神名録2 死神ザルキシス

※は作者の補足



◎死神ザルキシスについて


死神ザルキシスはアンデッドの神、病の父、万死の王と呼ばれる死を司る神である。

その姿は少し青あ入った白であり、上半身は蝙蝠の翼が生えた悪魔、下半身が蜘蛛、そして腹の部分にも巨大な口がある。

彼の体の中は煉獄そのものであり、亡者の魂が中に入って苦しんでいる。

彼の右腕は大きくその指先は刃物のように鋭い爪がある。

左手には伸縮自在のねじ曲がった剣があり、獲物を逃さない。

そんな複雑怪奇な姿をしたザルキシスは元々地下世界の神であり、死した者の魂を管理する者であった。

神々の女王である破壊の大母神ナルゴルが聖母神ミナとその子らを亡ぼすために地下から呼び出された。

以後地上の世界にアンデッドが徘徊するようになったのである。

ザルキシスはルーガスから魔術を盗み知ると自身の力を掛け合わせ死霊術を生み出した。

つまり、ザルキシスは死霊術の祖でもある。

この死霊術の知識をばら撒く事でより多くの死を増やそうとしたのである。

特にミナの子と眷属を狙う事が多く、その中で人間のアンデッドが多いのはそのためである。

万死の女王ラーサを妻とし、間に沢山の子どもを持つ。

子ども達は死の御子と呼ばれ、地上に死をばら撒くために暗躍する。

蝙蝠、蜘蛛、ネズミ、ハイエナ、蛭、蠅等が象徴する獣である。



※名の元ネタはダキアの神ザルモクシス


※ル〇ンクエストだと不浄の三神やヴィ〇ヴァモート、ウォ〇ハンマーだとナ〇グルのポジション。



◎ザルキシス信仰


ザルキシスは多くの種族から信仰されている。

ただし、その信仰の在り方は崇める事で自身に不幸が訪れないようにするという祟り神としてである。

人間にも信仰されるが、それは死を恐れ、死から逃れ、永遠の命を望む者が多い。

だが、ザルキシスはエリオスの神々と敵対しているのでその眷属である人間に厳しい。

与える恩恵は他の人間に害を与えるようなものばかりだ。

恩恵を与えられた者は周囲に瘴気をばら撒き、人々を病気にさせ、自身もまたアンデッド化していくだろう。

もっとも、ザルキシスの娘である鮮血の姫に認められれば、アンデッドの貴族である吸血鬼に生まれ変われるかもしれない。

ザルキシスには妻ラーサと多くの子どもがいて、ラーサとその子らの信仰もザルキシス信仰の一形態とされる。




※死の司祭と死霊術師の違い

信仰心が違うだけで使う術は同じである。

死の司祭はザルキシスを信仰しているが、死霊術師には信仰心がないか薄くその力のみを欲する。



◎ザルキシスに従属する者達

ザルキシスに多くの子どもがいて、その子らが従属する神と言える。

ラーサは厳格には従属神ではないが、ザルキシス信仰に組み込まれている。

その代表する者が以下である。



・万死の女王ラーサ

ザルキシスの妻であり、夜の女神。

巨大な黒い梟が人型が混じった姿をしている。

運命の女神カーサと波間の歌姫ローサの姉である。

吸血梟であるストリゲスを眷属とする。

ストリゲスとその血を引く女性達をストレガと呼び、彼女達はラーサを崇める教団を作っている。

ザルキシスとの間に沢山の子を産んだ。



・鮮血姫ザファラーダ

ザルキシスの娘であり、吸血鬼ヴァンパイアの女王。

ザルキシスの子どもの中で最強の力を持ち、死の御子の筆頭。

普段は美しい人の女性の姿をしているが、その正体は9つの眼を持つ深紅の巨大蝙蝠である。

男女問わず美しい者が大好きで美形の吸血鬼騎士で構成された紅牙騎士団オーダー・オブ・ザ・クリムゾンファングを側に置く。

吸血鬼になり、永遠の命を得たい人間達から崇拝され、彼女を崇める深紅の教団がある。




・蛆蠅の法主ザルビュート

ザルキシスの息子であり、ザファラーダの次に強い死の御子である。

白い法衣を人型の姿をしているが、その正体は巨大な単眼を持つ巨大蠅である。

病と腐敗の邪神であり、常に瘴気と黒い魔蠅を周囲に纏わせて腐敗臭を漂わせている。

