14話 気持ちい歓声!

【円形競技場にて】(しぃ)



さーしゃは真面目な顔をしているが、わたしのお尻に対する愛情が異常だ。

学校でも「思惟ちゃんのお尻♪」と冗談でやってる風を装っているが、目がマジなのだ。


わたしが生まれて初めて見た狂気が、そのさーしゃのマジな目だった。


しかし、お蔭で?お尻の方から力が上がって行き、力が全身に満ちてきた。


わたしは強い!

そう、わたしはそれは知っていた。

さーしゃと繋がると、わたしの身体はハイパワーに成ることを!


高校の入試会場でやってもらって、高校合格を果たしたのは事実だ!


わたしとさーしゃの相性が最高だからこそ出来る技なのだが、人前でされると、さすがに恥ずい。




「このド変態スク水!わたし以上の変態を久しぶりに見たわ!」

憤怒しリリンが挑発したが、事実なので言い返す言葉が見つからず、出た言葉が、


「やかましいわ!尻丸出しの女に言われたくないわ!ぼけ!」


その勢いでハイキックを放つと憤怒しリリンは、腕で受け止めたものの、吹き飛ばされてしまった。


歓声ではなく驚きの静寂が会場を包んだ。

相手は憤怒しリリン!

細身の女子高生が、格闘家の憤怒しリリンを吹き飛ばしたのだ。


一瞬の沈黙の後、会場は歓声に包まれた。


気持ちい歓声!

会場中の力がわたしに集まって行く気がする!


しかし、ハイキックの決まり具合が、異常だった。

もしかするとセンスある?


わたしはすぐに攻勢に出た。

起き上がろうとする憤怒しリリンの頭部を目がけて、蹴りを入れたが、またもや腕で塞がれてしまった。

相当早い動きだったはずなのに。


「スク水ー、なかなかセンスのある蹴りじゃない」

憤怒しリリンに褒められた。さらに、

「でもね~本当の蹴りってのは、こうするのよ!」


憤怒しリリンの蹴りが飛んできた。

わたしは憤怒しリリンと同じように腕で防いだ。

それでも振動が全身に伝わり、体勢を維持することが出来ずに、吹き飛ばされた。


「!」


さーしゃの変態行為で【はいぱーしい】になったとしても、それは互角になったに過ぎないのか。



どうする?

わたし?


わたしの視線の先に、可愛く清楚なさーしゃの姿が見えた。

その姿は、わたしにとっては、世界で一番可愛い少女だ。


そう言う事か!



つづく



【スク水シーサー・陣営】

しい

さーしゃ


琵琶の音関


【月の輪インフェルノ・陣営】

憤怒しリリン

憤怒しロゴス


ボクサー葛城留美

忍者のコスプレちゃん




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スク水シーサー  健野屋文乃(たけのやふみの) @ituki-siso

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