復刊『Animec』感想(4)

北川エイジ

第1話

○ガンダム40年のドラマ


世界情勢とガンダムの歴史をつづる内容の当記事は、結果的にはこれでよかったと思います。

最初に予想した〈観てなくても観たような気にさせる特集と批評群〉ではありませんでしたがそうなるわけもなく本誌実物のサイズ、厚みを目にすれば予想と違うのはすぐにわかること。

復刊のテーマが再現にあることは明白でした。


世界情勢の記述という点がもしかしたら核となっていて、批評するとしたらこの点なのかとも思いますがここではやりません。

知らない作品も多く、規模の大きさを初めて認識するにあたり、さりとて後悔などもなく、総括すれば長い長い実験と試行錯誤の物語とも思え、

作り手の方々や支えてきたファンの方々に頭が下がる思いです。

これって簡潔に述べると

〈ガンダム文化〉ですよね。

よく云われる子どもと大人の中間地点を扱う、世界標準からすれば特異な文化という日本のコミック、アニメーションの特徴をいかんなく発揮してるわけです。


日本のサブカル全体の特徴としてあるカウンター性の希薄さはしかし、海外の視点からは日本の特徴そのものが世界標準へのカウンターとなっている、という困った仕組みによって弱点とはならず、むしろ経済論理から言えばこちらの方に強みとなって返ってくると。

批評という概念がもはや古い概念なのかも知れません。とっくの昔に宣伝として位置付けられ、いまではとりわけ映画の分野ではレビューもまた作品の一部であるという時代。


復刊アニメックが、時代を読んだ一手、であるとしたら面白いですね。


昔、富野さんはこう言ったわけです。

「Ζは現実認知の物語なんです」と。

当時はそりゃないよ富野さんと思ったものですが、いまではまあ分かります。

宮崎監督への・・いえ、宮崎作品へのカウンターとならざるを得なかった富野さんの物語が最初のガンダム以降のガンダムの歴史と捉えるのなら、

まあ分かる、といったようなセンチメンタルな解釈としてです。


でもガンダムの力なしにナウシカの連載はありませんでしたから、おあいこのようなものです。


なあんてことをとめどなく考えさせてくれるガンダム特集でした。







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復刊『Animec』感想(4) 北川エイジ @kitagawa333

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