耐性が弱い者が彼の臭気を浴びるとたちまち体が腐り、蛆の苗床となる。

彼を好き好んで崇拝する者は稀であるが、いない事もない。

そんな蛆蠅を纏わり付かせた腐敗の司祭は蛆蠅の呪いを周囲に撒いて強制的に信者にする。腐敗の信者は周囲にいる者達は腐敗を広げ蛆蠅の法主の信徒を増やすのである。




・悪夢の道化師ザンド

ザルキシスの息子。

夢と眠りを司る邪神で普段は道化師の姿をした青年の姿をしている。しかし、その正体は巨大な六眼を持つ、多足のネズミである。

かなりの実力があるが、享楽的であり、父であるザルキシスの命令よりも自身の楽しみを優先させるため、父親から嫌われている。

眷属はラットマンやネズミである。

ただ、ザンドは自ら人間達に布教する事もある。

対象は現実社会が辛くて夢の世界に逃げたい者達である。

ザンドは楽しい夢を見せてくれる粉状の薬「砂」を与え、現実の辛さを忘れさせる。

ただし、砂の効果が途切れると夢は悪夢となるので、継続的に服用しなければならなくなる。

砂を飲み続けると夢の世界に捕らわれ、おぞましい夢の国の住人であるワーラットへと変わっていくのだ。

変貌した者達はザンドの忠実な信徒となり、仲間を増やそうと同じような境遇の者に「砂」をばら撒く。

そんな彼らを砂男ザンドマンと呼ぶ事もある。



※現在は半ば死せる神であり、クーナに仕える小神である。


※夢の国の住人のネズミ人……。某マスコットキャラを連想してはいけません。





・紅玉の公子ザシャ

ザルキシスの息子。

神々の中でもかなり弱く、場合によっては神と呼ばれない事もある。

普段の姿は金髪の美少年である。ただし、その両の掌には牙の生えた口があり、美女の血を欲している。

その真の姿は深紅の巨大な吸血ヒルである。

特に信者はおらず、弱い人間ばかりを襲っている。

虫使いとしての能力を持つ。

ただし使役する虫は害虫ばかりである。



※他にも死の御子はいっぱいいます多くいます。




◎ザルキシス達の眷属

アンデッドは弱点としてマミーを除き総じて日光に弱い。


・ストリゲス

人型と梟の姿が混じった姿を持つ吸血種族。

女性しかいない。万死の女王ラーサを信仰する。

彼女達とその血を引く女達はストレガと呼ばれる。

ちなみにストリゲスの血を引く男はストリゴイイと呼ぶ。


※ストリゴイイは死霊術の才能のあるただの人間だったりします。


・グール

砂漠や荒野地帯に住むハイエナ人。

オスはグールでメスはグーラと呼ばれる。

好んで屍肉を喰らので食屍鬼と呼ばれる事もある。

変身能力を持ち、集団の誰かに化けていてこっそりとその種族を食べるのである。

グーラは美女に化けて、その性的魅力によって魅了した男を食べる。

卵から生まれ、メスは子供に授乳して育てる。

他種族がグーラの乳を吸うと乳兄弟になってグールと仲間になれたりする。

魔力が強く、ほとんどの者が魔法戦士であり、その1つとして犬化の呪いを使える。


※よくファンタジーの作品ではアンデッドの1種になっていますが、原典では違うのでハイエナ人の姿にしました。

つまり、D&Dのノールの姿に近い種族ですね。



※グール、グーラがいるならグーレストもいるのではと思います。



・ラットマンとワーラット

ラットマンはネズミが人型になった種族。ワーラットはラットマンと人間との2つの姿を持つ。

元からラットマンだった者と人間が後天的にラットマンになる者がいる。

ワーラットは基本的に元人間である。

どちらも悪夢の道化師の眷属であり、ワーラットは仲間を増やそうと楽しい夢を見せる粉薬「砂」を配っている。

砂を広げるのはどちらかと言えば善意に近い。

彼らが仲間にする対象は生きる事が辛い底辺層ばかりであり、苦しみを解いてあげようと「砂」を配るのである。

楽しい夢見続けているうちにその者は次第にラットマンと化し、夢の国の住人となっていくのだ。



・ヴァルチャグ

ハゲワシ人。

グールと同じく砂漠や荒野地帯に住む。

彼らも屍肉を好んで食べる。

