第四章 再会 パート4ナギサイド
取り敢えず、カチュアたちは宿屋に入る。
「もう酷いよ!」
カチュアが涙目になっている。カチュアの涙目なんて始めてみたかも。
ロゼッタとかいう名前だっけ? カチュアの赤くなった、胸元をみて。
「あー、胸元に赤いお尻があるのはなぜ!」
「ひどーい、お尻じゃないよ」
「あー、そうでした、自慢のお胸でしたね」
「好きで大きくしたわけじゃないんだから」
頬をふくらませているよ。完全に怒っている。
いつものカチュアののんびりした喋り方がどこにもない。
何気に怒った顔をしたカチュアも見たことがなかった。
「じゃあ、邪魔」
「戦いには困ったことはないかなー」
「え! なに? 胸が大きいコンプレックスはないの? 全然気にしないの? よく、肩が凝るって聞くけど、あれ嘘な? それをよく聞くからいらないと思っていたのに戦いに困らない? だったら、欲しいんだと。神様不幸すぎる。幼馴染をこんなに実らせて」
ロゼッタの目が怖くなってきた。てか、病んできていないか?
「多分、それ、カチュアさんだけだと思いますよ」
ルナが助言をするも。
「カチュアよりデカい人見ないんだけど、そのカチュアが気にならないってどういうこと? どういうことなの?」
さらに悪化しちゃった。
「なんか、こわいよ」
ユミルが怯えている。
「こんな、ロゼッタさん見たことない」
「二人は仲いいのね」
「こんな状況で仲がいいと言えないと思いますが」
「よく言うですよ。喧嘩するほど仲がいいって。喧嘩ができれば仲良しってことだよ」
それは本音が言い合えるからってことだと思うんだが。
「エドナさんって、かなり天然ですよね」
「なんか、おかしいこといった?」
カチュアとロゼッタのやり取りから二時間後、ロゼッタはようやく落ち着いてきて。
ロゼッタは椅子に座り、深呼吸をした。
「すいません、取り乱してしまって」
さっきまでのロゼッタとは別人のように凛々しい感じがする。
「ルナ、あなたがここにきたのはお兄様のこと?」
「・・・・・・はい」
「この街にきてはいます。けど、あまり私たちの仕事に負傷がないように。あなたがお兄さんが無茶していないか、心配なのはわかりますが」
「この街に何かあるんですか?」
「ゲブンって、知っている」
「確か【八騎将】の一人ですよね。でも、村長さんからはあまりいい話は聞かなかったかな」
「【八騎将】の半数以上はいい噂は聞かないわ、ゲブンもその一人」
いや、それでよくやっていけたわね。この帝国は。
「ゲブンはこの領地を収めていて、かなり金使いが悪い。この街の賭博場を主催しているのです」
「賭博場?」
「ゲブンの場合は【魔物】同士を戦わせて、どっちが勝つかを駆け引きするところよ」
「! 【魔物】同士を!?」
「問題はその【魔物】の出どころ」
「どういうこと?」
「以前のセシル王国の【魔物】騒ぎ。その【魔物】はゲブンから買い取った可能性がある。いや、その騒ぎを起こした連中からゲブンが買い取った可能もある」
「そんな・・・・・・」
「そのためにも、奴の不正の証拠を得らないと」
ロゼッタは席から立ちあがった。
「それでは、私たちはこれで。それと……」
ロゼッタがカチュアの腕を掴み。
「カチュアを借ります」
カチュアを引っ張って、宿屋から出る。
誰も通る気配もない、街の裏道というのか? カチュアはその場所に連れてこられた。
「カチュア、聞きたいことがあるの」
そういうと、ロゼッタは一旦、深呼吸をした。
「あの夜何かあったの? 事件の後、あなたが消えた。本当に何があったの?」
なんか……穏やかな話ではないね。
「何の話~?」
「とぼけないで」
「わたしが旅立ちの日~。目が覚めたらお姉様が突然河原まで連れられて来たの、そこにあった小舟に乗ってそれからわたしは七年間も一人で~」
「目が覚めたらって、もしかして、あなた・・・・・・」
「ごめんなさい、あなたは嘘がろくに付けないお人好し、隠し事なんて、もう一秒で暴露しちゃうしね」
それは短い間であるけどカチュアという人物は理解している。
「うん、いいよ~」
「どこまで覚えている」
「ロゼちゃんと遊んで帰った後にすぐに寝て、それ以降は・・・・・・」
「お姉さん連れられたわけか・・・・・・」
「この間に何かあったかは聞きたい?」
「今はいいかな~、ロゼちゃん忙しいそうだし~」
「そっか、色々ごめん、それでは」
そういうとロゼッタはこの場を去っていく
しかし、カチュアは私と出会う? 前に何があったんだろう。
「あ! それと、まだ付けてくれていたんだね、私があげた、リボン」
それって、カチュアの髪を縛っているリボンのこと? あれはロゼッタからの貰えいものだったんだ。てことは、七年間も大切に使っていたんだね。
蒼炎のカチュア 黒桐涼風 @azalea734
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