、読んで! 後悔しないから!!
というおもいでレビューしてます。下手くそレビューでもいい、レビュー有りの方がランキングには効果的なら読者選考にも、と。
自分の方は、長編でお祭りに初参加、自分はあまりこう言うのに飛び込んだのは向かなかったかなー? とも思ってしまいましたが。
自作が面白い! って勧められる? というのは、やっぱり読み手に聞かないと分からないので。宣伝してるけど、してるととても歯痒い。
でも、ですよ。もう一度この表現しちゃいます。
考えてみるとすごいことだなって。
私がそうであるように、全然別ジャンルを書いている作者さんが私のファンタジー(しかも魔法とかほぼない)読んでくださっている。
自分がこの人、すごいなぁって思うファンタジーの書き手さんがフォロワーにいらっしゃる。
これ、すごいなぁって。
今の状況だと、読者選考は(残りたいとは思うけど)無理だとは思いますが、上記の理由で、お祭に参加したのも一役買いつつ殿下の話がこんな短期間で成長しているのは、幸せなことだなと思ったわけです。
自分の身の丈に合った、大きな収穫なんじゃないかな、と。
完走の方が他にも出てくださることを願いつつ、明日からは長期で出張。
お仕事も落ち込むことが多いけど、仕事も小説書くのも、好きです。
下向きな回になりましたが、こちらも併せて読んでくださる方々に感謝しつつ、久々の旅で思い切り仕事してきます!
こういう時に魔女の宅急便、キキの言葉はしっかりな言葉です。
それではまた♪
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