変身能力があるが、数が少ないので滅多に遭遇する事はない。

生まれつき魔法を使う。

貪欲な性格をしている。


※ヴァルチャグはグールのようなハイエナ人がいるのならハゲワシ型もいても良いだろうと思って自分が自作した種族。

名前はハゲワシを意味するヴァルチャーから変化させました。

多分他作品に似たような種族がいるかもしれない。

ハゲワシは本来なら生態系を守るために重要な存在だが、この世界では貪欲の象徴である。



※眷属は他にもいます。


◎アンデッド

アンデッドは死せる者の管理者である

ザルキシスは神族を除く死せる者を地下世界で管理する者であり、そのザルキシスが地上に現れた事で地上に現れた。

ザルキシスはエリオスの眷属を狙う事が多いので、結果アンデッドになるのは人間が多い。

その身は瘴気を帯びているので長時間その場にいると植物を腐らせ、周囲の人間を病気にさせる。

アンデッドは弱点としてマミーを除き太陽の光が苦手である。

また瘴気が活力の源であり、瘴気を洗い流す清らかな水の流れや瘴気を打ち消す銀製品等にも弱い。


以下主なアンデッド。




・ゾンビ

動いている死体。操られていなければ自身の出身種族の生者を襲う。

多くは死霊術によって生まれる。


・スケルトン

ほぼゾンビと同じだが体の肉がなく骨だけの存在。


※スパルトイとスケルトンは姿が似た姿で描かれる事が多いですが、名作「アルゴ探検隊の大冒険」の影響みたいです。原典ではスパルトイは骸骨の姿ではないです。

ちなみにスパルトイはソードワールドでは竜牙兵と呼ばれています。


・ゴースト

心残りがあり死んだ魂が現世に留まった状態。

騒がしいポルターガイストになる事もある。


・ドロウナー

青き死者と呼ばれる。沈んだ船の船員だった者達のなれの果て、死んだ後も幽霊船ゴーストシップの船員等をしている。

船長はドロウナーキャプテン等と呼ばれる。


・ラルヴァ

悪霊。強い瘴気を持ち悪霊に触れると生気をもぎ取られる。

集合体をレギオン又はレムレースと呼んだりする。

集合したラルヴァの叫びは即死効果があり、耐性のない者は死ぬ。


・ドラウグル

元が優秀な戦士のアンデッド。ゾンビのような緩慢な動きではなく、生前を超える動きをする。強いアンデッド。


・スペクター

上位のアンデッド。半ば実体がなく幽鬼と称される。

さらに上位種に幽鬼の騎士スペクターナイト幽鬼の王スペクターロードがいる。


※スペクターナイトは指輪物語のナ〇グルぽいのを想定。

スペクターロードはリ〇チやノ〇ライ〇キングに相当します。


・ヴァンパイア

吸血鬼と呼ばれアンデッドの貴族と称される存在。

上位のアンデッド。

血の接吻を行い仲間を増やす事が出来る。

噛まれてヴァンパイアとなった者はレッサーヴァンパイアとなるが、長い年月をへて通常のヴァンパイアへとなる事も可能。

ザファラーダから直接ヴァンパイアにしてもらった者は最初から強力なヴァンパイアとなり、真祖とも呼ばれる。

また狩場である領地カウンティを持つ者は吸血鬼伯ヴァンパイアカウントと呼ばれたりする。


※スペクターと同じくヴァンパイアナイトやヴァンパイアロードがいたりします。



・デュラハン

首のない騎士が女性の頭部を持った姿をしている。

しかし本体は女性の頭部であり、頭部を破壊しないと新たな首なし騎士が生まれる。

首から出る血を鞭のように武器にして、首のない馬に乗る。


※デュラハンはアンデッドではなく妖精という説があったり女性であるといった説があります。

また、なぜわざわざ頭を首の上に付けず、抱えているのかという疑問もあります。

首がくっつかないから仕方なく抱えているのでは何か弱そうだしどうしようかと考えた結果このようなモンスターになりました。

首だけのお姫様を守る首のない騎士。

自身の頭部でないから首の上に乗せず、お姫様の抱えているのです。


以上

他にもいます。





◎ザルキシス達から受けられる恩恵?

