「旅猫リポート」を読みました、感動しました。
僕の敬愛する有川浩さんの旅猫リポートを読んだので少し感想を書きたくなりました。
今は[有川ひろ]名義のようですね。
読んでもらいたいのでなるべくネタバレは避けます!
本書は、ある野良猫の目線で物語が始まります。
読み初めて今までの有川浩さんになかったパターンだったのでもう既にワクワクしていました。
冒頭の流れは、その野良猫がある事件をきっかけに主人公のサトルという青年に飼われるようになるという感じです。
主人公のサトルには両親がおらず、幼少期から転校を繰り返すことになります。その転校先で出会った友達に、愛猫となったナナを引き取ってもらえないかということで車で各地に旅をするお話です。
猫が飼えなくなったから引き取ってもらえないかという相談をする主人公ですが、なかなかその理由は出てきません。それでも、理由を言わないサトルと旅先で待つ友人達との優しいやり取りと過去のエピソードも素晴らしいのですが、何よりナナ目線で主人公達人間のやり取りを切り取り描くことにより全体的な雰囲気がゆるくて面白く感じます。
そして、ラストのわずか50ページで一気に引き込まれて、涙腺が崩壊しました。
僕はラスト50ページを朝通勤中に電車で読んでいたのですが、サトルを引き取った叔母さんに感情移入しすぎて明かされる真実を受け入れていく度に大粒の涙がこぼれました。ほぼ号泣という形になり僕は本を閉じました。これ以上は人前で読んではダメだ、と思ったのですが我慢できず会社で号泣しました。
悲しい結末なのに、サトルと友人達の温かなエピソードと絆、サトルの愛猫としてのナナの生きざま、そして何よりサトルという人間の全てが優しい気持ちにさせてくれます。
読後の幸福感は素晴らしいものでした。
文庫本もありますので皆さんも是非、読んでみてください!
大人だって自由帳 詩章 @ks2142
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