キャスティング

 石畳を一行は城の方へ戻った。着いた頃には夕陽が地面に影を伸ばしていたのに、もう足元は暗く、代わりに灯火がぼんやりと家々の窓を透かして漏れる。


「テハイザの街灯は、シレアとはまた違う趣きだったな」


 ロスがぽつりと呟いた。大変なことばかりの秋の外遊の中で、正直なところひととき楽しませてもらった夜を思い出す。


「また行ってみれば?」

「姫様、簡単に言いますね……っと、姫様によく似た女の子がいるって、話しましたっけ?」


 うーん、と空を仰ぎつつ、王女は首を傾げる。


「聞いたけど、何度も。でも自分がどんなかわからないから、自分に似てるってわからないわ」

「ああ、それは確かに言えるかもしれないな。自分を他の人に当てはめようとしても、なかなか……」


 こちらも顔を上に上げたカエルムが相槌を打った。段々と光を強める星々の中に三つ星の星座を見つける。


「「あなた方二人は似過ぎです」」


 下男とロスは、異口同音に、肩を落として言い放つ。


「それは嬉しいわね」

「それは嬉しいかな」


 紅葉色と蘇芳色の瞳が同時に振り返る。角度も速さも全く揃うものだから見事である。


 ***


 こんにちは。時間間違ってないですよ! エッセイには書いてますが、いまロンドンに来たところなので。機内で思いついたことを書こうと、ピカデリー・ラインで前半のネタを引きずり出して書いています。


 何思い付いたかってキャスティング。前に50の質問企画に答えたとき、登場人物をキャスティングすると? という質問があったにもかかわらず、よく理解していなくて私は誰も俳優さんをキャスティングしなかったのですね。

 皆さんやってみたりしたことあります? もしくは、実在の人物が登場人物の雰囲気のモデルになったりなど。いわゆるアテ書きですね。


 普段、どの役者さんかな、なんて全然考えないのですが。イメージがそう固定してしまうのもなぁ、と思って。

 しかし機内で映画見ていたら、カエルムは思い付いてしまいました。あくまで第一案ですし、読者様のイメージはそのままであってください(でも思い付いたらあ、これはぴったり? かもとね。役者御本人にも失礼だったらすみませんですが)


 引き延ばしが長くなりました。イケメン天然たらしの異名がついた主人公の王子は(違いますよ! 本人は浮名を作ろうと思っているわけではないです。至って真面目、天然です)


 僭越ながら。恐れ多くて書きにくいな。でも思い切って書くと。


 ディーン・フジ○カさん。


 今回見たのは三谷幸喜さんの映画でしたけれど、『空飛ぶタイヤ』の時も頭の切れるクールな役だったなーと。ポジション的にはロス役が多いかもしれませんが、ロスはポーカーフェイスでは無いので。


 コンテストも終盤も終盤。完結組も増えてきていますね。つい先日と本日、このエッセイでも紹介してきました宇部さんと坂井さん、竹神さんの長編が完結。お疲れ様でした! 


 私のは一月頭に終わったのですが、ありがたいことにフォロワーさんはそこから増加。段々と最終回に迫ってきている読者さんがちらほら。嬉しいです。さあ、さあっ! と応援マークを見て喜んでいます。はじめスロー展開なので、続けて読んでくださるって嬉しいですね。

 新たに読み始めてくださった方もいらっしゃいます。フォローには至っていないみたいですが、読んでくださると嬉しいなぁ。


 この体験記を見て、まだの方もぜひ!!


 しかしキャスティング書きたいだけに、しかも一人だけなのに、前半の小説部分に気を抜けない。カクヨムコン終わったらこんなに気軽に小説書けるのも終わりなのは寂しいなぁ。

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