ザルキシス達が与える力はある意味呪いである。

エリオスの神々の眷属である、人間達を不幸にするために力を与え、その力を使っていくうちに自身もまたアンデッドと変わっていくのだ。

以下主な恩恵?





・下位アンデッド作成

ゾンビやスケルトン等の下位アンデッドを作る。当然死体が必要。

また、ゾンビパウダーという素材も必要となる。


・中位アンデッド作成

ドラウグル等の中位アンデッドを作る。

生前能力が高かった者の死体と希少な素材が必要。


・ラルヴァ召喚

悪霊を召喚して使役する。


・レギオンの叫び

複数のラルヴァを召喚して一つにして叫ばせる。

魔法の守りがなく、耐性のない者は死亡して、耐性のある者でも体が麻痺をして動けなくなる。



・シェイド召喚

闇の下位精霊シェイドを召喚して使役する。


・ナイトメア召喚

闇の中位精霊ナイトメアを召喚して使役する。


・餓鬼弾

餓鬼プレータ玉を召喚して相手にぶつける。



・暗視

暗闇でも見る事ができる。


・生命感知

生き物の気配を感知できる。


・アンデッド感知

アンデッドの気配を感知できる。



・幽体化

自身の肉体から幽体離脱する。

物理攻撃が効かないが、その代わり日光等に弱くなる。


・憑依

幽体化した後で違う生物に乗り移る。

抵抗される可能性あり。


・瘴気耐性

瘴気に対する耐性ができる。

むしろ瘴気があった方が活動がしやすくなる。


・病気無効

病気を無効。


・衰弱

対象の体力や筋力を弱める。



・悪疫蔓延

様々な疫病を流行らせる。邪悪な魔法。


・大悪疫蔓延

悪疫蔓延の強化版。



・腐敗の風

この風に触れた生物を腐敗させる。


・麻痺

相手を痺れさせて動けなくする。


・睡眠

相手を眠らせる。


・悪夢

対象に悪夢を見せる。


・毒耐性

毒に対する耐性を持ちます。



・水汚染

水を汚くします。


・死の従者作成

死体を除く素材なしで下位アンデッドを作成できる。

作られたアンデッドは作成者に忠実な僕となる。

上位のアンデッドのみが使える。



・死の恩寵

吸血鬼を除く上位アンデッドへと生まれ変わる。


・血の祝福

吸血鬼へと変貌する。



・蛆の祝福

傷を負っても蛆が宿主である人の身体を再生させる。

ザルビュート信徒のみが使える。


・蠅の祝福

複数の魔蠅が苗床を守るために周囲を飛び回る。

敵意を持って近づいた者は蠅に卵を植え付けられ、新たな腐敗の信徒となる。

ザルビュート信徒のみが使える。


・蠅雲

黒い魔蠅を呼び出す事ができる。

蠅を対象にぶつけ、蛆の卵を植え付けたり。自身の姿を隠したりできる。

ザルビュート信徒のみが使える。


・吸血による再生

対象の血液を吸収する事で回復する。

ヴァンパイアが使う特技。



・血の接吻

対象に自らの血を与え下位吸血鬼レッサーヴァンパイアへと変える。

ヴァンパイアが使う特技。



・魔血霧

何でも溶かす酸性の紅い霧を発生させる。

ヴァンパイアのみが使える。


・蝙蝠変身

ヴァンパイアが使える特技。

巨大蝙蝠へと変身する。


・霧の体

体を霧へと変化させる。

この霧は魔血霧を同じ効果がある。

ヴァンパイアが使う特技。


・魅了の邪視

この目を見た対象を魅了する。

ヴァンパイアが使う特技。




※上記以外もあります。

正直書き足りない。ザルキシス関係はもっと書きたいです。


※今後加筆予定だったりします。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

暗黒騎士物語設定資料集 根崎タケル @nezaki-take6

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